禁句
ゆるーいペースで、進めております。 短編とかも書きたいなぁ。
昼からの授業を、いつも通り外の風景を見ながら受けた。
いや、授業なんてものはこの学校に入ってからまともに受けてはいないのだが。
先程の屋上での出来事を思い返していた。
確か、袴田とかいう名前の女が、屋上を去ろうとした俺に話しかけてきた。
「竹田くんって、中学の時に全国模試で、満点取った人だよね?」
こいつは俺のタブーに触れてしまった。
俺は確かに頭脳は優秀だが、それを制御する能力には長けていない。
そして今は、俺が天才なんだということを知られないように生きている。
この袴田の一言で頭に血がのぼった俺は、頭では冷静に判断していたが、怒りを制御できなかった。
「あんた、何が言いたいんだ?」
袴田の首を片手で、軽く絞めながら問う。
袴田は恐怖の眼差しを俺に向ける。
「なぁ、何が言いたいんだよ。黙ってちゃわかんねぇだろ?」
その時、ピッキング女――もとい、山田が俺の脇腹に蹴りをいれた。
「あんた何してんの?由実を殺す気?」
無防備な状態で、脇腹をクリーンヒットされた俺は、蹴られた箇所を押さえながら、屋上から去った。昼休みに起こったことを、思い出しながら景色を眺めていると、ノートの切れ端が飛んできた。
それに気付くと、その切れ端を手に取り、迷いなくゴミ箱に放り投げる。
少しすると、またノートの切れ端が飛んできた。
不思議に思い、切れ端が飛んできた方を見ると、屋上で会った、山田がこっちを見ていた。
俺がそれに気付くと、山田は、その紙を見ろ、というジェスチャーをした。
その紙に目をやると、
「放課後に話しがある。」
と書かれていた。
しかし、字が汚い。小学生でも、もっとマシな字を書くぞ。
山田の方を向き、俺は頷いた。
多少面倒だったが、昼のことは悪いと思っていたので、さっさと謝って終わらせよう、と考えた。