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戦闘狂はVRMMOゲーマーでした

作者: 嵩城

 おっすオラ、大和。

 今からゲームすっぞ。


 とかやってたらログアウト不能デスゲームになっちまった。ほぇー、おっそろしいな。

 でも俺頭良いから大丈夫だ。


―――――


【ゲーム説明】


「ラッシュ・バトル・オンライン」


 ファンタジー世界をイメージしたスキル、魔法を駆使して戦うゲームで、始まった直後にログアウト不能デスゲームになるというチュートリアルというお茶目な仕様の新感覚アクションゲーム。


―――――


 別に騙した訳じゃないだろ?

 一回切りのチュートリアルで、開始して20分はログアウト不能になったこのゲーム。


 や、もうマジでカオスだった。


 まず、ゲーマーが狂喜した。うん、わかる。そりゃ、デスゲームなら英雄になれるから、ね。

 ヒロイック・サーガの様なことを現実で体感できると喜んだゲーヲタ達はみんなが次の街に行って、レベルが高いモンスターを一網打尽。逆に、始まりの街の周りにはモンスターがうようよ徘徊しだして、運営が意地悪くそこにボスモンスターを出しおったのだ。


 で、10人以上が挑んで一気に死んで、ネタばらし。

 本来怒るべきところだが、まあ、みんな割りと楽しんでたからいっかってなる。


 じゃ、そろそろ俺の話をしようか。


―――――


「青山大和」


 ゲーマー。効率重視の戦い方、大好きだぜ!


―――――


 あんま語れることはないかな。自分のことを語るのは少し照れくさい。

 小説って訳でもないし、誰かに脳内を見られてるなんてそれこそ小説みたいな話は一切無いけど、妄想をして我に返ると急に恥ずかしくなるじゃん?


「あ、じゃあこの後小説でも書くかな?VR日記みたいなの」


 ん、でもどうしよう。胸の熱い展開に持って行くにはバトルが一番てことで、件のボスのとこに行こうと思います。って口調を丁寧にしてみたり。


 はい、じゃここカット。


*****


 着きました。ええ、すでにやってる人いたよ。物好きだね。俺もだけど。

 普通にすごい人だった。全部あれプレイヤースキルだよ、多分。


 移動はすり足、攻撃は袈裟斬り、防御は受け流し。


 見た感じはこんなの。うわ~すっごい楽しそうに戦ってる。バトルジャンキーだあれ。

 で、見事ボス倒しました。

 よし、じゃあ初大戦はボスやめてあの人にしよう。


 その辺の石を最初からある投擲スキルで投げつける。


 しかしさすがは高プレイヤースキルの持ち主。避けました。すり足で。


「なんだお前は?」


 奴はこっちを警戒して眉間にシワを寄せて聞いてきた。

 ここでビビったら男がすたる。


「俺は、海賊とかハーレムとかの王になる男だ!」

「は?」


 ドン引きされると思ってなかった。でも警戒は少しなくなったかも。


「ゲーマー王に、俺はなる!」

「……ああ」


 はい、相手は警戒を解いて痛い子を見るような視線になりました。

 すかさず、挑戦状を叩きつける。


「勝負だ!」

「……ん」


 微妙な納得をして挑戦を受けた。……よし!


「はんざいしゃだー!」

「……え?」

「知らないのか?法律では決闘を送るのを禁止していて、受けるのも禁止してるんだぞ?」

「その理屈だと」

「俺はいいんだよ」

「なんでだよ?」

「それは、えっと……わかれよな!」

「思いつかなかったのかよ」

「しゃあないだろ、即得できるわけないから、あんな質問とかないわ、空気読めよ~」

「う……うぜえ」

「じゃあ冗談は置いてあんた弱いな」

「冗談かよ……て、あ?なんつった今」

「あんた弱いって言ったんだよ。なにあの戦い方、馬鹿なの?」

「喧嘩、売ってるんだよな?」

「分からなかったのか?まあ馬鹿だからな」

「……いいだろう、乗ってやる。あと名前名乗れ」


 青筋を顔に浮かべた奴はすでに怒り心頭のようで、眉間のしわは最初よりも深く刻み込まれていた。


「ヤマトだ」

「ヤマトか、覚えたぜ。俺はタロウだ」

「知ってるよ」

「……ほう、名前まで調べてたのか。こりゃ、必然だったってことかな」


 納得したように頷く。

 ここで読者の皆様にネタバレ。

 オンラインゲームとかで名前って、頭の上に出るよね。

 ローマ字だから気づいてないわ、こいつ。


「俺も名前が売れたみたいだな、お前みたいな挑戦者が来るようになるとは」

「ああ、多分誰に聞いてもお前の名前を知らない奴は居ないだろうよ」

「ふっ、まあな」


 アホだこいつ。やべえ、ちょっと前まで怒ってたのにちょっと言ったらすぐ機嫌直して嬉しそうにしてる。……ちょっと可愛いかなって思ったけど、男だし、野武士面だからな……。


