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最強魔王の背後霊  作者: のぞぞ
本戦前編
38/63

弘太と魔王


帰りの船や電車の中では島でのことがずっと思い出されていた。


頭の中にはニャーニャーという声が響いていてうるさかった。



家に着くと、姉が迎えてくれた。



「弘くん、おかえり!本戦出場のお祝いもしていないのにどっか行っちゃうからさみしかったんだよ?」


冬華は少し笑いながら言った。


「今から、弘くんと本戦で戦うの楽しみだなー♪」


「やっぱり、今年も出るんだね。」


弘太の姉は弘太と同じ学校の4年生で、成績、実力共にとても優秀で、1年次から4年間、毎年本戦に出ており、現在本戦2連覇中である。

今年も昨年と同じチームで挑んでおり、弘太が本戦に進んだことを知ったとき、まるで自分のことのように喜んでいた。



「冬姉には勝たないといけないからね!」

弘太は、冬華に臆することなく宣戦布告した。


「1年生がなにいってるの?けちょんけちょんにしちゃうんだから。」


冬華は、とてもうれしそうに笑みを浮かべながらそう言った。


「私たちが当たるのは1回戦か決勝だから、がんばってね!」


それだけ言うと、冬華は鼻歌を歌いながら自分の部屋へと戻っていった。


(なんで、トーナメントの組み合わせを知っているんだ?)


弘太は不思議に思いながら、翌日の登校に備えた。




その夜、珍しく魔王が目の前に現れた。

<いろいろあったが落ち着いたので、改めて魔法の話をしようと思うのだがいいか?>


(はい!かまいませんよ。)


< 暗黒魔法 孤独牢 >

弘太の景色は久しぶりに暗黒に染まった。


暗闇の中に魔王と凜猫の姿があった。


「ルシ様、久しぶりですね。」


「あぁ、そうだな。」

魔王は、少し浮かない顔で弘太のほうを見ていた。



「今回は弘太に話していなかった魔法のデメリットについて話しておこうと思う。」


「えっ?そんなのがあるんですか?」

弘太は、魔王の予期せぬ発言に弘太は驚いた。


「すまんが、さっそく本題に入るぞ。まず、凜猫よ、青年がなぜ早くに亡くなったのか教えてやってくれ。」


「了解にゃ。簡単に言うと勇者の時代の魔法と現代の魔法では要領が違いすぎて大きな負担を青年に与えすぎたのにゃ。わしらの魔法は、理に少しの干渉を行うことで変化をさせるもの。主らの魔法は発生をさせるものだから、大本が違うにゃ、例えば、伝説の中にあった、人間を治したり、天災を退けたりといった変化にはわしらの魔法は向いているが、その分、脳や、体内の魔力にかかる負荷は大きいのにゃ。」


「我は、前の火を使う男との戦いのときに違和感を覚えたのだ。魔力はそんなに使用していなかったのに、弘太の体内の魔力に大きな負荷がかかていたからな。それもあって、それがなぜなのか分かるまでは弘太に魔法を使うのを抑えてもらったのだ。」


「そういうことだったんですね。でもなんでいってくれなかったんですか?」


「確信がなかったからだ。原因がわからないものを伝えて不安にさせたくなかったのだ。」

魔王は、申し訳なさそうに弘太のほうを見た。


「我の魔法にもいくつか制約がある。一つ目は、弘太が魔法を使用した場合、使えないのだ。我の魔法は、我が発動し、魔力も供給している。しかし、弘太からもわずかに魔力が流れているのだ。弘太が魔王を使った日はこの孤独牢も使っておらんだろう?」


そういわれて弘太は今までのことを思い出すと、確かに点火を使った日以外、魔法を使っていない日にしか孤独牢は使われていなかった。



「伝えたかったのは以上だ。」




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