勇者の島の子供たち
朝、朝食を食べていると、愛がこちらに来た。
「弘太さん!昨日、鬼ごっこのお話しするって言ったじゃないですか!」
弘太はすっかり忘れていた。
「ごめん!忘れてた!本当にごめんね!」
弘太の必至な謝りに、ふくれっ面だった愛は、少し笑った。
「まぁ、いいですけど。その代わり、今日はヒントだけしか教えませんから!ヒントは集中です。」
(集中?もっと集中しろってことか?)
「ありがとう!考えてみるよ!」
宿に、健、陸、怜の3人が来て、みんなで山のほうへと移動した。
「弘太!俺が鍛えてやるから今日も鬼ごっこするぞ!」
「今日こそ捕まえてやる!」
結局その日も、4人を捕まえることはできなかった。
「弘太さんのバチバチってどうして全身バチバチしてるんですか?」
帰り道に陸が質問してきた。
「それは、そういう魔法を使ってるからね。」
その言葉から、弘太は何か悟った。
「そういうことか!明日ことは勝つぞ!」
その言葉に、4人は楽しそうに笑いながらそれぞれ帰った。
「今日こそ捕まえる!」
<無色魔法 電光石火 >
弘太は4人と同じ魔法を使用する。
「雷に変換して神経を刺激するとともに、体の動きに方向性を持たせていたが、それよりもシンプルにすることで浪費を抑えながら、もっとナチュラルに魔力移動ができるはず!」
そう言いながら、4人を追いかける。
だが、思うようにはいかず、魔力は持ったがスピードでは昨日よりも遅くなり、全然追いつけなくなっていた。そのまま、木に登ろうとしていた弘太は落ちてしまう。
「弘太さん!大丈夫ですか!」
愛が心配そうにこちらを見ている。
<このままでは埒が明かない、少しだけ手を貸してやるから感覚をつかめ>
< 黄魔法 雷無双 >
そういうと魔王は勝手に魔法を発動した。
「こ、これは・・・?」
<いいからそのまま、追いかけてみろ。>
弘太は言われるがままに、健達を追いかけに言った。使っている魔力の感覚は少ないのに、今までよりも大きなパフォーマンスを発揮し、見る見るうちに健に追いついて、捕まえることに成功した。
「なんだ!?頭打ってどっか壊れたのか?」
弘太のいきなりの変化に健は驚いた。そして、木から落ちてどこかおかしくなったと本気で思っているらしく、心配そうな顔でそう言った。
「別におかしくなったわけじゃない!なんか、魔力がうまく動いたんだ。」
「くそ!もっかいだ!弘太の鬼な!」
それだけ言うと、健はまた走り去っていった。
(さっきを思い出すんだ。体は別に軽くなったわけじゃない。でも、魔力がスッときれいに体の中を巡った。)
先ほどの状況を頭の中で整理していく。
(まるで、他の邪魔なものが何もかも無くなったかのように魔力が集中して・・・。集中ってことは他のところはどうなっていた?そうだ!魔力を足以外はなくして、移動をしやすくしていたのか!)
「いくぞ!」
< 黄魔法 雷無双 >
猛スピードで、健の後ろを追いかける!
「やっぱりはやいな!弘太!」
「ほんとに弘太さんびりびりでいい感じですね!」
健も陸も驚いている。
しかし、弘太はそのスピードのまま、木にぶつかっていった。
<コントロールは、まだまだだな。>
弘太の周りでは、4人が笑っていた。
そのころ、島のある所に、一人の少年が上陸した。
「ここが勇者の島か!思ったより田舎だね。」
今日はいろいろあって早朝の投稿になりました!
あと、学年3位の伊達君のお話、伊達君だって!もたまに書いているので、よかったら見てください!




