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かなりのビックリ展開になってしまいました!
読む順番は、『隣人の死体 前編』→『隣人の死体 後編』→『隣人の金庫 1、2』 でお願いします。
⭐︎この小説のポイント⭐︎
なんといっても、この小説の四つの部分で、完全な「起承転結」が成立しているということ。
「起承転結」反対主義者の私であるので、この「起承転結」狙ったものではない。
ということは、狙ってないということは、これまでの創作活動の結果、体質として、何かが形成された結果とみる?
ということは、「起承転結」の構成が頻繁に、これ以降の作品に登場すると思うが、それは、決して狙ったものではない。
* *
このオペラ、『パンドラの匣』から着想を得て、つくられたという話、今知った。
なんだか誇らしい!
* *
オペラ『ルル』の本を読んだ。『ルル』の副題に、「パンドラの箱」が出てきた、はっきり書かれている。
ルルという女性が、関わる人たち、関係者が、次々に死んで行って、最後は。。。という話なので、ルルという女性が、『パンドラの匣』の「パンドラ」という女性と、パンドラの箱の二役を担っているということ。たぶん。
(手前味噌、自画自賛)『ルル』というオペラ、見方によっては、オラの小説によく似ているwww
ついでに言うと、『ルル』というオペラ、完結していない、草稿どまりのオペラと思っていたが、未完結でも、けっこう独り歩きできるオペラではあり、未完でもベルクの最重要作品。
☆ ☆
平賀源内が考えたとされる「起承転結」の例文サンプル
「京都三条糸屋の娘 姉は十八妹は十五 諸国大名弓矢で殺す 糸屋の娘は目で殺す」
。。。
。。。
。。。
希美は、夢を見ていた。
希美が見ていた夢には、希美の知らない世界が登場していた。
そして、その世界は、「荒川商業連合」という名の国であるという。
希美の見た夢に登場した人たち、未知の国の人たちは、『叡智の匣』について語っていた。
「荒川商業連合?」
「叡智の匣?」
「知れ渡っている。ほんとうにこれって知れ渡っている?」
希美は、自問を繰り返した。
「この世界で? いや、知らない不思議な世界の話」
希美は、夢から目覚めると、今見た夢の物語を思い返しながら、あたかも夢の味わいを吟味しているかのように、つぶやいた。
「……。それにしても、荒川商業連合! 叡智の匣! こんな単語は聞いたこともない。この世の中で、荒川商業連合、叡智の匣なんて言葉は聞いたこともない」
希美は、これらの「夢」に出てきた言葉について身に覚えが、ないことときっぱりと断定した。
* *
しかし、希美の否定する気持ちに逆らうように、希美の頭の中には、「荒川商業連合」という国のイメージが、「叡智の匣」という国の身に覚えのないイメージがさらに希美の頭の中に湧き出してきて、止まらなかった。
景色、街頭、砂漠、オアシス、太陽の熱射、らくだのキャラバン。
とにかく「荒川商業連合」という国のイメージ脳内に次々に現れていく、これは止まらなくなった。
そして、なにかの高貴な宝物が見える。
「荒川商業連合」の国民の誰もが仰ぎ見る『叡智の匣』。
『叡智の匣』を大切に運ぶ人たちのイメージ。
砂漠の旅が、その道が果てしなく続くイメージ。
これら、果てしなく湧き出してくる本来希美とは無縁なはずのイメージによって、なにか希美の心の奥底にある、忘れかけていた大事なものが、呼び起こされようとしている。
「ひょっとして、こんなことがおこるのは、これは、これらのイメージは、わたしに深く関わりのあるものかもしれない。いや、そうに違いない!」
すると、希美は、これらの湧き出してくるイメージが、身近なものとして希美に実感された。
さらにいえば、希美の頭の中に湧き出してきたのは、「荒川商業連合」や「叡智の匣」のイメージだけではなかった。
「荒川商業連合」や「叡智の匣」のイメージに続いては、「五人の伝説の英雄」人々が呼ぶイメージの数々が、希美の脳裏に湧き出した。
「五人の伝説の英雄って?」
希美は、そうつぶやくと、希美の頭の中で、するとさらになにかが閃いた。
「五人の伝説の英雄!」
そして、それをきっかけとして希美の頭の中には、たちまち「五人の伝説の英雄」のイメージと「五人の伝説の英雄」の悲劇的な、核心のストーリーが復活し、希美は、そのストーリーの生々しさに心を奪われた。
