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チートは異世界に行ってもチートだった 作者:フィル
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第三十四話

「いや、俺達もこの付近を通ったら急に面白そうな場所があったからな。ちょっと探検していただけだ。この穴とは何の関係も無い。」

 紫苑が、当たり前のように嘘を語っていく。
 よく動揺もせず事実を語るようにペラペラと話せるものだなと感心していると、騎士の鎧のどこからか、プゥと気の抜ける様な音が聴こえた。

「……ふむ。これは君達による攻撃かね?」

「何言ってんだ。俺達は関係ないと言っただろう?それに、仮に俺達が原因だとして、こんな馬鹿げた攻撃出来る訳が無いだろう?」

 紫苑が答え終わると同時に、騎士から先程と同じ気の抜ける音が聴こえてくる。
 そこで、何故か目の前に居る騎士や周りの騎士達が臨戦態勢を取り始める。
 紫苑は何かを確信したらしく苦虫を噛み潰したような顔をしている。

「……これは、この都市に対する宣戦布告か?それとも我が国に対しての宣戦布告か?」

「よく分からないが、俺達には人に害する意思は無い。」

「……ふむ。その言葉に嘘は無いようだな。ならば、お前達の処遇は本国に報告した後決められる。何、ほんの数分で終わる。そこで待っていろ。」

 騎士は何処かへ去っていく。しかし、俺達が他の騎士に包囲され、警戒されているという事は変わらなかった。
 俺達は、騎士の指示通りに待っている事にする。

「くそっ、しくじったな……あんな物があるとは。」

 紫苑が、俺達に向かって悔しそうに話す。

「そう言えば、途中で何かに気づいたみたいだが何に気づいたんだ?」

「ああ、あの騎士から聴こえる変な音あっただろ?あれって俺の予想が間違ってなければ嘘に反応する筈だ。」

「あの音は、メンテラっていう相手の嘘を見破る道具よ。尋問などに使われる事が多いわね。」

 つまり、紫苑がついた嘘は、全部見破られたと言う事か。まあ、実際に原因は俺達な訳なのだからじっとしている他無いな。

 10分程待っていると、騎士が帰ってきた。

「処遇が決まった。貴様等には2つの道が残されている。1つ目は金貨5000枚の賠償金を払い、円満に解決する道。もう1つは我が国の戦闘奴隷となり、国に貢献する事だ。これを決める猶予は3日だ。期限を過ぎれば、強制的に奴隷の道だ。」

「……俺達は冒険者だ。素材や宝なども金額の中に入れて良いか?」

「……まあ、()()()()()。しかし、迷宮やダンジョンに挑む事は禁止する。死なれても困るんでな。せいぜい残り3日の自由を楽しむんだな。その後は、グーベラン帝国の奴隷として、働いてもらうことになる。」

 ニヤニヤとした笑みを顔に貼り付けながら騎士は去って行った。同時に、周りを包囲していた騎士たちも同じ方向へと居なくなった。

「グーベラン帝国が何で此処に居るんだ……?」

「それは、迷宮都市を囲む壁を管理している国の1つだからよ。この都市の壁は、4つの国が、東西南北に分かれて管理しているのよ。それにしても、よりにもよって悪い噂の絶えないグーベラン帝国とはね……運が無いわ。」

「そう言う事か。それに、グーベラン帝国なら気が楽だ。何の罪悪感も無く実行できる。」

 俺は罪悪感という言葉に首を傾げつつ、紫苑に気になる事を聞く。

「何か解決方法があるのか?今、俺達の持つ金貨は10枚も無いぞ。」

「……皆殺しに……する……?」

「しねえよ!そんな事したら、本当に犯罪者になるじゃねえか!……まあ、方法としてはアーティファクトに頼る。」

 そういえば、高く売れると言っていたが5000枚も集まるか?

「紫苑ちゃん……アーティファクトは直ぐには売れないのよ。それに、あんなに大量のアーティファクトを世に出す事も出来ないわ。世界中が混乱に陥る量だもの……」

「ん?俺も、アーティファクトを売るつもりは無いぞ。『錬金』の材料に使わせて貰う。」

「一体どういう事だ?」

 錬金術で金でも作るつもりか?成功した記録は無い筈だが。

「都合のいい事に、この辺りで使われている硬貨は形や絵柄、大きさの3つが同じだ。違うのは硬貨に使われている材料と、それによる重量なだけだ。」

 何となく話が読めてきた気がする。絵の具でも塗って色を変えるつもりか?この世界では見た事が無いが。

「通貨偽造の罪に問われたりしないだろうな……」

「まあ、大丈夫だ。言質は取ったしな。」

「言質……?いつの間に取っていたんだ?」

「……あの騎士は、金貨じゃ無くても良い事を認めてくれただろ?それが言質だ。」

「……よく分からん。それより、どんな方法を取るんだ?」

「銅を銀に変えて、それから金に変える。」

 方法も何1つ分からなかったな。
錬金術って浪漫がありますよね。
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