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悪魔の息子である俺が神様と契約した件  作者: 猫熊メイクライ
第1章:悪魔使い激闘編
10/21

1-10 新たなる影

赤い闘気を纏ったヘラクレスの大剣がヘパイストスを貫いた瞬間、ヘパイストスの体から禍々しいオーラが一気に放出された。

「ぎぃあぁぁぁぁぁぁ!!」

放出されたオーラと同時にアナベルの断末魔が響き渡る。

ヘパイストスの体から放たれた禍々しきオーラが一点に集まり、やがてアナベルがその本体を現した。

その姿は黒いドレスを身に着けた身体から悪魔特有の翼を生やした西洋人形のようだった。

「おのれぇぇぇどうやって私の呪いから奴を解放させた」

アナベルが悍ましい形相でヘラクレスを睨みつける。

「何が起きたか特別に教えてやるよ。お前をあぶりだせたのはこいつのおかげさ」

そう言うとヘラクレスは持っていた大剣をアナベルに突き付けた。

よく見ると普段ヘラクレスが使っている大剣とは異なる形に変形していた。

「この剣は破魔の剣(はまのつるぎ)だ。ヘパイストスが俺の愛剣を鍛えてくれた時に付けてくれた力だ」

「破魔の剣ですって?」

「あぁ、この剣は魔を退ける力を宿しているからな。ヘパイストスも試作段階って言ってたから実戦で使うのは少しばかり覚悟が必要だったが、どうやら上手くいったみたいだ」

「そんな玩具を用意していたとはね…でもその代償にあなた達の仲間を1人を倒してやったわ」

アナベルが胴体を貫かれ仰向けに倒れているヘパイストスを指しながら言う。

「誰を倒したって?」

しかしその直後、胴体を貫かれたはずのヘパイストスがゆっくりと起き上がった。

「馬鹿な、なぜ生きている。貴様は確かに剣で貫かれたはず…」

「鳩が豆鉄砲食らったような顔だな。まぁいい、お前に1つ種明かしをしてやろう」

ヘパイストスが袴についた砂埃を払いながら言う。

「確かに俺はヘラクレスの大剣で体を貫かれた。でも見てみな」

そう言うとヘパイストスは貫かれた胴体が見えるよう両手を広げアナベルに曝け出す。

「傷が…貫かれた傷が無いですって!?」

「そう、あの剣は確かに俺の体を貫いたが俺の体には何の殺傷もない。つまりあの剣は形なき物体だけを斬れるよう俺が考案した。言うなれば悪魔に憑りつかれた奴らをその体から解放するために作った対悪魔用の武器ってわけさ」

