第二章 二
今日の四限にはロングホームルームがある。ちなみにロングホームルームってのは普段は自習に使ったり、皆で体育館で遊んだりすることができる時間のこと。昼休み、事前にオレと安達はゴリラこと担任山内に呼び出されていた。
「今日のロングホームルームなんだがぁ、そろそろ全日ホームルームで何処に行くのか決めにゃならん。そこでだ須賀、安達!ロングホームルームの時間を使っていいからお前らが中心になって話し合いをしてくれ。」
ゴリラはもみあげまでつながってるヒゲをジョリジョリとさすりながら言ってきた。…予想通り!どうせこんなことで呼び出しくらったってのはわかってた。もし、嫌ですなんて言ったらどうなるかな?きっとあのヒゲでオレの顔をぐりぐりやろうと…考えただけで気持ちわりぃや。
「分かりました。それじゃあ話し合いをして何処行くか決めたいと思います。」
オレがくだらない事を考えて、返事するのに遅れているあいまに安達の奴が返事しちまった。安達って、はきはきというか何というかテキパキしてて優柔不断なオレとは違うよなぁ。
「よしっ、じゃあ教室に戻ろうよ。それじゃあ先生、失礼します。ほらっ、須賀行くよ!」
「おっ、おう!失礼しましす。」
二人で教室に戻るまでの間、色々と全日ホームルームのことについて話をした。そこで安達に頼りにしてるからな!って言われたんだ。ん〜何か背中の辺りがムズムズする。今までには無い感じかな。まぁ、誰かに期待されるってのもたまには悪くねぇか。
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン。
昼休みの終わりを告げるチャイムが学校内に響き渡る。生徒は慌ただしく廊下を走っている。次は四限、そうロングホームルームの時間だ!