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最強魔王の背後霊  作者: のぞぞ
本戦編
47/63

凛とした猫



弘太たちが立ち去ろうとしていると、後ろから声をかけられた。


「お前らが俺らの初戦の相手か?」


弘太が振り向くとそこには4年Bチーム、第二の矢の3人がいた。


「はい。1年A組の織田弘太と言います。今日はよろしくお願いします。」


「あぁ、4年の武光だ。義経たち以外には負けるつもりはないからな。よろしく頼むぞ。」

そう言いながら、武光は微笑んだ。


「僕らも全力で戦わせてもらいますね!」

弘太は3人に微笑み返した。


「1年が4年に勝てるわけがないんだから、せいぜい頑張りなよ。」


「俺たちは、この大会で全員倒して優勝します!そのために先輩たちにも勝ちます。」

武光の言葉に、弘太は反論した。


「そんなことは不可能だと思うけどね。誰も義経には勝てないんだからさ。」


そう言い残すと、3人は去っていった。



「4年だから勝てないなんてことはないからな!僕らは僕らの全力をぶつけて勝つんだ!」

弘太は武光の言葉に改めて緊張してしまっていた康太と春にそう言った。


「そ、そうだね!僕も頑張らないと!」

康太はそう言いながら観客席で旗を振っていた、猿神の方を見た。


「私だって!みんなの分も頑張るわ!」

春も改めて気合を入れ直している。



「初戦!絶対勝つぞ!」

弘太たちは改めて気合を入れ直す。


そして1回戦が始まる。




「それでは1回戦第一試合、チーム凜とした猫VSチーム第2の矢!それぞれスタジアムに上がって。」


審判に促され、弘太たち3人と、武光たち3人はスタジアムに上がり、構える。


観客の声はどんどん大きくなるが、選手たちの耳には届いてない。


「それでは・・・・・」



届いてるのは審判の声のみだ。




「はじめ!!!」



< 茶魔法 岩窟装 >

康太は全身を岩で覆い、3人に向かっていく!



< 赤魔法 火渦 >

第二の矢も魔法を使い、康太の行く手を妨害している。



< 青緑魔法 水風手 >

春の後ろから、半蔵明の腕が2本出てきた。


そのうちの1本は炎の渦をかき消し、魔法を使っていた相手に向かっていく。


< 黄魔法 落雷 >

康太に対して放つがはじかれている。


そのまま、康太は相手の一人に突きを繰り出す。


春の方も、水の腕の中に相手を閉じ込めて意識を刈り取っていた。



(なんなんだよ!こいつら!)

武光は焦っていた。学年には圧倒的強さの3人がいて、常にセカンドチームとして学園生活を送ってきた、武光たちにとって負けることはそんなに珍しいことではない。ただ、その相手はいつもはるか高みにいた義経たちでなく、1年生だった。


(そうか、俺らは上を向くことを止めてしまっていたのか。)

さっきの弘太の言葉が頭をよぎる。


いつからだろう。義経にはかなわないと諦めたのは・・・。


今回を逃したら、挑むチャンスなんてもうないんじゃないのか?


「俺は!義経を倒さないといけないんだ!」


仲間二人が倒されたが武光は雄たけびをあげた。


< 茶魔法 泥雨 >


土の雨が、弘太たちに降り注ぐ。

3人は、お構いなしに武光を倒すために襲い掛かる。


「これが!俺の!集大成だ!」


< 青魔法 水分吸収 >


武光の魔法により、3人の泥のついたところは動かせなくなった。


「流石ですよ、武光先輩。」



「でも、俺らの勝ちです!」


< 黄魔法 雷風 >


弘太のはなった雷が風に乗り、武光に襲いかかる。


「そんなの食らわない!」

武光は弘太の攻撃を避けた。


しかし、その先には春に風の腕が待ち構えていた。



そのまま、風に包まれ武光の意識ははるか遠くに飛んで行った。



「そこまで!勝者、凛とした猫!」


審判が勝ちをコールした。


その瞬間、3人を大歓声が包み込んだ。


第2の矢の3人は医務室へと運ばれていったが、武光先輩は満足そうな顔をしていた。


やっと試合が始まりました!

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