康太と春
「魔法の使用ありで、どちらかが参ったと言うか、戦えなくなったら試合終了でいいか?」
猿神が二人に確認を取り、二人は頷いた。
「それじゃあ、よーい、初め!」
< 黄魔法 雷装 >
弘太は、康太の実力を測るかのように、敢えて雷装で康太に攻撃をする。
< 茶魔法 土装 >
それに対し、康太は土を身にまとい守りを固める。
「なかなかやるな!」
弘太の攻撃を康太はことごとく防いでいく。
「次行くぞ!」
< 黄魔法 雷無双 >
弘太が雷無双を使った瞬間、康太の身にまとっていた土は剥がされ、康太自身も体が麻痺して動けなくなってしまった。
「勝負ありだな。」
弘太と康太に猿神が近づいてきた。
「まだだぞ!」
弘太がそう言った瞬間、弘太の足元が、隆起してきた。
「やっぱりばれてたんだね。参ったよ。」
康太は悔しそうな顔で降参した。
(ふたりとも、ほんとうにすごいわね・・・。)
春は、二人の戦いを見て素直に驚いていた。
「次は私がこの一か月の成果を見せるわ!」
春は3人に向かって宣言した。
< 赤青魔法 変化手 >
春が魔法を使うと、燃え盛る赤い腕と、凍り付いた青い腕が春の後ろに現れた。
その2本の腕は、弘太の雷装には及ばないが、凄まじい速さで移動している。
「そしてこれがとっておきよ!」
春がそう言うと、赤の腕は圧縮され、マグマの腕に、青の腕は、実体のないミスト状の腕に変化した。
「なんなんだ、この魔法・・・。」
「これが私の考えたオリジナル魔法、マジックハンドよ!」
「変化式でもこんなの聞いたこともないぞ。」
3人は、想像以上の魔法を繰り出した春に驚いた。
「私だって、ただ授業を受けてたわけじゃないんだから!先輩たちを倒すための工夫をずっと考えてたの。元々、魔法を動かすのが得意だったから、その移動と変化を織り交ぜて、今のマジックハンドを生み出したのよ!」
「やっぱり、春はすごいな!」
弘太の素直な褒め言葉に春は頬を赤く染めた。
「なに当たり前のこと言ってるのよ!」
「3人とも、おいらたちとやった時よりも実力をつけてきたみたいだな!」
猿神は嬉しそうに笑いながらそう言った。




