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悪魔の息子である俺が神様と契約した件  作者: 猫熊メイクライ
第1章:悪魔使い激闘編
18/21

1-18 転校生の神々

俺たちの後を追いかけてきた亜理紗と共に姿を現した聖天六神のフレイヤ。

亜理紗もまた、俺たちと同じく六神に選ばれた神使いだった。

「それはこっちのセリフだよ~ガブりん。もぉ~皆集まってるなら一言声かけてよね~。私だけ除け者にして酷いじゃん」

自分だけ除け者扱いされていると思ったのか、頬を軽く膨らませながら拗ねるフレイヤ。

「いや、あなたもここ数か月間私を含め、皆に連絡することすら愚か、天界にも顔を出していないじゃないですか…」

しかしお前がそれを言うなと言わんばかりにガブリエルが反論する。

「うっ…そう言われるとそうだけど…まぁお互いさまってことにしよ。こうして皆とも合流できたんだし。へパっちとヘラすけも変わらず元気そうだね」

盛大にブーメランを受けたフレイヤは、一瞬躊躇したが持ち前のマイペースで何となくこの場の雰囲気を流す。

というかさっきから「ガブりん」「へパっち」「ヘラすけ」って…何か神様なのに神様らしからぬ仇名だなとツッコミたい気持ちが込み上げてくる。

「あれ?でもヒーくんとアルみんは一緒じゃないんだね」

「ヒュペリオンなら今天界で休養中です。彼女(アルテミス)の行方は分かりませんが…因みにヒュペリオンの契約者が私たちの傍にいるこの方ですよ」

ガブリエルが隣にいる水希を指しながらフレイヤに紹介する。

「初めましてフレイヤさん。ヒュペリオンと契約している水希流華と申します。彼の事ヒーくんって呼んでるのですね。可愛らしい仇名です」

まだ知らないヒュペリオンの一面を知った水希が何だか嬉しそうにほほ笑む。

「そうなんだ!ヒーくんのマスターになれるなんてすごいね。私はフレイヤ。よろしくね、ルカっち」

水希から自己紹介されたフレイヤが早速仇名を付けて返している。

「それでルカっちの隣にいる男の子二人がガブりんたちの契約者ってことかな?」

フレイヤが目をキラキラ輝かせながらこっちに視線を向けている。

「はい、こちらの方がガブリエルさんとヘラクレスさんの契約者である勇飛君で、その隣にいる方がヘパイストスさんの契約者である龍夜君です」

「あぁ、水希が紹介してくれた通りだが、改めて桐城勇飛だ。よろしくな」

「よろしく!ただいま紹介にお借りしました火炉瀬龍夜だ」

「紹介にお借りしましたじゃなくて、預かりましただろ!」

龍夜の間違った言葉遣いにツッコミをいれつつ、水希の紹介に続くようにフレイヤに自己紹介する。

「じゃあ、ゆーくんにりゅーくんだね。これからよろしく」

初対面の相手にも関わらず、物凄いコミュニケーション能力で明るく対応してくれるフレイヤにどことなく安心感を感じた。

「ごほん…楽しくお取込み中のところ悪いですが…フレイヤ!あなたは私側ということをお忘れなく。今回の生徒会選挙で彼らは敵なのですから、あまり仲睦まじくしないことですわ」

