Tさん(35歳 男性)Yさん(36歳 女性) 悲恋ストーリー 現代編
結局、俺らは生まれ変わって来ても、再び巡り合う事は無くて、それは許されない行為のようだ。
前世で何をしたというんだ、七夕の夜、織姫と彦星でさえ、年に一度に会う事を許されているのに。
お互いに、魂に傷を作ったまま生きている。
なんの因果かは、あまり考えたくない。
だからこそ、この曲が彼女に届けば良いと思っている。
私は今、街中で大型スクリーンに映る彼の姿を見ている。
彼が歌っているのは、私の心にやけに突き刺さるあの曲だ。
私とは真逆の感情を彼に抱いている女の子が二人、キャーキャー言いながら、同じスクリーンの画面を見ている。
結局、小説を書いてみても、二人は結ばれずに終わった。
彼の曲も同じく悲恋をテーマにした曲で、結ばれていない。
身分とかは関係ない時代だけど、どこか身分が逆転してしまったように思える。
ただ勝手に、思い込んでいるだけだけど。
全ては叶わなかった。
あんなにお願いしたのに。
彼と
彼女と
もう一度巡り合わせて下さい、愛し合う事を許して下さいと、二人で生きていく道を、選ばせて下さいと、今度こそ二人で幸せになりたい、そう願ったのに。
ただ、今は、魂の傷がいえる事を願うのみ。
前世ではあんなに愛し合っていたのに、ちょっとした亀裂で裂けてしまった。
大きく裂けたまま、修復も出来ず、二つで一つであるようにくっついていた私達は、永遠に別れてしまった。
それが最後だと気付かづに。
また、修復できると思っていたのに、
また、一緒に居られると思ってたのに。
永遠に失ったまま、時だけが過ぎてしまった。
終わり