「おのれ…そんな玩具で私の本体が暴かれるとは」

「さて、種明かしもここまでだ。覚悟は出来てるか?」

「ふん、私の正体を暴けたことをいい気にならないことね。周りにはまだいくらでも姿を暗ます材料は揃っているのよ」

「あ~材料ってあのマネキンの事か?」

ヘパイストスが頭を掻きながらマネキンのあった場所を指す。

その先には木っ端微塵に砕かれたマネキンの残骸があった。

「残念だが、俺たちが全部壊してやったぜ。てか元に戻ったんだな相棒!!」

久々津の相手をしていた龍夜が得意げにヘパイストスの方を見ていた。

「馬鹿な…彩!!お前は何をやっている!?」

アナベルが久々津の方を見て叫ぶ。

「くっ…ごめんなさいアナベル、私としたことが」

「残念ですが彼女は私の光の力で身動きを拘束しています」

久々津はガブリエルによりその身体を拘束されていた。

僅かに抵抗する姿勢を見せているが、操れるマネキンも全て破壊されているため為す術が無いようだ。

「これで終わりだな、いくぞ勇飛!」

「あぁ、言われなくても分かってるさ。ヘラクレス!」

龍夜に催促され、ヘラクレスに呼び掛ける。

「あいよ、勇飛!」

「ヘラクレス、これで決めるぞ!」

ヘラクレスに続きヘパイストスもアナベルに向かって行く。

「ぐっ、おのれぇ…この私がこんな奴ら如きにぃぃぃ」

アナベルが声を荒げながら最後の抵抗を見せる。

しかしその抵抗も虚しくヘパイストスとヘラクレスの一閃がアナベルを貫いた。

「あぁぁぁぁぁぁ、この私が負けるなんて…」

胴体を斬られたアナベルは断末魔をあげながら消滅した。

その直後、久々津の契約の印も粉々に砕け散り消滅していった。

「まさか…天魔であるこの私が…やられるなんて…」

悪魔との契約から解放された久々津が意識を朦朧とさせている。

その様子を見たガブリエルが久々津を拘束から解放する。

「申し訳ありません…ゆう…様…」

久々津は両手を地に付け跪きながら呟くと、力尽いて意識を失った。

「何とか倒したか」

久々津とアナベルを倒し一息つく。

「お疲れ様でした勇飛様。ただ、今まで以上に苦戦を強いられましたね」

「あぁ、天魔と言う奴ら…思ったよりも侮れないみたいだな」

「これから先も彼女らのような悪魔使いが待ち構えているかもしれません。引き続き気を引き締めなくてはいけませんね」

「まぁ、どんな奴らが来ても俺たちなら余裕っしょ」

ガブリエルの注意喚起に対してヘラヘラと余裕を見せる龍夜が言う。

「龍夜様、先程のヘパイストスの事もそうですが、少しの油断が命取りになりますよ」

「うっ…そう言われると何も言い返せないな」

「龍夜よ、俺たちもまだまだ力が足りないってことだ。マイハニーの言う通り、改めて用心していこうぞ」

「そ、そうだな。あまり調子づいてお前の彼女怒らせると怖いもんな…」

ガブリエルに聞こえないよう龍夜がヘパイストスに耳打ちするように言う。

「あぁ…怒らせるとマジで面倒だ…この前なんて」

「二人とも何をコソコソしているのですか?」

「「いえ、何でもありません!!」」

ガブリエルの問いに対して誤魔化す素振りを見せる二人。

相変わらずの3人のやり取りはさて置き、教室の端で身を身を潜めていた水希の下へ歩み寄る。

「水希、大丈夫か?ケガとかしてないか?」

「うん、私は大丈夫です。でも、悪魔使いもこれほど強い者たちが現れるなんて…私もみんなから守られる状態じゃなく戦える状態であれば…本当にごめんなさい」

「謝る必要は無いって。早くヒュペリオンを取り返したらいいだけの話だろ。それまでは俺たちに気を遣わず任せてくれたら良いって」

「勇飛君…ありがとう。私もみんなの足手まといにだけはならないようにしますね」

「あぁ、その意気だ。よし、先へと急ごう」

とりあえず全員無事であることを確認し、廃墟の奥へと再び歩み始めた。


廃墟の4階にある一室。

「久々津の奴、まさか神使いのガキ如きに負けただと!?」

サイドを刈り込んだオレンジ色のショートヘアに柄物のシャツを着こなした男が呟く。

「彼女では役不足だったということでしょう。私が出るべきでした」

細身で黒髪に眼鏡をかけたインテリ系の男が答える。

「次はどうする。お前か俺か?どちらにせよあの方のところまでガキどもを行かせるわけにはいかねぇからな。俺がまとめて片づけてやってもいいが」

「いや、仮にも久々津を倒した奴らだ。あれこれと手間をかけるのも面倒だ。私とお前、二人で奴らを叩き潰せばいい」

「相変わらず秋山は真面目ちゃんだね。まぁ、向こうも多勢となればこちらも2人がかりの方が早いだろうな」

インテリ男こと秋山徹(あきやまとおる)の意見に対して男が賛同する。

「お前こそ珍しく意見に賛同してくれたな荒北。何か良いことでもあったのか?」

秋山がオレンジ色のショートカット男こと荒北誠人(あらきたまこと)に問いかける。

「いいや、何もないさ。ただ、たまにはお前と共闘ってのも悪くねぇなと…それだけだ」

「そうか、私は奴らの状況を探るため少しこの場を離れさせてもらうぞ」

そう言うと秋山は荒北を残し、部屋の外へと出ていった。

「良いことね…そりゃ1つや2つあるに決まってんだろ。俺の願いを叶えるために必要な上物の供物が現れたんだからな」

部屋に残った荒北は独り言のように呟くと、契約の印を発光させ悪魔を呼び出す。

呼び出された悪魔は三つ首を持った犬のような姿をしていた。

「荒北よ、我を呼び出したということは今宵の供物を捧げる準備が出来たという事か?」

呼び出された悪魔が荒北に問いかける。

「あぁ、とっておきの上物だ。もうすぐここにやってくる」

「ほぉ、それは楽しみだな」

「その代わり…約束覚えているだろうな?」

「案ずるな荒北よ、貴様との契約の報償として願いは叶えてやろうぞ。その代わりあと10人の供物を我に捧げるのだ」

「分かってるよ。今回の供物は1人につき5人分には相当する。お前たち悪魔も知っているだろうが、神使いと言う奴らだ。供物の品質としては十分だろ?」

「なるほど神使いか。それはいいな。忌々しき神に我らの恐怖を存分に味わせてから食らってくれるわ」

呼び出された悪魔は嬉しそうに嘲笑うと荒北の前から姿を消した。

「悪魔に魂を売った以上もう後には引けねぇ…俺は俺のやり方であいつを…」

荒北はポケットから取り出したスマートフォンを手に取り、画面に映る写真を見ながら呟く。

「ふっ、らしくねぇこと言うもんじゃないな。」

しかしすぐに画面を閉じスマホをポケットにしまい込んだ。

「あの方にたて突くガキどもはこの俺が1人残らず始末してやる」

何かの決意を秘めた素振りを見せ、荒北は部屋の奥へと姿を暗ました。

更新速度が遅くなってしまい本当にごめんなさい。

アイデアはあるけど文章力が無いのです。。。

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