猫と犬と筋肉の声
会場は大盛り上がりで観客全てが選手の入場を今か今かと楽しみにしていた。
そんな会場にマイクの音声が響き渡る。
「今回、実況をさせてもらう、放送部顧問の響だ!みんな!盛り上がってるか!?」
会場のボルテージはぐんぐん上がっていく!
「それでは選手の入場だ!」
「最初は!1年のBチーム、犬神、伊達、七條のチーム、セブンドッグスだ!」
犬神たちはトップバッターとして入場する。
3人とも、堂々としており、自信に満ち溢れていた。
「セブンドッグスは予選を圧倒的力で勝ち進んできたチームだ!本戦でも大爆発期待してるぜ!!」
3人がステージに上がった瞬間、スタジアムがはじけんばかりの歓声に包まれた。
「まずは、1年のAチーム、織田、斎藤、前田のチーム、凛とした猫だ!」
弘太たちは言われるがままに入場する。
3人が入場すると、猿神が大漁旗を振り回し始めてやたら目立っていた。
康太はとても恥ずかしくなり、下を向いていて、春は、自分の名前を叫ぶ男たちの方を睨んでいた。
弘太は、落ち着いて観客たちに手を振った。
「この3人は、殺人犯との遭遇事件で知り合って、それから一緒に戦ってきた、心からの戦友同士のチームだ!この大会のダークホースとして期待してるぜ!」
整列すると犬神と弘太はにらみ合う。
ほんの一瞬だったのか、それとも長い時間なのか分からないが、確かに二人は目を合わせた。
どんどん、紹介は進んでいく。
「2年のBチーム!響、幸田、高良のチームボイスだ!」
「ちなみに、響は俺の息子だぜ!応援よろしくな!」
響先輩が呼ばれて瞬間、会場が響コールで包まれた。
予選の決勝と言い、いろんなところで実況するなど、何かと目立つことが多いみたいでその人気は凄いものだった。
「そして次!2年Aチーム!剛田、力山、拳川のチーム、マッスルパーティーだ!その鍛え抜かれた肉体でここまで勝ち残ってきた!本戦でもゴリゴリの力押しで頼むぜ!」
会場はあまり盛り上がらなかった。
なぜなら、観客席でゴリゴリのチアリーダーが応援を始めたからだ。
「K!I!N!N!I!K!U!筋肉!」
チアリーダーは聞いたことのない応援をしていた。
入場してきた3人のゴリラ男たちはチアリーダーを見て大興奮してポージングしながら整列していた。




