前世の私の言葉
そして始まる前世の私からのメッセージ。
私は素直にそれを読むしか無いですよ。それしか無いのですから。
《これを読んだ、生まれ変わった私、あいつ等に見付かったちゃったのねー。残念だけど、生まれ変わった私はこの世界とは違う世界の生まれでしょう? 大事な事なので先に言って置きます。
多分、私を必死に探して、この本を触媒に私を見つけたと思うの。すっごい執念よね。面倒ったらありゃしない。生まれ変わった私がどんな性格なるか分からないけど、私は一つの事を思いついたの。
この今、手にしている本は奴等との契約書本と言っても差し支えないわ。んで、今生きている私は本が嫌いなの。読むのってすっごい面倒だからさー。きっと生まれ変わっても本嫌いになる様な気がするんだー》
…前世の私様、性格違います。私は本が好きです。禁書? ナニそれ! 是非読みたいよ! ってな程に読書をこよなく愛しています。
察するに嫌な予感が当たるんですね。これ。
《んで、この本だけど、絶対に近くに姿を見せると思うの。けど、本でしょ? 外見は? 古くしょぼい風に見せ掛けの術を込めて置くから、絶対に見られる心配ないであろう措置も取りました。
埃被った本を読むのはよっぽどの読書マニアだと思うの。
なので、きっと貴方が触れる機会は殆ど無いと思われるわ。
本と距離を置ける生活している分には何の問題も無く、寧ろ、平穏無事に過ごせると思うの。
けどね。もし、この本を読んじゃった生まれ変わった私はご愁傷様ですが、これかから平穏無事とは程遠い言葉になる程の出来事に何度も遭遇する事になると思います。
まあ、見つけちゃった物は仕方ないよねー。運が無いと思って諦めてね。この契約書本は貴方が肌身離さず持ってる事をお薦めするわ。
奴等を操作する為に色々仕込んでおいたから。
そんな訳で、後は本の中身を見ながら精霊達の相手を宜しくね♪ 面倒…げふっ…根は良い奴ばっかりだと思うから、今の貴方の力にもなってくれるわ。
この世界ではやっぱり力が物を言う世界だもの。
奴等を手なづけて、良いように雨と鞭のさじ加減を間違えない様にすれば暴走もしない筈…だから
頑張ってね
by前世の私より》
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面倒事にばっちり巻き込まれる事しか書いてねぇえええええ!
そしてやっぱり、丸投げ、丸投げなの?!!
しかも面倒とか途中で言葉濁しているけど、明らかに面倒な奴等って書こうとしているのが分かる。
ちょっと、前世の私さーん。
幾ら面倒だからって生まれ変わりの私にそんな面倒な事押し付けないで。
しかも本題好きだから、ばっちり、しっかり取っちゃってるからね!!
めっさ性格違うのですが!
いや、面倒事は避けたいと言う部分は一致しておりますよ?
ですが、これは無い。無いって言ったら無い。
前世の私からの励ましにもならない応援を頂いて私の今後を思いやると何だかとてつもなく面倒事に巻き込まれる事が決定した未来しか浮かばないのですが。
そうですか。
ははははははは。
前世の私さん、もうちょっとしっかりと対策考えて下さいよ。
等と本を見てがっくりと項垂れていたら、精霊達六人による暴走も納まった様で、水の精霊がさっと私の前に膝ま付くと真剣な表情で私を見やった。
それは他の五人の精霊も一緒だった。
「ご主人様、賭けは我々の勝ちです。ですので本契約をお願い致します。私の忠誠は過去から現在、そして未来に至るまで全てを貴方に捧げます」
う…っ。
真剣な表情でそう言われると何だか断り辛くなるじゃないのよおおおおお。