「これは、実際に体験したストーリーに間違いない。でないと、こんなにわたしが心を動かされることはない」
希美は、つぶやいた。
希美が、希美の脳で再体験したストーリー内容は、だいたい次のようなものであった。
* *
「荒川商業連合」の伝説の英雄たちは、『叡智の匣』を求めて「荒川商業連合」という国に攻め込んできた悪霊の率いる軍に敗れてしまった。
そして、「荒川商業連合」という国は、滅んでしまった。
「荒川商業連合」という国が滅んでしまったその日に、「荒川商業連合」を守ろうと、悪霊たちの軍と闘っていた「五人の伝説の英雄」も突然姿を消した。
ところで、悪霊は自分の軍で「荒川商業連合」を打ち破り、滅ぼしたのだが、悪霊の戦いの目的であった『叡智の匣』を手に入れようと、「荒川商業連合」が敬い奉る神殿に踏み込みんだ。
そして、軍隊を総動員して「叡智の匣」捜してみたのだが、神殿のどこにも「叡智の匣」は、見いだされることはなかった。
悪霊たちが手に入れた情報によると、「五人の伝説の英雄」と呼ばれるものたちが、『叡智の匣』が、「荒川商業連合」がある世界へと持ち去ってしまったという。???
それは、「荒川商業連合」の神官たちによると、「五人の伝説の英雄」の手によって『叡智の匣』は、『幻戒の祠』と呼ばれる場所に飛ばされてしまったという。
ただし、このストーリーの真偽を証明できるものは、今となっては、誰もいないのであるが。。。
というのも、それらは、この世界の出来事ではないからだ。
希美は、すこしづつそれらのことが分かってきた。そして、それは希美にとって混乱の原因であった。
「彼らは、あの匣を運ぶのを目的として旅をしていた。いや、彼らというのは、私と仲間、私たちのことだった」
* *
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。。。
。。。
希美は、夢から目覚めたのは、電話の着信のコールが鳴ったからである。
希美は、電話に出た。
電話は、町の世話役のnakamuraからであった。
電話のnakamuraは、希美にすぐに彼の事務所に来るように言った。
「希美、できるだけ早く事務所に来てくれないか。いつもとは違って大事な用件なんだ。間違っても一週間先になるなんてことがないように!」
希美は、町の世話役nakamuraからの連絡の話の電話でいくらか事情は聞いた。
希美はnakamuraからの話で登場した『荒川商業連合』や『叡智の匣』という単語に震えを覚えた。それらの単語は、直前希美の夢に現れたばかりの単語であった。
希美は、nakamuraが口にする時の『荒川商業連合』や『叡智の匣』という不思議な語感や響きに、希美は懐かしいものに再会したというような、過去に聞いたことのあるような懐かしさを感じた。これらの単語はほんの今まで、希美にとっては未知の単語であったはずなのに。
その日の朝のこの不思議な体験により、希美の記憶の中の、心の中のより深いところにある何かが目を覚ました。
「『叡智の匣』などのことをnakamuraという男は、すでに知っていたのだ。だから、私にいろいろと用事を任せてくれたのだ」
希美は、つぶやいた。
「『荒川商業連合』や 『叡智の匣』について、この世界でも知る人間がいる!」
それは、希美にとって大きな驚きだった。
* *
。。。
。。。
。。。
この今朝の気づきは、『荒川商業連合』、『叡智の匣』というnakamuraの発した言葉は、希美の異世界の記憶をさらに次に次元まで蘇らせた。
つまり、希美の意識は、太古から宇宙に綿々と流れる記憶の流れに直結したのだ。
希美の記憶、旅の記憶の断片が蘇り、そして、記憶の断片がつぎからつぎへとつながっていく、それらの記憶の断片は、互いに足りない部分を補い、希美は一体となった『荒川商業連合』という国の全体のイメージが希美の頭にできあがった。
それは、自分ではないものの、全く違ったもの人の記憶、その記憶は注意してみれば太古の世界から続いている。
実は、長い長い歴史を通して、何人もの、何百人もの記憶が、危うさを数限りなく乗り越え、かろうじてつながりつつ今の自分、希美の記憶とつながっている。
しかし、どうしても思い出せない部分もあったのは確かである。
太古からつながりつつ、今に続く希美の知らぬ人間たちの記憶。
その記憶の断片は、夢なのか現の出来事なのか?
