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幸せ/不幸な昼休み♡

昼休み、私は裏庭にある木の根本で休んでいた。

ここは私のお気に入りで、考え事するのが捗る場所だ。今の私の考え事は大会のことだ。

1週間後に校内選出者を決めるために大会に出す写真を決めなきゃならない。校内選出者は各部門に一人、選ばれるのはとても大変でとてもすごいことなのだ。



「姫はまたここ?」


考え事をしている私に話しかけてくる人がいた。

後ろを振り向かなくてもわかる。私を姫呼びするのは一人しかいないからだ。


「陽介くんどうしたの?」


「好きが君を導く光」


彼はそう言って私のおでこと彼のおでこをくっつけると、ふわっと笑った。

顔が近すぎて一気に顔が熱くなる。

きっと私の顔が赤くなっているのだろう。彼はクスクス笑い、隣に座って私の肩に頭を預け寝始めてしまった。

考え事の続きをしようとするも、集中して考えられない。仕方ないなぁ…と思い、私も陽介くんに頭を預けて寝ることにした。




まさか、その姿を西条先輩に見られてるなんて知りもしないで。












僕は東雲進、芸術学校の2年生だ。

僕の所属するAクラスは2年生になったら実力のある人しか入れない。これもきっと彼女のおかげだ。

彼女の名前は花澤結愛。ハニーブラウンのふわふわした髪を肩にかかるくらいまで伸ばし、高すぎず低すぎず心地よい声で話しかけてくれる心の優しい女の子だ。


そんな彼女にはつい最近まで親友がいた。

いや、たぶん今も親友だと思っているんじゃないかな?でも、この学校にはいなくなったから過去形でいいか。


結愛の親友、雪村友音はすごいやつだった。

クラスの中心人物で、男女分け隔てなく仲良くしていた。結愛が何か失敗した時に完璧なフォローをしていた。あまりクラスメイトと話そうとしない結愛に最低限でもクラスの輪に入れるように遊びに誘ったり、クラスの人たちに結愛のいいところを話したり、多分去年一年間結愛が悪口を言われなかったのは彼女のおかげだろう。また、一年生のはじめの頃は成績もトップの方だったし、先生からの人望も厚い。色んな事を器用にこなせちゃう彼女はもうこの学校にはいない。

一年の後半から成績を落として転校したらしい、ざまぁ。



正直に言って僕は彼女が嫌いだ。

僕の結愛を取ろうとするし、何でも器用にこなせるのがむかつく。そのくせして彼女は僕を裏切った。


まぁいい、彼女がいないぶん結愛のフォローは必然的に僕の役目になる。

すぐどっかにいなくなる結愛。

おっちょこちょいな結愛。

どんくさい結愛。

優しい結愛。

可愛い結愛。

そんな彼女を完璧にフォローするにはどうしても僕じゃ力が足りない。それを今思い知った。


結愛のいない教室。そこで聞こえる話はもっぱら雪村友音と結愛のことだ。

いわく、クラスの子たちは友音がこの学校からいなくなったのは結愛のせいだと思っているらしい。

勘違いも甚だしい。奴は勝手にいなくなったそれだけだ。雪村友音は同じクラスの奴らだけではなくきっと一年生のほとんどが話したことがなくても知ってるだろうことにびっくりした。

そして、雪村友音はクラスをこんな雰囲気にするやつじゃなかった。僕はクラスの雰囲気はどうでもいいけれど、やはり結愛の悪口を言われるのは我慢ならない。僕は立ち上がりうわさ話をする奴らを睨みつける。

わかりやすく肩をびくつかせる女達。


そんな中一人入ってきた男子がいた。


「うおっ何だこの雰囲気。」


こいつが入ってきただけで少し雰囲気が軟化した気がした。


「お前もあんまり人を睨みつけんなって」


笑いながら僕に話しかけてくる。

こいつは唯一の僕の男友達で、今のクラスの中心人物。去年は雪村友音ととても仲が良かった。多分男の中では一番仲が良かったと思われる。でもこいつは本当にいいやつだ。実技の時間誰も気づかなかった俺の足の怪我に気づいて保健室まで連れてってくれた。そこで友だちになってくれた。

それでもあいつは人気者だから部屋移動の時に一緒に移動することがなかなかできない。というか誘ってくれるけど、他にも大勢いるのでその中に混ざりたくなくていつも断っている。


僕は溜息を吐きながら人の塊の中に入っていく友人を見つめる。



彼の後ろ姿に今はもういない彼女の後ろ姿が重なった。


初の進視点。そして、陽介くんとの和やかないちゃつき。そしてなにより、これからの進くんにとって重要な人物になる彼の存在。


次は快視点です。長い一日もやっと終わりそう。

新しくタグにつけた異能の出番が来るかいです。


もしかしたら今日中に更新できるかも?

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