第87話 紅葉の最期
オカルト相談コーナーが終わると美鈴は1人でテレビ局から出てくる。
今日も男たちが後をつけている。
美鈴はわざと稲荷神社へ案内する。
たけると鈴鹿は距離を開けて見張っていたが今日は紅葉は出てこない。
1週間後、たけると鈴鹿がオカルト相談コーナーに出るためテレビ局の控室に行くと美鈴はすでに来ている。
美鈴は、いつもと違って近づけないような雰囲気を纏っている。
たけるは美鈴に聞く
「なにかあったのですか。」
「神社の結界を破って侵入した化け物がいる。」
「いつですか。」
「さっきじゃ。」
「どうします。」
「おそらく紅葉じゃろう。予定通り罠にはめるぞ。」
「分かりました。」
たけると鈴鹿は、今度こそ決着をつけるつもりでいる。
番組を終えると美鈴は1人でテレビ局から出てくる。
男たちが後をつけてくるが、今日は数が多い。
たけると鈴鹿は距離を開けてついて行く。
美鈴が稲荷神社に着くと境内に着物を着た妖艶な女性が立っている。
美鈴は女に言う
「鬼が着飾っても下品になるだけだぞ。」
「もうお分かりのようですね。紅葉と申します。」
「我らの領域を侵しておいてよく言う。」
「美鈴様、あなたには人質になってもらいます。」
10人の男たちが美鈴を取り囲む。
美鈴は怒り、炎を出すと男たちは炎に包まれる。
男たちは焼かれ呼吸が出来ずに窒息死する。
紅葉の顔色が変わる。
美鈴は、紅葉に言う
「しれものが、天狐をどうにかできると思ったか。」
そこにたけると鈴鹿が来る。
たけるは、呪われた刀の名を心の中でつぶやく
「来い、羽左衛門ノ贄ノ夜叉」
虚空から護符に包まれた鞘に収まった刀が虚空から浮かびあがる。
彼が刀と手に取ると電気が走るようにしびれる。
それでもかまわず、刀を鞘から抜く。
彼の心は、鬼への憎しみに満たされる。
さらに、彼は刀で手のひらを切り、刀に血を吸わせる。
呪われた刀は赤く輝く。
鈴鹿も大通連を抜く。
紅葉は
「我をはめたか。」
と言うと鬼の本性を現す。
口が裂け、目は金色になり、額に2本の角が生える。
たけるが切りかかろうとすると紅葉は見えない力を飛ばす。
たけるはこの世ならざるものを見る目で力を影としてとらえ、紅葉の力を切る。
鈴鹿が後ろから切りかかるが紅葉の力に弾き飛ばされる。
美鈴が変化を解き、巨大な狐に戻ると言う
「我が紅葉の神通力を封じてやろう。」
狐は紅葉を睨むと毛を逆立てる。
たけるが紅葉の正面から切りかかる。
紅葉は力を飛ばそうとするが力が出ない。
紅葉は袈裟切りにされる。
傷口から血を吸われ激痛が走るが傷口はふさがっていく。
鈴鹿が後ろから切りかかり左腕を切り落とす。
紅葉は叫ぶ
「私が負けるだと。ありえん。」
紅葉は後ろに飛び、逃げにかかる。
しかし、たけるはそれを読んでいたように迫り紅葉の両足を切り落とす。
落ちた紅葉を鈴鹿が見下ろし
「おわりよ。」
と言うと首をはねる。
首になった紅葉は言う
「必ず復讐するぞ。」
たけるは、黙ったまま右腕を切り落とすと刀を心臓に刺す。
刀は紅葉の血を吸い、紅葉の胴はミイラのように干からびる。
美鈴は狐の姿から少女の姿に変化している。
彼女が手をかざすと地面に穴が開く。
彼女はたけるに言う
「この穴に紅葉の胴を入れよ。」
たけるが穴に胴を入れると境内にある岩を神通力で移動させ穴を覆い隠す。
さらに美鈴は岩に文様を刻む。
美鈴はたけるに言う
「残りの頭と手足も封印するから車を用意しておくれ。」
紅葉は自分が封印されると気づき
「やめておくれ。復讐は諦める。」
と言う。
たけるは
「うるさい。」
と言うと刀を紅葉の頭に突き立てる。
たけるはテレビ局へ連絡して車を用意してもらう。
フロアディレクターの清水えりなは、紅葉との対決にカメラマンを呼ばなかったことを怒る。
テレビ局の車はいつものカメラマンが運転している。
たけるたちは、美鈴の指示通り、手足と頭を封印していく。
封印が終わると美鈴はたけるに言う
「潮時ではないのか、鬼切をやめたらどうだ。」
「一生やめられませんよ。刀は血脈に取りついています。逃れることはできません。」
「今なら人並みに暮らすことが出来るぞ。」
「鈴鹿はどうするんですか。」
「わしが封印する。」
美鈴の言葉に鈴鹿は不安な顔をする。
「今更、そんなことはできませんよ。」
鈴鹿はたけるに抱き着く。
「好きにすればよい。」
美鈴はため息をつく。