希美の記憶に続く無数の人間の記憶の断片による道筋は、希美が知る『叡智の匣』という「キーワード」によって、連鎖していた。
* *
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。。。
。。。
『叡智の匣』というのは、それぞれの時代、時代、『叡智の匣』匣が運び(持ち)込まれ、それが置かれていた時代によって、同じ『叡智の匣』でありながらも、それぞれの時代、それぞれの土地、土地によって、違った名前で呼ばれていた。
例えば、古代のギリシアにあった『叡智の匣』は、『パンドラの匣』とも呼ばれていた。
この『パンドラの匣』、その言い伝えによれば、つまり、我々のよく知る神話の神、ゼウスがあるとき天上から地上に向けて旅立つ人間の女に授けたその匣が、『パンドラの匣』ということになる。
と、同時に、その「パンドラの匣」を人類にもたらした女は、人類にあらゆる災厄をもたらすことになった。
△
「災厄? 厄災とは、今度の場合、町の世話人nakamuraの部下、河瀬の死のことを言っているのか?」
希美は、あとになって、『風吹探偵事務所』のとなりの河瀬が殺された事件のあとになって考えてみた。
?????
「厄災? それは、今度の場合、あの殺人事件とつながらないかしら? 例えば、こんどのnakamuraの部下、河瀬が殺された殺人事件。今回、『叡智の匣』、つまり『パンドラの匣』がもたらした厄災は、河瀬が殺された殺人事件をさしているのかもしれない」
「『叡智の匣』とは、これがもたらす厄災は、私たちにとって、避けることのできない宿命なのかしら」
* *
希美は、それから数日、つまり、nakamuraから呼び出しを受けてからの数日は、部屋に閉じこもり主に瞑想にふけって時間を過ごした。
nakamuraに言われたとおり、nakamuraの事務所に急いで行きたい気持ちはもちろんあった。
しかし、その一方で希美の頭に湧き出してきた新たな知識、情報を整理する必要があった。
それより、彼女の目前に存在する事態、nakamuraの部下の河瀬という男の死を彼女の太古に渡る知識を総動員して、理解することが求められた。
希美の中で、「荒川商業連合」という国や『叡智の匣』、さらに「五人の伝説の英雄」は、単なるイメージから、具体的なイメージへと変わっていった。
ありがたいことに、「荒川商業連合」を起点に太古からの知識にアクセスすることによって、逆に今回の事件「河瀬殺し事件」の実像が希美に見えてきた。
そして、希美は、「河瀬殺し事件」の現場に向かった。
その際、希美は、「河瀬殺し事件」の情報を再整理してみた。
* *
「この事件に関して、この騒動の原因はまさに、異世界からこの世界に漂着した『叡智の匣』が、事件の中心にあったと。nakamuraの部下の河瀬は自分が任されている事務所に置かれている金庫こそが、実は、形を変えた『叡智の匣』であることを、知ってしまった。最初の異変は、河瀬の事務所の隣に、『風吹探偵事務所』が開設されたころから、隣の河瀬の事務所の金庫に異変が起き始めた。そして、最後にこの事務所をnakamuraに任されていた河瀬に不幸がおとづれたということだ」
* *
殺人事件の発覚から、警察が、現場検証で情報を収集し終わるまで、何日もの時間がかからなかった。
そして、規制線が解かれるまで時間かからなかった。翌日には、事件のあった事務所や「風吹探偵事務所」の入っていたビルに自由に出入りができた。
つまり、この事件は、比較的に平凡な殺人事件として処理されることになったのだろう。
そして、希美も「河瀬殺し事件」の現場を問題なく訪問できるようになった。
希美は「河瀬殺し事件」の現場をはじめて訪れてみた。
ところで、河瀬の事務所の隣の「風吹探偵事務所」も、希美は訪れた。「風吹探偵事務所」
も、鍵がかかっていなかった。
* *
ところで、希美は、見覚えのある後ろ姿に、その「河瀬殺人事件」の現場で出くわしていたのだ。
それは、nakamuraも捜していた風吹本人であった。
