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重ねた掌2 スタート!!!♡

「西条先輩ー!一緒に帰りましょー!」


私は絵を描くのに夢中になっている西条先輩に声をかけた。外は真っ暗で、一人で歩くには危ない時間帯だ。


「ん?あぁ、真っ暗だね。ちょっと待っててかたしてくるから」


そう言って先輩は水道の方へ向かった。

さっきまで先輩が座ってた椅子に座ってみる。目の前にある作品は、やはりどこか寂しげだ。でも、前までとはなにかが違っていた。


「結愛には感謝しなきゃねぇ」


いつの間にか戻ってきたらしい先輩は感慨深そうにつぶ呟いた。


「私、何もしてませんよ?」


先輩は何故かおかしそうに笑った。


「君が僕に出会ってくれた事自体が奇跡みたいな気がしてね。君と出会ってから今まで目に止めなかった色まで僕の心に入ってきたんだ。だからね、僕は君が僕を選んでくれて、僕と出会ってくれて、僕を見つけてくれて嬉しいんだ。」


そうやって綺麗な笑顔を先輩は私に向けてくれた。

私は、顔に熱が集まっているのを感じ俯く。


「大好きだよ、結愛。」


そう言って先輩は、私の頬に優しく手を添えて上を向かせると、唇に触れるだけのキスを落とした。


ただでさえ熱かったのに余計に熱くなった顔を手で隠す。心臓も煩いくらいに鳴っている。

心臓の音、先輩に聞こえちゃわないかな…

心の中で小さく呟くと、ポンッと頭に重みを感じた。顔を上げると、そこに見えるのは私の頭に手をのせている先輩の姿。


「片付けも終わったし、もう帰ろうか」


私は、コクンと頷き先輩の横に並ぼうとした。しかし私は、ふと気がついて歩み始めた先輩を止める。そしてかばんからカメラを取り出して、さっきキスした位置をカメラに収めた。そして先輩のところに駆け寄って、えへへと笑う。


「今日のこと覚えておきたくって、忘れないように写真に収めてみました!」


先輩は、嬉しそうな顔で「そっか」とだけ言って私の頭を撫でた。

付き合い始めてから、毎日帰りに家まで送ってくれる。帰り道には基本、最近出来たお店のこと、デートで行きたい場所、最近琴線が触れたものについてを話している。

先輩は私の家につくと、私が中にはいるまで手を降って見送ってくれる。

なので私は、家の中に入る前に先輩に言うことを決意した。



「せ、先輩!!!わ、私も、先輩の事が、大好きです!!!」


大好きという言葉を特に大きい声で言って私は急いで家の中に入った。

そして、扉の前で座り込む。

うるさい心臓は全然鳴り止まなそうだった。


結愛サイド乙女ゲームスタートです。

恋愛している結愛は多分普通の子です。


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