合宿準備
入学式から一週間が経過した。
あのあとテストとか、先輩との顔合わせとかがあったが、特別事件も起こらず交遊関係もそれほど広がっていない。
なにより、御影創也とまだ接触できていない。
「オリエンテーション合宿まであと一週間しかないわ。今日はその活動班を決めるわよ」
桜良はすでに学級委員が板についている。
高校生になる前からやっていたからだろう。
もう一人の学級委員は黒板書きに専念しているようだ。
「自由に班を作るんでもいいと思ったんだけど、それじゃあみんな知っている人同士とかで組むでしょ?だからこっちでくじを引いておいたわ。言っとくけど、不正はないからね」
班を決めると言いながら、すでにくじは引いてある。なんとも強引だなぁ・・
こうして合宿の班分けがなされた。
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結論から言おう。
この班はとてもいい。
女子は、百田さんという眼鏡をかけた大人しそうな人と、
風間さんだッ! よしッ!
「よろしく・・お願いします・・」
「よろしくお願いしますね」
そして男子は・・
「よろしくお願いします、御影くんも」
「ああ、よろしく」
そう、御影創也だ。
今は警戒の匂いはしないが、あれの発動はランダムだ。今どう思っているかは予想するしかないが、少なくとも好かれてはいないだろう。
「基本的には、この班で活動してもらうわ。班長だけはさっさと決めておきなさい」
うちの班長は風間さんだ。頼れるね。
期待に胸を膨らませる人も、不安で一杯の人もいるだろうが、僕は合宿が楽しみだ。
班決めに不正はないぞ!
桜良だってそういってただろう?
ただのご都合主義です。創也と絡ませなきゃいけないしね。仕方ないね。
これまでも短くて二つずつ出してたのに、今日はさらに短い。ならばおんなじくらいの長さでもうひとつあげればいいんだよ!
という訳で閑話をひとつ。