しかし、その殺人現場で会った希美にとって馴染みのはずの風吹の様子は、この町でいろいろと関わり合ってきた風吹とは違っていた。
「なんとなく生気がないというか、ぼんやりしたようすの風吹さん、声をかけたら、私のことを覚えているらしく、こちらの方に振り返って会釈をしてくれた。でも、その表情は死人のように無表情であったの」
「そして、彼はどこかに行こうとしているらしく、それも、急いでいるらしく、会釈を素早く済ませて、立ち去るときには、機敏な動きであった。それは、病的な全体の印象からは不似合いなものであった」
風吹は、手っ取り早く金を稼ぐための手段として、探偵事務所を開くことを思いついた。また、探偵として金を稼ぐには金の匂いがするスキャンダルを探す必要があった。風吹は、スキャンダル情報を手っ取り早く手に入れるために、偶然、空き事務所であったところに『風吹探偵事務所』を開いた。風吹は、河瀬の事務所を監視しているうちに、そこに、『叡智の匣』が置かれているのに、気づいた。
風吹は、河瀬の殺人事件の捜査が終わると、規制線が解かれた施錠なく留守の状態であったnakamuraの部下、殺害された河瀬の事務所に侵入、そこにあったフタの空けられた『叡智の匣』を持ち出したのだった。
風吹はそのとき、当然のことながら『叡智の匣』に向かっていたに違いない。
そして、風吹に不幸が起こった。
そのときの河瀬の事務所いた風吹の様子は、希美によって目撃された。
希美は、そのときの生気を失った河瀬の様子が、この世のものとは思えなかったのだった。
そして、忘れてはならないことは、このとき、風吹は「荒川商業連合」のロゴが入ったジャケットを着用していたと言うことである。
繰り返しになるが、「荒川商業連合」というのは、希美にとってこの世界にあってはならないもの。
希美の記憶によれば、希美がかって暮らしていた別の世界に属するものと思われた。
絶対にあり得ないことである。しかし、風吹も希美が前にいた同じ異世界の住人だったのかもしれない。
「荒川商業連合」などというものは、この世界には存在するものではあり得ないものというか、唐突なものだからである。
「荒川商業連合」というのは、希美が暮らしているこの世界から見れば、まさに異世界以外には似合わないものである。そう、希美は確信していた。
そして、希美はなにかを閃いた。
「風吹さんの跡をつけていけば、私も『幻戒の祠』にたどり着けるかも? 風吹さんは、私のこと眼中にないという雰囲気だから、私が風吹さんの跡をつけていったって、気づきはしないはず」
風吹は、裏通りから町の神社に入っていった。
希美が、風吹の跡をつけて神社の門をくぐると、突然に、強い風が希美に吹き付けてきた。それは、とても強い風であった。希美は、その風によって一瞬で空高く吹き上げられてしまった。
希美は、どんどんと空高く吹き上げられていくばかりであるのだが、それでも、希美を吹き上げていく風の勢いは止まることはなかった。
「私は、どこに運ばれていくのかしら。ひょっとして、風は私を『幻戒の祠』に運んでくれるかもしれない」
楽観的な、希美は、そんなことをふと思った。
* *
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。。。
。。。
希美は、考えていた通り、『幻戒の祠』に到着した。
『幻戒の祠』では、「荒川商業連合」のロゴのイラストが入ったシャツを着た風吹が、死人のように『叡智の匣』に覆い被さるように倒れていた。
* *
『幻戒の祠』に希美のことを待っていたのは、一人の老人であった。
老人は、矍鑠としていて、武術の心得があるもののように見えた。彼は、自分のことを「五人の伝説の英雄」の一人であると名乗った。
老人は、次のことを希美に告げた。
神殿への旅は終わっていない。
「荒川商業連合」という国は滅んでしまったが、お前たち、英雄の義務は今も続いている。
英雄の義務というものは、死んだからといってなくなるものではない。
「俺は、旅の再開を英雄たちに知らせるために、この世界にやってきた。それが何よりの証拠だ」
