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みち

作者: ルカニウム



おめでとう




やっとここまで たどり着いたね

長かったかな?

短かったかな?



ぽかんとした顔をしているけど

もしかして 気づかないうちに

ここまで来ちゃったかな?



ふふっ



君らしくて いいね




ほら 後ろを振り返ってごらん

今日は遠くまで後ろが見える特別な日だから



うねうね ふらふら…

坂道に下り坂

あっ 横に行っちゃってるところもあるね


まっすぐ まっすぐ 歩いてきたつもりだったけど

こんなに ぐねぐねになってたなんて

思ってなかったかな?




これが君が今日まで歩いてきた 足あとだよ


いっぱい よろけて いっぱい ころんで

ここまで来たんだよ




ここまでは たのしかった?

それとも つらかった?



そっか… どっちもか


うん

それでいいよ


君が足あとを見つめて想ったのは

いろいろあると思うから



この足あとは消せないものだから

今のうちにしっかり見ておいてね

これからの君に見ておいて欲しいな


こんな まっすぐじゃない足あとは見たくない?


これからも こんな足あとみたいに

進みたくないって顔をしているね




ふふっ




いいんだよ

曲がりくねったって

横に行っちゃったって

ときには そこで立ち止まっても いいの

まっすぐじゃなくて いいの

不安なまま だって いいの

行き止まりだけはないから




まだ 不安そうな顔



ふふっ


仕方ないな


『不安なことだけじゃない』とだけ

ヒントを与えてあげる

あとは君自身が見つけて




うん

少しはいい顔になったかな


背中を押してあげるから

いってらっしゃい





最後にひとつだけ お願いね



また ここまで来て 足あとを見せてね

わたしは待ってるから




ここまで 来てくれて




ありがとう

生まれてきてくれて

ありがとう という 新しい君たちに。

そんな思いのお話です。

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