第1話
自分が大好きな要素を詰めて詰め込んで行く予定です。
こんな物語が大好きなんですと伝えられるように
書いていきたいと思うので
温かい目で見守ってくださると嬉しいです。
僕は、波の音を聴きながら笑っている。
「あはは。」
真っ暗な中崖の上に立って、月を見上げながら泣きながら笑っている。
何がいけなかったのだろう、と思いながら。
本当はわかっている。
「全部間違っていたからか。」
僕、杉本灯はそう呟く。
「本当の自分は何か、何をしたいか、結局わからなかったなぁ。」
海面に写った月を見下ろしながら、呟く。
親には見捨てられ、クラスメイトには蔑まれ、大好きな2人もいなくなった。
それでも変われなかった。
これから何が起きても変われない、そう思うほどに。
灯は、目立たない普通の高校生だ。
派手でも地味でもなく、普通。
周囲の大勢の人が普通だと思えば、それは特異なものではないのだろう。
ただ自分がそう思っているのとは意味が違う。
「きっと地球には、僕は必要ないんだね。」
僕はそう言って、見下ろしていた月に飛び込んだ。
躊躇いもなく、それが正しいかのように。
見下ろしていた月は、いつのまにか見上げていた。
意識が遠くなっていくなか、灯は思った。
――誰かに必要とされながら、自由に生きたい、と。
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都立秋山高校
学力は平均、スポーツも特に秀でたものはなく、どこにでもある進学校だ。
僕――杉本灯は、そこにある剣道場に1人でいた。
入学してから、1年。
成績は、平均点前後で、部活も剣道部だが大会には出たことがない。
そんな目立たない、「普通」に生きている彼はこう呼ばれている。
「普通」の「底辺」、と。
表では生徒から底辺と、裏では大人たちから普通と。
小学校の時、親から見捨てられ孤児院で育てられることになったこと。
常に愛想笑いしかせず、なにをしても平均的なことから何も出来ないと思われる。
そんなことから、同年代からは「底辺」と呼ばれる
大人たちには、目立たな過ぎることから記憶に残らなく、どんな人物かと聞かれたら「普通」の男の子と答える。
もちろん悪い意味でそう呼ぶ。
その出来事が重なり誰しもそう呼び始めた。
そう呼ばれる彼にも親友が2人いた。
「よお、まだ剣振ってるのかよ。」
そうハスキーな声が聞こえた。
親友の1人の、井上涼介である。
「僕がしたいと思える数少ないことだからね。」
僕は笑顔で答える。
「真剣にやってるところを邪魔しないのっ!」
そう言って怒る声が聞こえた。
もう1人の親友の、東雲優香だ。
「ずっと剣振ってる灯が悪いんだろ。」
「約束の時間まで我慢できないからって邪魔しないの!」
「そんなことねぇから!」
「全く……、あーくんのことが大好きすぎだよ。」
「そんなんじゃねぇからやめろっ!」
そう言い合っている2人優しく見守る。
「2人とも仲がいいね。」
「あーくんとも仲良しだよ!」
「どっちが灯のこと大好きなんだか……。」
抱きついてくる優香。
昔からスキンシップが激しい。
そんな優香を呆れた顔で見る涼介。
この2人といる時間が僕は1番大好きだ。
「ほら、じゃれあってないで行くぞ。」
「そうだね!あーくん早く着替えておいで!」
「うん、そろそろ行こうか。」
これから3人で買い物に行く予定なので急かされる。
明日からは僕が1年の中で1番自分に素直になれる日。
毎年恒例の夏休みを使って3人で行く旅行の日だ!
はじめまして、「のいたん」です。
読んでくださってありがとうございます。
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ぼっち制作&初投稿なので感想、意見がすごく貴重なのです……
よろしくお願いします。