表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強魔王の背後霊  作者: のぞぞ
背後霊になる前に
1/63

プロローグ1

プロローグ



「勇者よ、ここへ来るのは何度目か。なぜ何回も殺しておるのに、我の前に現れるのか。どうすればこの戦いは終わる?我としても、同じ者を何度も殺すのは気分のいいことではないのだ、いい加減に諦めてくれ。」


魔王の目の前には勇者が1人でこちらを見つめていた。


勇者はただ魔王を見つめ、魔王の問いかけに耳を傾けたわけではないが、なんども対峙した魔王との今までのことを考えていた。







魔王に挑むのは何度目だろうか。女神さまの加護を持つ俺は魔物との戦いでは死なず、教会で蘇生する体を手に入れた。最初は、家族や幼馴染を守るために始めた戦いだったが、気が付けば国王様や、旅の中で出会った人々、そして、かけがえのない仲間たちと守るものが増えていった。何度も死を体験し、経験を積んで勇者と呼ばれるようになり、仲間を作って打倒魔王を目指し冒険を続けたが、俺以外の仲間は死んでいき、俺だけが生き続けている。魔王との戦いを続けることこそが俺が仲間たちと生きてきた証であり、魔王を倒すことが、あいつらとの夢をかなえることにつながると自分に言い聞かせてきた。



「どうすれば終わるかだって?簡単なことだ。俺が、いや、俺たちがおまえを倒したらだ!」


勇者の魔王を見る目が険しくなる。


そして、一呼吸を置き、闘志の全てを魔王へと向けた。



「勇者の名の下に!聖剣開放! モード シャイン!」

「女神の加護強化!   モード エターナルボディー!」

「今度こそ、死んでいた仲間たちのため、世界の平和のため、おまえを倒す!」



勇者はいつものように魔王へと向かっていった。










~3日後~

「またあったな魔王、今度こそおまえを倒す!」


「少し待て勇者よ、おまえは三日前から少しでも強くなったのか?お前がこの王座に来るまでに殺した我の部下は20人だ。おまえが我を傷つけることができぬように我が部下たちもおまえを傷つけることができぬほど、おまえとは実力差がある。我はすでに無駄死にせぬようにと、部下たちに勇者への攻撃を禁じている。それなのにおまえは我が部下を追いかけまわし殺している。」


「しかたないじゃないか、殺さないと、強さの証明をしないといけないんだから・・・」


「おまえは、何度も生き返る。そのせいで、生きている者たちの気持ちが分からなくなっているのではないか?無害なものを殺して本当の意味で強さを証明していると思っているのか?そんな虚像のために殺された我の部下たちは「うるさい!!!!!おまえだって俺の仲間たちを殺したじゃないか!!!!!」


勇者は魔王の言葉を遮るように怒鳴った。


「自分を殺しに来るものを殺して何が悪い。我は生きるために殺しているだけだ。強さのための殺しなどしたこともない。命とはそんな簡単に散らしていいものではないからな。」


「うるさい・・・」


「お前が殺した者たちにも生活があり、家族がいて、生きるために鍛錬を積んでいたのだ。それをおまえは、偽の強さなどというつまらぬものを得るために・・・」


「うるさい!!!!!」


「そしてまた、我に殺されることをただ繰り返しのだろうな・・・」


「うるさいといってるだろう!!!!」

「勇者の名の下に!聖剣開放! モード シャイン!」

「女神の加護強化!   モード エターナルボディー!」


「また同じ技を・・・馬鹿の一つ覚えだな。またすぐに終わらせてやる。」


「勝たなくちゃいけないんだ!何がなんでも!!!!」



勇者は3日前と同じように魔王に向かっていった。


<もうあきちゃったわねぇ。>


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