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第54話 鬼隠し3

 翌朝、たけるたち3人は早くから裏山に入る。

 昼になっても手掛かりは見つからない。

 午後になり2時頃、急に霧が出てくる。

 鈴鹿がたけるに言う

 「これは普通の霧ではないわ。」

 「何の霧。」

 「とりあえず陣を張るわ、声を出さないでね。」

鈴鹿は陣を張り、たけると鈴鹿、カメラマンは陣の中に入る。

 すると笛の音や鈴の音が聞こえてくる。

 たけるたちの前を異形の行列が通り過ぎる。

 鈴鹿がたけるに言う

 「百鬼夜行よ。」

 「あれが。」

鬼のようなものがいたが、たけるの血は反応しなかった。

 まだ霧は晴れない。

 するとたけるの血が騒ぎだす。

 早く刀を出して、その刀に鬼の血を与えろと・・・

 たけるは鬼気を感じる。

 彼は、呪われた刀の名を心の中でつぶやく

 「来い、羽左衛門ノ贄ノ夜叉」

虚空から護符に包まれた鞘に収まった刀が虚空から浮かびあがる。

 彼が刀と手に取ると電気が走るようにしびれる。

 それでもかまわず、刀を鞘から抜く。

 彼の心が鬼への憎しみに満たされる。

 鈴鹿も大通連を抜いている。

 鬼気はするが鬼の姿は見えない。

 しばらくすると、彼らの前の地面が盛り上がる。

 そして、馬の頭をした鬼が姿を現す。

 たけるは神速で鬼の前に迫ると横なぎに刀を振るう。

 しかし、鬼は後方に飛んでかわす。

 鬼は頭を下げると突進してきて、頭の1本角で突き上げる。

 たけるは横へ飛びながら、刀を振り左腕を切り落とす。

 腕の切り口から体液を吸われ、激痛が走り、鬼は

 「ぐおおぉぉ」

と叫ぶ。

 鬼はたけるをつぶそうと右腕を振り下ろす。

 たけるは鬼の下に潜り込み、腹を横一文字に切る。

 鬼の腹から子供の遺体がこぼれでる。

 たけるは、腹を抑えかがんだ鬼の首をはねる。

 彼は心を落ち着かせ、刀を鞘に納めると刀は虚空へ沈んでいく。

 しかし彼の心は鬼への憎しみに満たされている。

 彼は憎しみの沼の中でもがき這い上がる。

 霧はいつの間にか晴れている。

 たけるは子供の遺体を抱え、鈴鹿が鬼の頭をもって、裏山から出る。

 山野家に着くと喜久子が出迎えるが、子供の遺体を見ると泣き出す。

 たけるは、喜久子の夫に子供は鬼の腹の中から出てきたことを話し、鬼の頭を差し出す。

 喜久子の夫も泣き出す。

 山野家には村人が集まり始める。

 たけるたちは、村長の家に呼ばれる。

 村長が尋ねる

 「何があった。」

 「霧が出てきて、百鬼夜行が通っていきました、そのあと鬼が現れたのです。」

 「百鬼夜行を見ても大丈夫なのか。」

 「陣を張っていましたので無事でした。」

 「鬼とは馬のような頭の物か。」

 「そうです、腹の中から子供が出てきました。」

 「そうか、どちらにしろわしらの手には負えなかったろうな。」

たけるたちは村長との話が終わり、村を後にする。


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