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最強魔王の背後霊  作者: のぞぞ
本戦前編
40/63

康太と春


「魔法の使用ありで、どちらかが参ったと言うか、戦えなくなったら試合終了でいいか?」


猿神が二人に確認を取り、二人は頷いた。


「それじゃあ、よーい、初め!」


< 黄魔法 雷装 >


弘太は、康太の実力を測るかのように、敢えて雷装で康太に攻撃をする。


< 茶魔法 土装 >

それに対し、康太は土を身にまとい守りを固める。



「なかなかやるな!」

弘太の攻撃を康太はことごとく防いでいく。


「次行くぞ!」


< 黄魔法 雷無双 >



弘太が雷無双を使った瞬間、康太の身にまとっていた土は剥がされ、康太自身も体が麻痺して動けなくなってしまった。


「勝負ありだな。」


弘太と康太に猿神が近づいてきた。


「まだだぞ!」


弘太がそう言った瞬間、弘太の足元が、隆起してきた。


「やっぱりばれてたんだね。参ったよ。」

康太は悔しそうな顔で降参した。




(ふたりとも、ほんとうにすごいわね・・・。)

春は、二人の戦いを見て素直に驚いていた。



「次は私がこの一か月の成果を見せるわ!」

春は3人に向かって宣言した。


< 赤青魔法 変化手 >

春が魔法を使うと、燃え盛る赤い腕と、凍り付いた青い腕が春の後ろに現れた。


その2本の腕は、弘太の雷装には及ばないが、凄まじい速さで移動している。


「そしてこれがとっておきよ!」


春がそう言うと、赤の腕は圧縮され、マグマの腕に、青の腕は、実体のないミスト状の腕に変化した。



「なんなんだ、この魔法・・・。」


「これが私の考えたオリジナル魔法、マジックハンドよ!」



「変化式でもこんなの聞いたこともないぞ。」

3人は、想像以上の魔法を繰り出した春に驚いた。


「私だって、ただ授業を受けてたわけじゃないんだから!先輩たちを倒すための工夫をずっと考えてたの。元々、魔法を動かすのが得意だったから、その移動と変化を織り交ぜて、今のマジックハンドを生み出したのよ!」


「やっぱり、春はすごいな!」


弘太の素直な褒め言葉に春は頬を赤く染めた。


「なに当たり前のこと言ってるのよ!」


「3人とも、おいらたちとやった時よりも実力をつけてきたみたいだな!」

猿神は嬉しそうに笑いながらそう言った。


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