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婚約者はこの世界のヒロインで、どうやら僕は悪役で追放される運命らしい  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


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第97話 ヒロインの不在

 翌朝――



今朝も僕はエディットが迎えに来るのを屋敷の外で待っていた。


エディット……早く来ないだろうか…?

つい待ちきれずに外に出てきてしまったので、かれこれ20分位外で馬車を待っていた。


その時――。


「あ、アドルフ様っ!こちらにいらしたのですかっ!」


背後で屋敷の扉が思い切り開かれ、フットマンのジミーが駆けつけてきた。


「どうしたんだい?そんなに慌てて」


「は、はい……はぁはぁ…そ、それが……エディット様のご自宅からお電話を頂きまして……はぁはぁ…」


「え?エディットがどうしたんだい?」


「は、はい…実はエディット様が……風邪を引いてしまわれたそうで……本日は学院をお休みするそうなのです…ハァハァ……」


「え?!エディットが風邪を?!」


「はい、そうなのです……本当はもっと早く…ご連絡頂いていたのですが…アドルフ様のお姿が何処にも見当たらなかったので……」


ジミーはようやく息が整ったのか、スラスラと説明してくれた。


「そうだったのか……エディットが風邪を……」


心配だな…具合…悪いのだろうか……?


その時……。


「何をされているのですか?アドルフ様っ!早くしないと遅刻してしまいますよ!」


「え?あ!大変だっ!馬車の用意が……っ!!」


「あ!そうでした!こちらもアドルフ様を探すことに気を取られていて、馬車の手配を忘れていました!」


その後、僕とジミーは右往左往しながらもすぐに御者に声を掛け……学校へ向かうことが出来た――。




****



「お、おはよう……」


何とか遅刻寸前に教室へ到着することが出来た。


「おはよう、アドルフ。随分遅かったじゃないか?」


エミリオが真っ先に声を掛けてきた。


「珍しいじゃないか。最近優等生のお前がこんな遅刻ギリギリの時間に」


「何かあったのか?エディットと一緒に登校したんじゃなかったのか?」


ラモンに続き、ブラッドリーが話しかけてくる。


「うん、それなんだけど…実は今日はエディットが休みなんだ」


「何だって?!エディットが?一体どうして休んだんだよ?!」


妙に焦った様子でブラッドリーが詰め寄ってきた。


「え?ブラッドリー?」


何故こんなにエディットのことで慌てるんだろう?



「おい、どうしたんだよ?ブラッドリー。そんなムキになって」


不思議そうな顔でエミリオがブラッドリーに尋ねた。


「あ…悪い。エディットは滅多に学校を休んだことが無いから少し驚いただけだ。それで?何故エディットは休みなんだ?」


再びブラッドリーが話しかけてきた。


「うん、どうやら風邪を引いてしまったらしいんだよ」


「そうか、風邪か……」


するとその時。


キーンコーンカーンコーン…


午前中の授業開始のチャイムが鳴り響き、1時限目の授業の先生が教室に入ってきたので話はここまでで終わった――。




**


「おい、アドルフ」


ノートを取っていると、突然隣に座るブラッドリーが肘で小突いてきた。


「何だい?」


小声で返事をする。


「今日、エディットの見舞いに行くんだろう?」


「見舞い……」


だけどもし酷い熱で寝込んでいたら会えないし、具合が悪い時にお見舞いに行ってもエディットは気を使うだろうし、迷惑を掛けるだけかもしれない。


「エディットに熱があったらお見舞いに行っても会えないし…気を使わせてしまうかもしれないからやめておくよ」


「え?行かないのか?」


ブラッドリーが意外そうな顔で僕を見る。


「うん、そうだね」


きっとエディットのことだ。

僕がお見舞いに来たといなると、体が悪くても無理をして会おうとするかもしれない。


大切なエディットにそんな事はさせられない。


「ふ〜ん、そうか。それじゃ帰りはどうするんだよ」


「迎えの馬車が来ることになっているよ」


それよりもブラッドリーは今が授業中であることが分かっているのだろうか?


「よし、それじゃ昼は一緒に学食へ行こうぜ」


「そうだね、行こう」



返事をすると、それきりブラッドリーは話しかけてくることが無かったので僕は再び授業に集中することにした――。





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