周りを気にしない競技がこれだった
書き次第UPする方式。投稿頻度は分かりません。
はじめに
テニスという競技が最近メジャーになりつつある現代日本より未来の話だが、そこでは、“風神” “雷神”と呼ばれる2人合わせて40年にもおよびトーナメントを制覇し続けたたプレイヤーが2人居た。この物語は、そのうちの風神こと皇 帝(すめらぎ みかど:通称カイザー、風神)に主眼を置いた伝記および周囲の反応と皇 帝がいかに乖離していたかを示すものである。
本作で取り扱う皇 帝とはどのような人だったかを事実から説明すると以下のような人である。
日本のテニス界は皇 帝の出現によって、今までの一人のタレントが世界で覇を競う中、2番手以降の選手が世界を舞台には活躍できないという状況が続くことが続く中で、25年にも及ぶ4大大会無敗という伝説を築き上げると同時に、彼の活躍に伴い世界ランキングTOP10に日本人選手が多いときは8人も占めるというほど後進の育成にも貢献した。
また風神の再来とも言われた雷神がテニス界に現れてなお雷神のタイトル独占を阻むほどの力を5年もみせたテニスの現人神ともいえるべき存在である。
そして特筆すべき点は彼の身長が160CMであったことである。 これは、当時のテニスの常識を完膚なきまでに破壊し、アジア地域を中心とした低身長の選手に希望を与えることとなり競技人口が大きく増加する一因となった。
ここで彼がいかに狂った存在であるかを説明する前置きが入りますがご容赦ください。
テニスという競技は、コートの中央にあるネットを挟んで行う競技でありネットの高さが最も低いセンター部分でも0.914Mの障害がそびえたっています。
これは特にサーブという試合の中で一番重要といえる各ポイントの最初に行われる主導権を握る動作で低身長の選手に大きなハンデを与えることになります。
理論値ですらセンターマークからセンターボックス中央の最短距離でサーブを入れるのに必要な高さは2.61Mとなります。
しかしこの値は針の穴を通す正確さが必要で現実的にはこの打点よりは10CMは高くないとフラットサーブでは入らないでしょう。
そしてテニストッププロのおおよその平均身長を180CMと仮定した場合、180CMの選手ですら、地面から肩までの高さがおよそ148CM、腕の長さが73CM、手の大きさが18CM、ラケットの長さが68.58CM、ラケットヘッドからボールを打つラケット中央までを-10CMとするとおおよそ261.58CMとなりかろうじて理論値に到達します。そして身長2M の場合は、打点の高さが281.1CMとなりネットから7CM上まで狙えるようになります。
これで身長が高い人の方が精度の低いサーブでも入る確率があるということは分かったと思います。
だったら身長180CM以下の人はプロがよくやるようにジャンプしたらいいのでは?と考える人もいるでしょう。
ですが、ただでさえ決まった場所にトスを上げるのも難しいのにジャンプしながら針の穴を通す精度なんか不可能だ!とトッププロでも言うでしょう。
しかもこれは空気抵抗もスピンからスピードに気温などの自然条件をまるっと無視した場合の話ですらこれほど難しいのです。
そしてボールのスピードが上がるほど遠くまでボールが飛ぶということは理解できるでしょう。
つまりフラットサーブは一部の人を除いて入りません。そうなるとプロはいかにサーブを入れているのかというとトップスピンサーブです。
これは、回転をかけることで飛距離をある程度コントロールするわけです。
そんな中でテニスのサーブの最速は時速238KMで平均時速も185KMほどでしたが日本のトッププロであった錦宮選手が身長178CMで最速サーブ速度が191KMで、平均サーブ速度は166KMでした。
ここで風神と呼ばれた皇 帝の最速サーブ速度は時速207KM、平均サーブ速度178KMです。
低身長でありながらこの数字はパワー全振りのノーコンだろうなと予想された方も多いでしょう。
そこでサーブin率やサーブポイント率も合わせて比較すると1stサーブin率:79%(歴代2位)、1stサーブポイント率:80%(歴代5位タイ)、2ndサーブサーブin率:94%(歴代1位)、2ndサーブサーブポイント率:55%(歴代3位タイ)
このように非常に高いコントロールの持ち主でもあることが分かっていただけるかと思います。
本作ではいかにしてこの皇 帝がテニスに出会いテニス界を荒らしていったかを描く物語である。