光と雷
(僕のすべてを、この一撃に・・・。)
康太は、意識の薄れる中で、ただ目の前の倒したいと思う敵に対して、全力をぶつけた。
(この俺が一年生にやられるとはな・・・。)
牛神は、康太の渾身の一撃を食らい動けなくなっていた。
「おい!一年坊!俺に勝ったんだ!名前くらい教えろ!」
「斎藤、斎藤康太です。」
「ふん、俺のほうが強そうな名前だな。あとは、あいつら次第だな。康太も戦う力は残ってないだろう。」
牛神は白や織田の方を見ながらつぶやいた。
「勝つのは僕たちですよ。」
「俺は白たちを信じるさ・・・。」
そう言い残して、牛神は意識を失った。
そして、康太も安心したのか、その場に膝から崩れ落ちた。
その目線の先では、激闘が繰り広げられていた。
< 白魔法 白昼夢 >
魔法の発動と共に白はサングラスを外し、目を見開いた。
「時間がない。すぐに終わらせるぞ。」
次の瞬間、反応することもできず弘太は蹴りを食らった。
(なんだ!?)
弘太がいた場所には白が立っていた。
「どんどん行くぞ。」
再び、白の姿が消える。
(これはやばい!)
< 黄魔法 雷無双 >
弘太はとっさに魔法を使いその場から移動し、白の攻撃を躱す。
「次はこっちから行くぞ!」
弘太が白のもとに攻撃を繰り出す。
「私も行くわよ!」
< 青魔法 水の世界 >
春の魔法により、弘太と白の戦っている足元が水で濡れていく。
「くそ!」
弘太の攻撃を躱した白だが、春の使った魔法により感電してしまう。
「俺が義経先輩を倒すんだ!」
< 白魔法 逆光 >
白は、光り輝き自分の姿を見るものすべての視界を失わせた。
「終わらせる!」
前が見えない弘太に白の足音が迫る。
(くそ!)
< 黄魔法 雷球 >
弘太は所かまわずまわりに雷の球を大量に打ち出す。
「こんなのに負けてられるか!」
白は、まるで気にせずそのまま弘太のもとへ突き進んでいく。
そして、弘太の首を掴んだ。
「これで終わりだな。」
白は勝利を確信し、笑みをこぼす。
「まだですよ、先輩・・・。」
< 黄魔法 雷集 >
あたりに飛ばされた雷球たちが弘太と白のもとへ帰ってくる。
「まだ、こんな技を使えたのか・・・。」
白が驚いたような表情を見せる。
「おいらに任せてくれ!」
< 緑魔法 空洞 >
風が、まるで雷球から二人を守るように展開されていく。
「ここはおいらに任せてくれ。」
鼠神が二人の戦いを見つめながら言う。
「あぁ、頼んだ!」
そして、弘太の攻撃は全てはじかれてしまった。
「こっちがメインだ!」
< 黄魔法 雷放 >
弘太が輝きだした。
そして、体から大量に放電した。
そのまま、弘太の電気により白は意識を刈り取られた。
< 無色魔法 心声 >




