風馬と犬神
「やっぱり弘太君は強いね。」
風馬は、関と猿神に向かって言った。
「今回は間に合ったと思ったのに結局やられてしまったな。」
猿神は悔しそうな顔で風馬のほうを見た。
「私もふうくんを守ることができませんでした。」
関も悔しそうな表情をしていた。
そんな3人に弘太が近づいてきた。
「風馬!今日はありがとう!まさか、風馬の魔法にあんな使い方があったなんて驚いたよ。」
「そうよ!そのせいでまた私の意味が無くなったじゃない。」
春は拗ねながらも風馬の魔法に感心していた。
「僕は、弘太さんに勝ちたかったんです!そのために色々やって、やっとのことでこの魔法を手に入れたんです!それなのに!」
風馬は泣きそうな顔をしながら弘太に言った。
「だから・・・。」
「だから絶対!本戦勝ち進んでくださいよ!」
「僕たちを2回も倒したんですから!」
風馬はそういうと、関と猿神と共に去っていった。
「あんなこと言われたら僕らも負けられないな。」
弘太は真剣な顔で春を見つめながらそう言った。
「ええ、そうね。本戦優勝しないといけないわね。」
春もまた、風馬の言葉を頭に浮かべながら気を引き締めた。
なお、そのころ康太は猿神にやられて気絶していた。
そしていよいよ、本戦の二日前、犬神と伊達、そして秋が学校に来た。
「弘太久しぶり!顔つき変わったね。また強くなったの?」
犬神が弘太のほうに嬉しそうに話しかけてきた。
「俺のチームの強くなったから、もし本戦で当たっても負けないけどね!」
弘太のほうを見ながら犬神はそういうと笑い出した。
「僕らだって負けないさ!この2か月で驚くほど強くなったんだ!」
弘太も負けじと犬神のほうを見ながら堂々と言い放つ。
その言葉に、春は頬を赤らめ、康太は両手を組んでドヤ顔をしていた。
そんな3人に伊達が近づいてきた。
「まぁ、おまえらが本戦で勝ち上がれるかはわからないけどな。」
「いいや、弘太たちなら勝ち上がってくるよ。そして俺に負けるのさ。」
伊達の言葉に対して、弘太たちより先に犬神が反論する。
「まぁ、俺らが優勝するから楽しみにしていろよ!」
伊達は反論されたことに、気付いてないのかドヤ顔で言い放った。
「犬神にも、冬姉にも負けないさ!それだけの特訓を僕らはしてきたんだから!」
そしていよいよ、本戦が始まる。




