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諦めは早々にするものです

 前世の私と彼等の賭けの内容を聞き、先手を打たれた感じで婚約の成立……。

 どう考えても後の事は後の自分に任せた! とばかりにやっぱり素敵に面倒を放り投げたとしか言えませんね。ええ。

 私の意志が存在してませんが、そんな事気にしちゃいられない状況の様です。

 それにしても乙女ゲームやってる夢見る乙女達がこんな現実受け入れられるかしら?

 無理だろうなぁ…。

 あれ、所詮は夢の夢。

 精霊達がそれこそ多種多様の美形と強さ、それに惹かれる個性を持っていても現実はとっても残酷なのです。

 だってあれだよ? 乙女ゲームの場合は自分から好みのキャラを選んで、相手を攻略して行くただ簡単なお仕事です。しかも目指せばハーレムエンドも迎えられる。

 その過程にどきどき(笑)の恋愛的イベントとか三つ巴とかイベント満載じゃないですか。

 しかもそれが全て自分を巡って起こる出来事なのです。

 現実に起こりえないからこその楽しみですよね。声フェチの人達にも夢を提供していたのが乙女ゲームです。

 それが、現実に強い精霊達、そしてみんな無駄に美形に素敵な声をお持ちの素晴らしい方々目の前にいます。

 乙女ゲームだったらファンは喜ぶでしょう。

 でもこれはまじリアル、現実ですから。

 此方からは何の行動も起こさず、起こしたと言えば私の場合は本を見つけ出す位の、プロローグしかプレイして無い状況です。起こしたとしたら前世の私になるかもですね。

 が、彼等の話を聞く限り、夢は見ないで、現実思考。しかも自分のしたい事だけをする、自由奔放な人。

 そんな彼女がフラグ乱立する様な事してないと私は思います。だって、付き纏う精霊達と攻防を繰り広げて、かわしていたくらいですから。

 ですが、フラグと言うのは常日頃から地雷の様に埋まっているので些細な行動からそれが立つ事もありますね。

 もしかしたら前世の私は無意識にそのフラグ立てたのかも知れません。どう見たって精霊達、外見とか性格とか丸無視で魂そのものに執着してるもの。

 精霊様に容姿は関係無いのは分かりますね。

 精霊の存在自体が魂のみ見たいな感じですから。

 けど、私の目の前には実態を持っているのですがね。それすらも彼等には些細な事の様です。理の違いと異世界での認識違いって凄いね。

 だって外見はお子様のディルや、オネェのアーデルでさえ私との契約を結んだのです。

 ね? 惚れる要素が魂のみ! ってどうなんだろうね。

 それに私は恋愛も色々とステップすっ飛ばし、挙句に前世の私に丸投げされた状況で何時の間にか婚約成立。

 相手の性格がまだ今一掴めてない状況での婚約成立って…。

 それが一気に六人も。

 元の世界だったら有り得ないですよ。ええ。

 これ、この世界がファンタジーで王国やら王族等居た場合は政略結婚と同じですね。

 王族の女王様バージョンですね。これ。

 最も私は国なんぞ治めていませんが。

 私の場合、国や親同士が勝手に決めたのでは無く、前世の私と目の前の精霊達が賭け事したその結果ですが。

 もっと言うなれば面倒事を前世の私に押し付けられて、その婚約と言う役目のお鉢が回って来たとも言えます。

 さくっと婚約成立の証が右手に刻まれてますもの。

 全く持って乙女ゲームのシナリオすらすっ飛ばした正に素晴らしい現状です。

 しかも、既に契約成立しているので逃亡不可。

 そもそも元の世界に戻れるのかしら?

 と、そこで気付きました。

 私、元の世界にもう戻れないのですかね?


「あー…。話は大体分かった。私から一つ質問して良い?」

「何ですか?」

「私、もう元の世界に戻れない?」

「何を仰います。元々貴方はこの世界の人間だったのです。その魂が普通なら別次元の世界に行く事すら稀なのです。その魂の故郷である此処に戻って来たのですから、戻れる事もありません」


 ………予想通りですね。

 どう考えても地球でのトリップを題材にしたラノベと一緒の回答を有難う、ヴィル。

元の世界にはもう戻れないですか、そうですか…。

 次の生でも人間に生まれ変わると言う禁術を使った前世の私。

 もしかしたら前世の私は一応考えてもしかしたら更に私の魂が見付かり難い様に別次元に飛ばすと言う手法も取り入れてくれた可能性もありますね。

 ま、結局は賭けの契約と精霊達の執念とも言えるべき本の存在により、私は捕獲されてしまったのですが。

 はぁ…。

 仕方がありません。郷に入っては郷に従えを実行するしかありません。

 …素敵な言葉を有難う、昔にこの言葉を考えた人。

 私はこの世界で生き残るしか無いようです。その言葉を胸に秘めてこれからは生きて行こうと思います。

 さようなら文明社会。

 こんにちはまだ見ぬファンタジーの世界。

 願わくば、お風呂とか身を清潔に出来る位の衛生管理とか食事がまともである事を期待するだけです。

 え? 諦めるの早すぎる?

 だって、仕方ないじゃ無いですか。

 戻れないけど、生きて行かねばならぬのですから。

 家族? きっと同じ状況になったら強く逞しく過ごす事でしょうね。私の家と言うか一族は基本、自分の事は自分で。

 成人したら己の行動の責任は己で取るべしですし。

 きっと私が突如行方不明になっても1日かそこらで悲しみは治まり、何処かで元気にやっていると勝手に解釈して、今後も素晴らしく元通りの生活に移ってくれる事でしょう。

 何とも逞しい一族に生まれた私です。

 この辺は感謝せねばなりませんね。

 憂いがある状態であったならばきっと死に物狂いで元の世界に戻る方法を必死に探すと思いますので。

 他人から見たら薄情な一族かも知れませんが、全員同じ様な性格の集まりなので世間がどう思うと関係無いですね。はい。

 それに、何もしないで死ぬなんて真っ平御免ですね!

 それだけじゃ無い。此処は異世界なのです!

 と、言う事は未だ嘗て読んだ事の無い本が沢山って事じゃないですか!

 お宝の山が沢山って事ですよ!!

 それだけで私は逞しく生きて行ける気がします。

 目標って大事ですよね。

 婚約やら何やらはその内話が進むでしょう。

 だったら前向きに私の趣味に全力で走って行きたいと思います。

 あれ、私も我が道を行くタイプですね。

 前世の性格が此処で発揮されていると言う事ですね。

 この性格を生かして生きて行ければ御の字です。

 あ、その前に此処での生活とかに慣れなければなりませんね。

 そんな苦行もご褒美が存在する時点で、私にとっては障害にはなりません!

 その辺りはきっと執念の塊で持って私を見つけ出して下さった精霊達が教えてくれるでしょうから。

 心配は無用ですね。

 寧ろ本の為に頑張ります!

既に600以上にユニーク突破。PVも2000以上突破と何とも有難い状況です。引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。

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