「確かに、永遠に英雄でいつづけるというのは、英雄の悲しい宿命だ」
老人は、話づづける。
「死の淵からふたたび英雄として立ち上がるよう、知らせを受けた英雄たちの行動は、いいも言われぬ絶望感がある」
「英雄たちは、知らせを聞いて一様に悲嘆した」
「それは、英雄でありながら、彼らはこの世界の住人でいることや、平和な暮らしに慣れてしまうものだからだ」
一応、この老人は謎の老人ということにしておこう。
この謎の老人がこういうことも言った。
「しかし、忘れてはならない。私が『伝説の五人の英雄』招集をかけたら、生きた人間も当然呼び出せるし、死んだ人間も死の深淵から呼び出せる」
「つまり、nakamuraの部下の河瀬も黄泉の国から呼び出せる」
「あの風吹という男も、とうぜんわれわれの旅に同行することになる」
老人は、『叡智の匣』に覆い被さるような姿勢で意識を失っているように見える風吹の方を指差して言った。
「風吹も英雄の一人だ」
老人は、さらに話を続けようとしたのだが、そのとき、一転この老人の顔が急に曇った。
「ところで、……」
「『五人の伝説の英雄』は、次回の旅ではメンバーが入れ替わることになる。
町の世話役のnakamuraよりも、有能でより適格な人材が見つかって、その男が、見つかった。そう言うわけなんだ。nakamuraはパーティから外れることになる」
老人の頬をつたって、一筋の涙が流れた。
この涙の意味は深かった。
* *
そして、町の世話役のnakamuraが、電話で希美のことを呼び出した日から、一週間が過ぎ、希美は、町の世話役nakamuraの事務所を訪問した。
町の世話役のnakamuraは、自分の見る悪夢について希美に話した。
町の世話役nakamuraの話は、まったく、希美が持つ『荒川商業連合』という国、『叡智の匣』、『五人の伝説の英雄』のイメージと少しも違わず一致していた。
そして、希美は町の世話役のnakamuraから、『幻界の祠』に行くように依頼を受けた。
希美は、すでに、『幻戒の祠』に行ったこと、老人に会ったこと、そして、老人から、自分たち『五人の伝説の英雄』が、たどる道を聞いたことは、伝えなかった。
町の世話役nakamuraが「五人の伝説の英雄」というパーティから外されてしまった運命が決定しているなどと言うことは、nakamuraには、聞きたくもない話であるし、いつまでも知らない方が幸せだと、希美には思えたからだ。
fin.
ーおまけの説明ー
☆「五人の伝説の英雄」のRPGの職業とメモ☆
町の世話役nakamura ☆ リーダー チームの管理
謎の老人 ☆ モンク 神の意志の伝達者 隠れ住む、隠遁
風吹 ☆ 若者のシーフ リーダーに反抗 故郷に帰りたがる 放浪癖
希美 ☆ 歌姫 まとめ役
河瀬 ☆ 戦士 堅実、現実的 誘惑に弱い(誘惑に負けて、『叡智の匣』、つまり『パンドラの匣』のフタをあけ、厄災にとりつかれて死亡)
参考資料 「パンドラの匣」
ゼウスはすべての悪を封入した箱を地上最初の女性パンドラに贈り、決して開けてはならぬと命ずる。パンドラが地上で好奇心から箱を開くと、あらゆる災禍が外へ飛び出したが、彼女があわてて蓋をしたので「希望」だけが底に残った。
プロメテウスが天井の火を盗んで人間に与えたとき、怒ったゼウスは、人間どもにその恩恵の代償を支払わせるべく、鍛冶の神ヘファイストスに命じて粘土で女を造らせ、他の神々から女性としての魅力や衣装を授けられた彼女をパンドラ(すべての贈り物を与えられた女)と名付け地上に下ろし、プロメテウスの弟のエピメテウスに与えた。このとき彼女は一個の壺を神々からのみやげとして持参していたが、好奇心にかられた彼女がそのふたを開けると、中からあらゆる災いが飛び出して四方に散った。ただ一つの希望だけは彼女が急いでふたを閉じたために、壺の底に残ったという。
出典「コトバンク」
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