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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

あのこの裏切りを僕は知らない

作者: 佐伯

付き合って二か月にもなる。

高尾はそう思い、優樹菜に口づけをした。

「もう、急に……」頬を染める優樹菜を高尾は抱きしめた。

好きだ。好きなんだ。

そればかりが頭をループする。

夕焼けは2人のムードを高めた。高尾は思う。ホ、ホテルに行かないか?

しかし、優樹菜には全くその気はない。

最後までいけるのか?その判断はいつでも微妙だ。


「2人っきりになりたい」

「嫌」一蹴。


次の日、高尾は憂鬱だった。

キスをした。その次のステップをしくじってしまった。TVゲームだったら即リセットだ。

現実はそうはいかない。

仮に人生のリセットを想定する。首吊り、練炭、リスカ……。

「おはよー」

いつの間にか、優樹菜は高尾のすぐ隣に来ていた。

「おはよ」

「んー、元気ないぞ」


「……昨日ごめんね」


「はは、気にしなくていいよぉ」

それはどういう意味。ストレートに聞きたい。

「ごめんね」

「だからいいって」ちゅっと頬にキスを受ける。「仲直り」

高尾はニヤケル、軽く勃起してしまった。




「でね、その不細工が言うのよ。愛している、本当に心の底から愛してるって」

優樹菜は、美香、葵に笑いかける。


「はは、ウケル」

「ホント」


「でも、優樹菜えらいじゃん、そんなキモイ事言われて我慢したんでしょ」


「うん、キープ君って大事だからね。クリスマスとかぁ、誕生日ぃ、1人ってやだからね」


「俺、ホント好き、結婚するかもしれない」

高尾は、高橋、酒井に神妙な趣で語りだした。


「そうか、応援する」

「ガンバレ」


「でも高尾偉いな、この年で将来の伴侶を決めるなんて」


「運命を感じる。俺頑張るんだ。今は勉強、いい大学入って、いい会社入る。公務員もいいかな」


優樹菜の30歳の誕生日に結婚した。教会式であった、純白のウェディングドレス、神のみもと永遠の愛を誓った。そして参列者のアメージンググレースが2人を祝福した。

投げかけられる「おめでとう」は皮肉にも感じられた。

優樹菜は微笑む。それは優越感なのかもしれない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 5作読ませていただきました。 えっ、どうしたの? と思いましたが今回のこの趣向は面白いです。 skさんが言われている通り、5作とも勢いがあります。べつな言い方すると、勢いで書いているなとい…
[一言] 拝読しました。 すごくリアルですね。こういうことって本当にありそうで、怖いというか、なんだかわからない時代になっているなと改めて思いました。
2012/12/30 13:06 退会済み
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