ストロークという基本を見る
階段は意外と一段が高く感じたが早くテニスを見てみたかったからスラスラと上ることができた。
「はい、着いたよ。そこの窓際から見えるからそこの椅子に座って一緒に見よっか」
「おー ひろい。スゲー! めっちゃひとがちっちゃい。 おーこれがきのうテレビでやってたひとがゴミのようなってやつか」
「そういえば昨日テレビでラピュータやってたね。お姉ちゃんも見たよ。だけど今は、テニス見よっか」
「そうだった。テニスみるんだった」
「あれみんなラケットもってないよ。それにボールもないよ」
と横一列に並んだ人を見て訊いてみる。
「最初に体操はしっかりしないと怪我しちゃうからね。テニスでよく使う場所を柔らかくすると怪我しにくくなるのです。これでもっと賢くなったね」
「そっかフツウのタイソウとちがうのはテニスでよくつかうばしょで、やらないばしょはやわらかくするとぎゃくにケガしやすくなるばしょか」
「おー! みっくんは天才さんかな! よくわかったね。 そう柔らかくしすぎるとそれはそれで怪我するからね」
「あっ体操も終わったからテニスの練習が始まるよ。まずはテニスで一番多く使うストロークっていう基本の練習」
「きほん?」
「そう一番最初に習うんだけど一番大事なことって感じ。これができないとテニスは出来ないの」
「なんかみんなボールもつかわないでラケットだけふってるけど、あれはなんのれんしゅう?」
「あれは、フォームのチェックっていってボールを打つ時の姿勢が悪いとボールが飛ばなかったり逆に飛びすぎちゃうんだよ」
「とばしすぎるのはよくないの? ホームランとかとばせるだけとばすといいカンジするけど」
「テニスはボールをコントロールして相手のコートにボールを上手に返すスポーツで返すことができないと負けなの。だから飛ばないのも飛ばしすぎちゃうのも負けちゃうのよ」
「なんだかなんむずかしそう」
「そうね。難しいかもね。だから上手くできたときはもっと楽しいわよ。」
「あっ ボールうちはじめた!なんかクルクルまわってるけど8のジみたいにすぐうごくんだね。それにみんなネットにひっかからないけどボールはいろんなところにとんでるね」
「そりゃ今の時間の子たちは凄い上手い子たちだからね。ネットに引っかけることはあんまり無いわよ。そうねテニスは基本はよく動くスポーツね。そしてあの8の字にも基本が沢山あるのよ」
そういってウィンクをしているお姉さんはもっと大人っぽいのに子供っぽくもあり不思議な感じがした。
「ここで天才みっくんに質問です、あの8の字の動きにあるテニスの基本とはなんでしょう?」
「う~ん ボールをうまくかえせるようにはしって、とまって、もどるをくりかえす。だけどこれじゃあまえとうしろのれんしゅうができないよ」
「やっぱみっくん頭いいね。この後前後の練習をしてから左右前後の全部の練習になるからそしたら今よりもっと難しくなってボールをネットにひっかかるようになって来るわ」
コート内のボールが打ち尽くされると生徒が一斉にボールを集め始めた。ボールを集めている間暇なのでテニスのルールをこのみお姉ちゃんに質問してみる。
「このみおねえちゃん、テニスコートにもようがあるけど、あれはどんないみがあるの?」
「それじゃあまた練習が始まるまでテニスの基本のルールとコートについて教えてあげるね」
そういうとこのみお姉さんは立ち上がって僕の後ろに立つ。
「じゃあ説明するからわからないことは後で聞いてね」といいながらお姉ちゃんはコートを指さしながら
説明を始めた。
「青いコートの真ん中で私たちの前にネットがあるでしょ?そして白い線が沢山あるけど一番大きい四角がダブルスっていう二人対二人でやる時の大きさなの。そのちょっと内側にある線で囲まれた大きい四角がシングルスっていう一人対一人の時のコートの大きさ。両方とも相手のコートにボールを返す時にネットにひっかかったり、この線から外にボールが出ちゃうと相手の得点になるの。」
「ここまでで分からないことはない?」とお姉ちゃんが顔を覗き込んでくる。今更だけど明るい茶髪で真っ赤な唇が綺麗だなと感じる。
「じゃあてんをとるのはあいてがミスしたときだけ?」
「いいところに気づいたね。相手のコートにボールが入って相手がボールに触れないとウィナーっていう特別な点の取り方になるんだよ。まぁ点数自体は相手のミスでもウィナーでも変わらないんだけどね」
「じゃあウィナー?はなんでとくべつなの?」と首をかしげるとなんかお姉ちゃんが身じろぎしてる。
「ウィナーされるとね、相手の方が上手って感じてボールのコントロールが上手くできなくなっちゃってミスを続けちゃって負けちゃうことがあるのよ。試合の流れを変えることがある特別なプレーだから名前があるの」
「じゃああのコートのまんなかにあるちいさいシカクはどこでつかうの?」
「あれは、サーブっていう各ポイントの最初に相手のコートにボールを入れるとき専用の場所であそこに入れるのは結構難しいの。サーブの練習は今再開したストロークの練習の後にやるからその時にまた教えてあげる」というとおねえちゃんはまた僕の隣の席に座った。
「あそこにいるおにいちゃんたちはシングルスやっているの?それともにんずうおおいからダブルス?」
「そうねえ、ダブルスをやる時もあるけどみんなシングルスが基本かな。テニスもシングルスの方が有名だし」
「あのセがたかいアオイふくのおにいちゃんはさっきからミスばっかだよ。それとあのかみのながいピンクのふくのおねえちゃんもよくコートからボールがでてる。でもあのレッドってかんじのひとはネットとそとをくりかえしてる」
「みっくん頭だけじゃなくて眼もいいね。テニス選手に向いてるよ?やってみない? あ~ 赤い服の子はちょっとミスると直そうとしすぎてやりすぎちゃう子だから間違ってないわ。でも青い服の子とピンクの子は狙って一番奥の場所狙って打ってるのよ。試合ではあんなに飛ばしすぎることはないのよ」
「じゃあなんでれんしゅうではミスばっかなの?」
「あの奥のライン近くでボールが弾むと相手がミスしやすくなるからその為に奥のライン近くに打つ練習をしてるのよ。だからちょっとミスが練習中は多いのよ。他の子たちはコートに返すので精いっぱいだからコートに入っているのが多いけど本番だと青い子とピンクの子たちほどコントロールができないからミスが多くなるのよ。赤い子はこれからに期待の新人だからしょうがない処はあるわ」
「そっかウマいけどもっとウマくなるためにガンバってるんだ」
「そうね。テニスも上手くなるには練習もしっかりやることが重要なのよ。やりすぎはよくないけどね」
「きゅうけいはダイジっておとうさんもいってた」
「そうね。この練習が終わってボール集めたら休憩があって水分補給とかの休憩が入るわ。その後は、サーブ練習だからその時はあの小さい四角の意味も教えてあげる。それじゃあサーブ練習まで私たちも暇だからなんか飲み物買ってあげるから一緒に自販機まで行こうか」
「おー!じはんき!トオクにおでかけするときしかみないいっぱいジュースおいてるマボロシのキカイ!」
「みっくんの中では幻のポケ○ン扱いなんだ。かわいー」
「じゃあ行こっか」と明るい声で手をつなぎながら席を立った。