「えぇ!!そうなの?せっかく仲良くなれたから皆で一緒に亜理紗を応援しようって思ってたのに」

亜理紗の一言に驚いたフレイヤは、ガックリと肩を落とすようにしょげた態度を見せる。

「あぁ、残念だが今回ばかりは亜理紗とは敵同士ってことなんだ」

「そっか~それは仕方ないねぇ~。どっちに結果が転んでも恨みっこなしでお互いフェアな戦いをしようね」

「ふん、どうあがいても勝つのは私で決まっていますわ。さぁ馴れ合いはこれくらいにして行くわよフレイヤ」

「あ、ちょっと待ってよ亜理紗。もぉ~せっかちなんだからぁ~。ごめんね皆、それじゃ、またねぇ~」

フレイヤとは対照的に敵対心を示す亜理紗は、フレイヤを引き連れてその場を後にした。

フレイヤか…亜理紗とは全くと言っていいほど正反対な性格をしているのによくもまぁあいつと契約できたものだと亜理紗たちの姿が見えなくなった途端にふと思ってしまった。

「ところで、ガブリエルたちは何時までその格好でいるつもりだ?流石に学校の中で知らない生徒がいきなり現れたら先生たちに一発でバレるだろ」

「そうですね…まぁ何とかなると思いますよ。私たち神様ですから」

「いや、神様ですからってお前ら…そんな漫画の世界じゃあるまいし、そうそう都合の良い展開になんかならないだろ」

ガブリエルの答えに呆れてため息を漏らしたと同時に学園にHR開始5分前の予鈴が響き渡る。

このままHRに遅刻しないよう、俺たちも急いでこの場を解散したのだったが、この後俺が抱えていた不安が現実となって直面するのだった…


時は少し経ち、朝のHR

「あぁ~今日のHRを始める前にこのクラスの転校生を3人紹介する。ってことで自己紹介を頼む」

「初めまして皆様、本日よりお世話になります。桐城光と申します。どうぞよろしくお願いします」

「桐城闘馬だ。よろしく頼む」

「同じく名は火燕、姓は桐城だ。よろしく頼むぞ皆の者」

鉄也の紹介に合わせて、黒板の前に整列するガブリエル、ヘラクレス、ヘパイストスがそれぞれ自己紹介をする。

「ちょっとまてぇぇぇぇ!!色々ツッコミどころが多すぎるくらい都合の良い展開じゃねぇかぁぁぁぁ」

思わず心に思ったことが言葉となって表れてしまった。

「ん?馬鹿が一匹吠えているようだが、意見があるなら聞こうか勇飛」

「生徒を馬鹿呼ばわりする教師にも色々問題があるが、それは置いといて意見させてもらうぞ。まず、何で鉄也が俺らのクラスの担任ぶってるんだ?古川先生はどこ行った?」

「あぁ、古川先生なら新婚旅行のバカンスでしばらく有給休暇中だ。その間俺がこのクラスも引き受けることになった。それだけのことだ。」

このタイミングで新婚旅行だ?そんな重要なことクラスの皆に伝えず自分だけハネムーンライフを満喫してんじゃねぇよと珍しく古川先生に対する憤りを感じてしまった。

「それに俺だってな、龍夜の馬鹿1人でも手を焼くというのにもう1人馬鹿を抱えることになるとは思ってもいなかったことだぞ」

続け様にさりげなく俺に対して悪態をついてくる鉄也。

「…鉄也がこのクラスにいることは分かった。でもよ、そこの転校生3人については明らかにおかしいだろ!違和感とか何も感じねぇのか?」

「学校なんだから転校生が来るのはよくあることだろ」

「いや、俺と同じ苗字のやつが3人もいることに違和感感じねぇのか?」

「世の中に同姓同名のやつなんて腐るほどいるだろ。それにこいつらはお前の従弟だと聞いているし、たまたま同じ姓のやつが4人同じ空間に集まっただけで違和感も何もないだろ」

俺の問いに対して「もういいか?」と言わんばかりに目を綴じながらため息交じりに応える鉄也。

この状況に対して鉄也が妙に冷静にいられることが一番の違和感なのかもしれないが…何か色々と思考を巡らしていくうちに頭が痛くなってきた。

「梶田先生。転校生の皆さんの席なら私と勇飛君の後ろの3つが空いていますので、こちらでどうでしょうか」

俺と鉄也のやり取りの間を見計らってか、水希が手を挙げながら鉄也に発言する。

「おぉ、気が利くな水希。では、お前たちの席は水希とあの馬鹿の後ろの席で頼む」

「はい、梶田先生。ありがとうございます」

光もといガブリエルが鉄也にお礼を言いながら一礼すると、闘馬もといヘラクレスと火燕もといヘパイストスと共に俺と水希の後ろの席に向かって移動してきた。

このとてつもなく常識はずれな現象にクラスの誰かは違和感を感じるものかと思ったが、クラスの連中を見る感じ、男子たちはガブリエルのその美しさに目を奪われながら鼻の下を伸ばしているし、女子たちは急に現れたイケメン2名にきゃっきゃとわめき散らかしながら興奮している様子だ。

ガブリエルが俺の横をすれ違う際に耳元で囁く。

「ね?何とかなりましたでしょ勇飛様」

耳元まで顔を近づけられて囁かれたため表情は見えなかったが、あからさまに上手くやってやった感のドヤ顔をしているのだろうと言うのが想像つく。

変に怪しまれて学園中の騒ぎになるくらいなら、こうして上手く順応で来ていることを良しとするべきなのだろうか…何が起きてこうなったのか考えるだけ沼に嵌まりそうな気がしたので、考えることを止めることにした。

こうして、ガブリエル、ヘラクレス、ヘパイストスは俺たちと同じ学生として身分を隠しながらスクールライフを謳歌することになったのだった。

今回は短めの文章です。

学園生活ものって思ったよりも書くこと多くなりそうな予感…(笑)

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