長い一日の終わりと本当の始まり
部活メンバーと雪村さんの顔合わせが終わり、記念に写真を撮りだいぶ盛り上がったところで俺達は解散した。
家に帰り自分の部屋で制服を脱ぐ。部屋着に着替え、さっき撮った写真をカメラで確認していた。後で皆に写真を配らなくてはならない。
あの時の気分を思い出しながら1つ1つ眺めていると、ある写真が目に入ったところで俺は吐き気がこみ上げてきた。
その写真とは、我が写真同好会の大切な部員笹森明美さんが首をつって死んでいるものだった。
なぜこんな写真が?わからない。
俺は慌てて笹森さんに電話をかける。
1回コール音がなってすぐに彼女は出た。
電話越しに彼女の可愛らしい声が聞こえる。
彼女は生きている。じゃあなぜこんな写真が?
もう一度カメラを確認するもやはりそこにあるのは彼女が死んでいるシーン。
「高梨くん!!!」
その声にハッとした。俺は、ずっと無言だったらしい。俺は一言謝って電話を切る。
その日の夜、俺は寝るに寝れなかった。
次の日の朝、気分は優れないもののいつも通り学校へ向う。教室に入るときふと笹森さんのクラスが気になったので、少し覗くことにした。
教室で彼女は一人で静かに座っている。
他のクラスに比べてこのクラスは人少なかった。
一時間目が終わり休み時間、やはり笹森さんが気になった俺はクラスを出る。千尋には不思議そうな顔をされた。
俺が教室を出ると、ちょうど笹森さんも教室を出るところだった。両手には女子が持つ量とは思えないほどの荷物を抱えている。
慌てて俺は、笹森さんの荷物の半分を持つ。
笹森さんは困ったように眉毛をハの字にして「大丈夫だよ?」と言った。
「これ、女の子が持つ量じゃないよ」
笹森さんは未だ困り顔。しかし、少しホッとしたように笑った。
「先生に頼まれちゃって…職員室まで運ばなきゃならないの。ごめんね、高梨くんありがとう。」
それから休み時間のの度に俺は教室を出て行った。
しかし、笹森さんには会えないまま昼休みを迎える。
昼休み休み時間の時と同じように廊下へ出る。
そうすると、俺は笹森さんがなにか派手目な女の子たちにか込まれて連れてかれるところを見つけた。
彼女たちが入ったのは女子トイレ。流石に男の俺が入るわけにはいかない。
どうしようか悩んでいたら千尋が俺に声をかけてきた。
「女子トイレの前で何してんだよ?覗きか?」
「違うよ!ちょっと気になることがあって…」
「そういえば、今日のお前なんかおかしかったもんな」
千尋と言い合いしてる間に笹森さんを連れて行った彼女たちが出てきた。そして俺達をみてぎょっとして教室へそそくさと戻っていってしまった。
少しして笹森さんも出てきた。
出てきた彼女はさっきと違ってびしょ濡れだった。
慌てて俺達は笹森さんに近寄る。しかし、彼女は俺達を見るやいなや何処かへ走り去ってしまった。