作戦、気になるあの子に声をかけよう!
友音サイド
私がこのクラスの一員となって数時間、クラスの半分の子とはお話出来たんじゃないかなって思う。
漫画などでよくある、転校してすぐの休み時間にクラスメイトに囲まれるってやつ。あれは所詮空想の出来事だ。実際は、クラスの誰とでも喋れる子や席の近い子がチラホラ話しかけてくれるだけだ。
此処から先は私のトーク技術と運にかかっている。
そんなことを言いつつ、私のトーク技術はたかが知れている。皆がみんな楽しめるように話すことなんてできないし、話を面白くする技術も人並みだ。
私の強みがあるとすれば、それは見た目や雰囲気などで判断せず、誰にでも声をかけられるし誰とでもおしゃべりすることができることだろう。
性格からくるこの性質は前の学校でも大いに私に役立ってくれた。誰のとは言わないが主に印象操作と情報収集にだけど。
さて、私があの子に話しかけずクラスの色んな人と喋っていたのには理由がある。
1つ目、あの子の友達とうまく話すことができればあの子が入ってくるかもしれないって思ったから。
まぁこれは早い段階で裏切られた。休み時間になると即刻机に突っ伏して寝てるから。昼休みはどこかに行ってるらしいけどね。
2つ目、あの子に自然に話しかけるようにするため。~ちゃんから君のこと聞いて気になってという話しかけ方ができるようにするためだ。
しかし、これがなかなかあの子の話が出てこないあんなに可愛い子なのに。仕方無くあの子さっきから寝てるけどどんな子なのー?って聞いた。
そしたら皆嫌そうな顔してあの子の悪口を言い始める。可愛いけど雰囲気悪いとか、友達いないとか、口悪いとか、一つ上の先輩につきまとってるとか。
なるほど、道理でという感じだ。
それから私は放課後にあの子に話しかけることを決意した。
そして放課後、SHRが終わり私はあの子に話しかけようとあの子の席があるところを見たが、そこには誰も座っていなかった。
仕方無く私はクラスメイトと少し会話をして、帰るために下駄箱へ急ぐ。
早く家に帰って一眼レフ使って写真を撮りたい。
そんな所に声をかけられた。振り向いてみると、あの子がいた。あの子は私を怖い顔で睨んでる。どうしたんだろと考えていると、私にかけられた声は男の声だったのを思い出す。ゆっくり顔を上げながらあのこの隣にいる男子生徒を見ると、そこには今朝会った先輩が立っていた。
友音はつくづく友達を見る目がないと思う。
本当は、友音はどれだけハイスペックかってのを書きたかったけど、それはもう少ししてからにしようと考えなおしてとりあえず新たな親友づくりに励んでもらった感じです。