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ただ、平和な毎日を過ごせるだけで  作者: リア狂
第一章 日常
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出会い 前編

 彼女を見た後のことは、良く覚えていない。

 ボケッとしているうちに総代挨拶は終わり、各クラスへの移動が始まっても上の空だった。


「おい、おーい! 大丈夫か?勇太」

「なにかあったの?」

「・・あっ、ごめん。ボーッとしてました」

「入学式終わってすぐなのにどうしたのよ?」

「いや、ほんとに何でもないから気にしないでください」

「ん?そうか?大丈夫なら教室行こーぜ」


 二人が心配してくれるのは嬉しいが、僕だって思春期男子だ。女の子に見惚れてボーッとしてたなんて、恥ずかしくて言えやしないだろう。

 また憎まれ口を叩き合い始めた二人をなだめながら、僕は新しい教室へ向かった。


 ガラガラと音をたてて教室に入ると、すでに半分くらいの席が埋まっているのが見えた。

 どうやら前の黒板に、席順が貼ってあるようだ。


「おっ桜良おめー総代の後ろじゃねぇか」

「『かざま』と『かずみや』だからね。そうかもしれないとは思ってたわ」

「いいねぇ・・彼女、結構かわいかったよな?」

「えっ・・そりゃ、まあ」

「なによ二人とも。ああいうのがタイプなの?」

「少なくともおめーみてーながさつもんよりかわいいと思うけどな」


 言っちゃったか・・源は桜良が何を想っているのかわかってなさそうだもんなぁ・・

 仕方がない面もあるけど、これじゃあ・・


「フン! がさつで悪かったわね! さっさと自分の席に行きなさいよ! シッシッ」


 そりゃあ機嫌も悪くなる。心なしか目尻に涙が浮かんでいるようにも見える。

 あーあ。


「ほら、行きますよ」


 僕は甲本だから、桜良の少し後ろの席だ。

 僕が席に座るのとほぼ同時に、風間さんが教室に入ってきた。

 近くで見るとなおかわいい。

 源とはすぐに衝突するが、桜良は人付き合いが上手い。今も早速彼女に話しかけているようだ。

 僕も彼女と仲良くなりたいなぁ・・


 しばらくすると男の先生が入ってきて、ホームルームが始まった。

 今日は自己紹介の後、係や委員会を決めるらしい。

 自己紹介は特に面白いところも問題もなく、風間さんまで進む。


「風間詩織です。甘いものが好きなので、おすすめのお店とかがあったら是非教えて下さい。よろしくお願いします」


 風間さんは甘いものが好きらしい。イメージ通りだな。


「和宮桜良よ。面倒だから敬語はナシね。よろしく」


 これだけ聞くと素っ気ないだけだが、彼女は人付き合いの良さと面倒見の良さでクラスの中心になることが多い。彼女自身、クラス委員とか好きらしいし。


「甲本勇太です。好きなもの・・こと? は読書です。よろしくお願いします」


 自己紹介は無難に済ます。僕はそんなに人付き合いが上手くないから、桜良みたいにすると無用なトラブルを呼んでしまうかもしれないのだ。


「オレは槇村源だ。桜良のマネじゃねぇが、オレも敬語はナシで頼む。あー、好きなものはカレーだな。よろしく」


 桜良も源も敬語が好きじゃない。距離を感じるのだとか。僕には敬語癖があるのだが、付き合いが長いからか治せとは言われない。ありがたい。


「御影創也。よろしく」


 ッ!

 今、確かに警戒の『匂い』がした。

 向けられたのは僕、桜良、源、そして風間さんの四人みたいだ。

 どういうことなんだろうか・・


 係・委員会決めはつつがなく進んだ。

 桜良は、学級委員になった。

 ほらね。

こんな感じで、あんまり長くない話を一週間に二つずつ出していく予定です。

もしかすると忙しくて、一つしかあげられないことがあるかもしれませんが、


それはごめんなさい。

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