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命より大事な君を守りたいから  作者: タコさん
1/1

君が死ぬ 1回目 part1

「美月!危ない!」



ガッシャーン!!!!




気づいた時にはもう手遅れだった。僕の耳には君の断末魔しか聞こえなかった。



「美月ーー!!!」



もう何度目だろう、君が死ぬ姿を見たのは。お願いだ。もうこんな悪夢を見させるのはやめてくれ。



一回目は君が横断歩道を歩いているときだ。君は信号が青だからと右折してくる車に気づいていなかった。あのとき僕が助けていればこのような悲劇は繰り返されなかったのだろうか。





チリリリリリリリン!!!!


7時30分に設定してある目覚ましのアラームで毎朝起きるのが僕のルーティーン。しかし、今日は何故かいつもと少し違う朝のような気がした。奇妙だ。いつものように小鳥のさえずりが聞こえる、近所のおばさん達の話し声が聞こえる。でも、今日はいつもの朝とは少し違うような気がした。実に奇妙だと思う。




今日は君との初デートだ。浅草の雷門に行くことになっている。僕自身、雷門を訪れたのは小学校の校外学習以来だろうか。正直、君をうまくエスコートできる自信がない。困ったときは、スマホという名のカンペを使うしかないな。僕がいつも頼りにしている秘密道具だ。



今日の服装は、グレーのチェスターコートに黒のジーンズ、コートの中には、白のT-シャツを着ていくことにした。少し肌寒いかもしれないが、君に服装がダサいと怒られちゃうから、先月ファッション雑誌に載っていたこの組み合わせでキメていこうと思う。褒めてくれると良いな。



「忘れ物はないな。」



そう呟いて僕は家を出た。僕の家から雷門へは電車を乗り継いで30分といったところか。京橋駅から銀座線に乗り、浅草駅で降りる。そこから徒歩だ。おそらく君より僕のほうが早く着くだろう。



そんなことを考えながら歩いていると京橋駅に着いた。京橋駅は東京駅と違って落ち着いている駅だ。僕はどちらかというと京橋駅のほうが好きだ。



やがて、ホームに電車が来て僕は電車に乗った。


「ガタンゴトン、ガタンゴトン」


電車が揺れる音が聞こえる。今日は休日だからか一段と人が多い。さすが東京だ。いつもと少し違うところはそこにスーツ姿のサラリーマンが四、五人混じっているところだ。


(休日出勤か、可哀想に。)

 

僕はそんな彼らに哀れみの目を向けた。将来、僕が一番なりたくない身分だからだ。


「次は、浅草〜浅草です。」


ようやく浅草に着いた。思ってたよりも長かったな。


ホームを出ると、そこにはたくさんの外国人観光客で賑わっていた。浅草は外国人に人気だからな。正直あの門のどこが良いのかわからないが…



1分ほど歩いていると雷門に着いた。


改めて見るとデカイ。テレビで何度でも見たことがあるが、実際に見て見るとやはりその巨大さに圧倒されるな。



美月はやはりまだ着いていないようだ集合場所の詳細を伝えていないから迷子になっているだけかもしれないが…



続く…


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