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個性豊かにも程がある

 非現実的な事だが、確かに目の前に存在しているので見なかった事に出来ないのが惜しい!

 体が少々透けてると思ったが、きっちりとした形で現れてるから幽霊いやーーー! っと言って逃げる事も出来ないじゃないのおおおお。

 暫し、そんな状態でいても水の精霊は微笑を称えて此方を見て来ます。

 見つめられてます。

 じーーーーっと。

 ………。

 そんな風に二人で膠着状態に陥って居たが、横から思わぬ伏兵が飛び出した。

 更に水の精霊と名乗った青年を突き飛ばし、はいはいはい! っと元気良くテンション高く自己紹介してくれる輩がいた。見た目は青年で、此方はどちらかと言うとちゃらい感じ。けど、真っ赤な髪と目をしていいる所から何となく想像は付く。彼は火の精霊だ。しかもこの感じだと彼もまたしても大精霊。


「俺は火の精霊! よろしくな! マスター!」


 そう言って火の精霊はぶんぶんと私の手を上下に思いっきり振って下さる。

 空気読んでるのか読んで無いのか分からないです。

 何やら吹き飛ばされた方角から冷気の様な気配を感じなくも無いですが、気にしたら負けだと思います。

 うん。

 ずいぶん砕けた火の精霊ですね。私の世界の火の精霊はもっと威厳ある精霊で精霊達の纏め役的存在だった筈。なのに彼からは威厳所か何処か可愛そう…いや残念系と言う言葉が浮かんで来た。

 何だか視線が哀れみの篭った感じになってしまっても仕方が無い。

 けれど彼は笑顔のままで首を傾げるのみ。

 くっ。

 やっぱり空気の読めない子なのね…。


「まったく、火の精霊は落ち着き無いものよの」

「本当だわ」


 そして新たなる精霊様の登場である。

 一人は言葉にそぐわない容姿…様は少年の姿をしているが、何処か理知的で凛とした佇まいをしていた。

 そしてもう一人はオネェ言葉に相応しい格好と美貌。

 おおう、光り輝いてるよこのオネェ。


「ワシは地の精霊。宜しく頼む、主殿」

「私は光の精霊よー。よろしくね、マ・ス・ター♪」

 

 ……地の精霊は何となく想像出来ました。

 しかし、光の精霊は一体何処でどう言った道に踏み込んだのでしょう。

 見事なオネェ系にになってる。

 ぽかーんとは正にこの事ですよ…。

 オネェの光の精霊って斬新過ぎるぞ…。

 そんなオネェ精霊に目を丸くしていると最後のお二人がさっさと自己紹介しました。


「我は闇…。マスター…頼む…」

「僕は風の精霊、宜しく頼むよ、マスター」


 全身黒ずくめ、それでいて言葉を発するのが苦手なのか闇の精霊が片言で喋る。

 前髪が目元まであって一見、根暗に見えるけど、隙間から見えるそのお顔はやっぱり美形。

 感情を出すのも苦手と言った感じです。

 で、最後に風の精霊。

 一見、火の精霊に性格似てるなーと思ったけど、そうでも無いみたい。

 どっちかと言うと頭脳派…更に言えばきっと何だかお腹が真っ黒っぽい様に見えますうん。


 こうして六人の精霊の自己紹介が私の目の前でなされました。

 さくっと容姿や性格を現すとこんな感じ。


 水の精霊、何だかかんだでこの精霊達の纏め役っぽい。冷たい美貌に、薄水色の髪を真ん中分けにしている。瞳は氷の様な印象を受ける程鋭利だけど、私を見る彼の目は何処と無く陶酔して居るご様子。何故だ。

 火の精霊はお馬鹿で能天気、脳筋族っぽい。そして空気の読めない可愛そうな子。紅の瞳に紅の髪、一見、不良の様に見えますが、これでもまた美形で、話すとその恐い雰囲気は一転してめちゃくちゃフレンドリーと言った感じ。きっと嘘とかついても直ぐに見抜けそうな感じです。

 地の精霊は外見は小学生高学年かもしくは中学1年生位の年齢に見える。

 けど、精神年齢、一番この面子の中で高いものだと見ました。だって、他のメンバーのやり取りを目を細めて何処か遠い所を見る様にしているし、呆れた様子も伺える。

 闇の精霊は青年位だ。けど、ストレートロングの黒い髪の毛に前髪が目元まで覆っている。

 それでも美形オーラが隠せてないご様子です。近くで見た瞳の色もこれまた黒曜石を思わせる色で、いかにも闇!って感じですね。はい。

 光の精霊も青年位。しかし言葉遣いや衣装はどう見てもオネェ系そのものです。しかも女性物を身に纏っていてもとっても良くお似合いです。顔も立ちは普通にしてたら美青年の筈なのにね。化粧も施し、すっかりオネェです。また似合っているのが何と言うか、規格外な精霊様です。

 風の精霊は穏やかな風貌をした美青年です。ですが、こう言う人程警戒しないと行けない!と思わせる要素をお持ちなのです。はい。絶対にお腹真っ黒ですよ。何でそう思うかって? いや、何か隠しきれて無い腹黒いオーラが…ね?

 でも突っ込みません。此処で突っ込んだら負けだと思うの。うん。


 そんな風に六人の分析を脳内で行っていると、水の精霊を筆頭に私の目のまで膝ま付いた。

「此度の来臨、この数千年お待ち申し上げおりました。貴方様がまさか異世界にいらっしゃるとは知らず、見つけ出すのに時間が掛かってしまいました」


 …はい?


「我等六人にとって貴方様は掛け替えの無い唯一無二なる存在。故にこちらの世界に及びたてさせて頂きました」


 ……召還する側がする筈の者に召還されるって…どうしてこうなった…!!


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