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最強魔王の背後霊  作者: のぞぞ
勇者と伝説の島
34/63

勇者の島の猫

「お主がルシフェルド様の宿主か?」


弘太は聞きなれない声で目を覚ました。


「んっ・・・。」


「ぼさっとしてないで早く起きろ!」


弘太が目を開けると、目の前にはぽっちゃりとした黒猫がいた。


「お主、ルシフェルド様を知っているな?」


弘太はその質問に動揺を隠しきれない。魔王という存在どころか、その名前までも目の前の猫は当てて見せたのだ。


「あぁ、そうだけど・・・。おまえだいったい何者なんだ?」


「わしは、凜猫。ルシフェルド様が魔王だったころの仲間だよ。」


その意外な言葉に、弘太は言葉を失った。


「意外そうな顔じゃな。わしは輪廻の中を生きる凜猫。死んでは生き返り、この世の移り変わりを見てきた。わしは元々、ルシフェルド様により創造されたが、勇者に殺される間際に魔力を全て使い、輪廻の中に逃げ込んだのじゃ。そしてずっと、ルシフェルド様に会えるのを望みながら過ごしていたら、ルシフェルド様の気配を感じ、ここに召喚されたのじゃ。分かったか?」


凜猫と名乗る黒猫の話は、なんとなく自然に頭に入ってきて、理解することができた。


「そうなんだね。ルシ様は僕に力を貸してくれてるよ。」


「そうか、それならお主がルシフェルド様にふさわしいか、図らせてもらおうかの。」



そう言うと、太った黒猫だった凜猫は、真っ黒なオーラに包まれた。


そのオーラの中からは、先ほどまでの凜猫とは似ても似つかないブラックパンサーがいた。


「それでは、行かせてもらうぞ。」


その言葉とともに、猛スピードで凜猫はこちらに襲い掛かってきた。



< 黄魔法 雷装 >


弘太は、ギリギリのところで攻撃を躱す。


「まだまだ行くぞ。」


< 闇魔法 影移動 >


その魔法と共に、弘太の視界から凜猫は消えた。


そして気が付くと、目の前に迫ってきており、必死に避けようとするが左肩を裂かれてしまう。


「おそいのう。鈍すぎる。」


そしてふたたび、凜猫は姿を消した。



(考えろ、考えるんだ。)


弘太が考えていると、目の前の影から姿を現し、襲い掛かってくる。

次は、左の頭部を裂かれて左目に血が垂れてきた。


(なんなんだ、この速さ!どうなっている!)


「焦っておるな。少しくらい冷静に物事を考えて見せよ。」


凜猫の言葉に、もう一度状況を確認する。


(さっきの攻撃、いきなり目の前に現れた。見えないほどのスピードなら、攻撃された後に気付くはず。ってことは、どこからか現れたのか・・・。それはどこだ?)


「いい加減、止めと行くぞ?」


凜猫がまた、影の中へと姿を隠す。


(影の中に消えた?)


「そういうことか!」


< 黄魔法 来光 >

その瞬間、あたり一面が照らされ、影が無くなったため、凜猫が姿を現した。


「よくわかったな!それではここからはタイマンじゃ!かかってこい!」

凜猫は嬉しそうに構える。


が、弘太は血を流しすぎたのか、その場に倒れてしまった。


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