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軍師 知多星の作戦

 偵察の結果、敵に魔法が効かない事が判った。ヌージィガでは遠距離の攻撃は主に魔法を使っており、銃器の進歩は遅れていた。そのため、戦いでは弓矢が主な遠距離攻撃の手段となる。俺は兵に矢尻に毒を仕込むよう指示を出していた。


 防御の面では我が軍の装備は心許ない。敵が対魔法コーティングを施した鎧を着ているのに対して、こちらの装備で対魔法コーティングが施されているのは将軍たちとアルデの開発したバイクを使用する部隊だけだ。敵が長距離攻撃魔法を使用すれば被害は甚大だ。


 この状況でどのように振る舞うべきか。偵察から帰陣して以来、俺は過去の戦争についてスマホでウェブ検索をしていた。


「サトシ、似たような戦争は見つかったか?」

 勇者ソウコウが部屋にやって来た。


「あぁ。俺の世界でベトナム戦争ってのがあった。これが今回の戦争に似ているように思う」


「この戦い、ゲリラ戦で行こう」


「さすがの知多星だな」

 知多星、俺がこの世界にもたらした知識が評価され国王から賜った二つ名だ。もっとも、俺の知識はほぼウェブからの情報だが。




 これからの戦闘について作戦をたてるため、将軍が集まった。今回の作戦立案は知多星である俺が策定する。


「ゲリラ戦のキモは、本部の場所がわからないということにある。まず奴等は首都を狙って来るだろう。べリアル、魔界に民を受け入れてくれないか?」


「了解、任せとけ」


「ソウコウは民の誘導を頼む、君のカリスマがあればスムースに移動ができるだろう」


「わかった」


「それからべリアルにはもうひとつ頼みがある。俺たちが偵察した時、敵の着弾点には多数の死者がいた。君の部下には死者を自由に操る者が居ると聞く。その者たちの術で敵に混乱をもたらしてほしい」


「ほいほい、つまりは俺たちが先陣ってわけだな?」


「そうだ、頼む」


「サーシャ、君の率いる魔導部隊は攻撃の主力としては使えないから後方支援を担当してくれ」


「承知しました」

 サーシャは明らかに落胆している。


「ただ、サーシャ自身については重火器の装備もあるから十分戦力になる。アルデと同行して敵を直接叩いてほしい」


「承知しました!」

 一転、サーシャが明るい顔を見せる。分かりやすい。


「アルデの部隊は敵との戦闘を担当。部隊を複数に分けて、攻撃と撤退を繰り返してくれ。できる限り少ない被害での運用を頼む」


「了解じゃ」


「バランの改造については今どうなっている?」


「コックピットの複座式換装は完了、火器も充実させたわ」


「あの機能については?」


「実装完了しておる。試験しとる暇はなかったから、実践で試すしかないがの」


「あの機能??」

 べリアルが興味深そうに尋ねる。


「軍事機密ってやつじゃ」

 アルデはいつものいたずらな目付きで微笑んだ。


「それでは総員作戦行動に移ってくれ。なお、俺もアルデ隊に加わる。状況ついては随時通信機(俺のもたらした知識)で連絡をいれてくれ」




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