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…抗いますか? 抗えませんでした

真剣な表情をする六人に対して、私が非情な決断を取れる筈も無く。

 しかも勝手に前世の私に押し付けられた賭けにもこちらは負けてしまったのだ。

 これは相手の条件を飲むしかない。

 そう、この前世の私と精霊六人との賭けはどう見ても精霊達の勝ち。

 私、関係ないと言うのも言えます。ですが、前世の私が勝手に今の私にこの精霊達を押し付けてしまったんのだ。しかも賭けまでして。だから私の言葉は意味なんて無い。

 くっそ。さすが前世の私、侮り難し。

 こうなると私は六人全員と最上級契約を結ばねばならぬ訳ですね。

 はぁ……。

 面倒だと言っている場合では無いのです。

 今か今かとそわそわとあの妙に達観した性格をお持ちの地の精霊ですらそわそわしてるのですから。

 彼等にしてみれば漸く待ちに待った契約の機会。

 何百年も探し続けて待ち望み続けた彼等。

 そんな彼等を私には無碍にする事等出来ないに等しいのです。

 そう、何と言えば良いのか、まるで道の片隅で雨の日に段ボール箱に入った子犬や子猫を見つけた時と同じ様な何とも居た堪れない雰囲気を味わっているのです。

 だって、彼等の瞳がその時のわんこやにゃんこと一緒!

 こうなると、私は駄目です。ええ。そんなわんこやにゃんこお持ち帰りして面倒見て、今では我が家に犬3匹に猫4匹いますよ…。家族が動物好きで、しかも家族が増えても全然平気な経済的余裕のある家で良かった。

 おっと、今は家の事は良いとしてっと。

 そんな訳で例え面倒事を押し付けられ、更に巻き込まれる予感を感じつつも彼等を受け入れない訳には参りませんので。

 こう言う時の後の事は後で考えると言う性格も幸いしてると言って良いかも知れません。

 今の現状だと。

 私はため息を吐き、六人の精霊に向き直った。

 彼等は未だにその場を微動だにしていなかった。


「……どうやら前世の私の残したメッセージの通り、私は賭けに負けたみたいだしね。しかし、本当に私で良いの? 私はこの世界に来てまだ一時間も経っていないと思うんだけど…。それにこっちの生活に慣れるまで時間掛かると思うよ? それでも良いの?」


 私がそう問うと即座に言葉を返して来たのは何と火の精霊だった。


「最初にも言ったろ。お前は俺達のマスターだ。誰が何と言おうとな。それに心配すんなって。こっちでの生活の保障もばっちりだし、教育もばっちり施せるぜ」

「ええ、貴方は殊更特殊な存在の為、我が精霊の里にて暫くお過ごし頂き、そこで人間達の世界の知識は勿論、身の安全の保障もさせて頂きますから、安心して下さい」

「はっ?! 精霊の里?!!」


 いきなりですが…。

 精霊に里なんてあんのーーーー?!


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