「話は終わりだ、すぐにペナルティ食らわせてやるよ」

「そのセリフ、そっくりそのまま返してもらうよ」

「……あとで(対義語)プライズ(対義語)食わされて(対義語)やらないよ(対義語)?」

「お前はなにを言ってるんだ?」

「や、返して貰いたいっていうから」

「ッチ!早く始めるぞ」


 じゃ、先頭シーンまでタロウ(笑)で遊んでたのはカットしまーす。


*****


 pvp専用のフィールドに自動転移したところで、カウントダウンによる始まりを予兆する音が鳴り響く。最初のpvpと言うことで珍しがってきた人たちが観戦席に立ち並ぶところ、ここで負けるわけにはいかないとあいつも思ったようだ。


 緊張をほぐす心の準備をしてる間に、カウントダウンは削られていく。


 5秒前、タロウは構える。目は俺を見据え、ギンギンに血走らせていた。


 4秒前、俺も構える。視線を合わせて、距離をとる。


 相手の背は大きい。現実でも同じ体格の持ち主だろう。ステータスは体格によって変わるこの世界。魔法はまた違うところでステータスが決まるが、この世界ではデカイ方が強く遅く、小さいほうが弱く早くというところだ。そして俺の背は、◯学生にしては高いが、大人に比べれば低くなる。平日の昼間からゲームやってる俺だが、学校は嫌いだからしょうがない。


 説明乙、そんなこと考えてる間に始まってるだろうとか文句つける奴。これ一応小説だから。小説だから。小説だから!大事なことは3回言っても許されるんだよ。


 武器も今の内に言っておこう。タロウは曲剣、俺は槍。以上。


 3秒前、走りだして相手との距離を詰める。


 2秒前、さすがにそんなことすると思わなかったのか、少しタロウが同様しだすが、後ろに引いて受け流しを準備する。


 1秒前、槍を上段から一気に振り下ろし、攻撃判定が入らずすりぬける。(勿論、武器ごと)


「プァーーーーー!」


 ザクッ!


「ぐっ!?」


 攻撃判定が入って少しの間硬直する。引きぬいて初動モーションからの初期スキル、スピアで突き、再び僅かに硬直。ここで、周りに耳を傾けてみよう。


「間合いに入ってるぞ、あいつ素人だな。スキル硬直で動けなくなって死ぬぞ」


 これが今まで他の小説で考えられていたスキルの弱点。

 残念ながら、少年、その考えではこれから先、生きていけないぜ。

 VRになって、他のゲームの戦闘と違うことはキーか体感か、ということのみだ。


 ボタンを押せばスキルが発動するキーと、初動モーションに体を合わせる体感操作では勝手が違う。故に、現代VRMMOではスキル=発動後硬直してしまう代わりに高い攻撃力を持つ、となってしまうわけだ。なのでpvpで槍スキルで間合いに入るのは自殺と変わらず、普通は間合いを生かして現実のように隙を無くして戦うほか無い。今、周りは完全に俺の敗北を予測した。


 が、考えて欲しい。VRこそリアルな戦闘に強力なスキルでトドメという戦い方が主流になっているが、俺はここにいるみんなに伝えたい。オンラインゲームのスキルはそんな不便なものじゃない。


 スピアを放ってすぐに違うスキルの初動モーションに入る。バッドのように振りかぶって思いっきり打ち付ける単発槍打撃技、横薙ぎを目の前で驚愕を顔に浮かべる侍もどきに食らわせる。2lvの(ボスを倒したからかな>)もともと少ないHPがグン、と減り初期スキルのクールタイムが終わらず、硬直すると考えた人達に見せる。体感型ゲームだからこその特殊攻撃がメインに変わる瞬間を。


「っら!」


 硬直する直前に初動モーションにかけた足を前に出し、鳩尾に足が埋め込まれる。


「ぱっぱかぱーん!」


 勝利のファンファーレが鳴り響いた。


「てめえチート使いやがったな!」


「違う!これが、オンラインゲームの戦い方!スキルコンボだ!!」


 以上。

 や、まあゲームって爽快感大事じゃないですか?


 スキルをバーン!って出して、魔法もバーンって出して。


 つなげてコンボ発生って、種族とかあるなら作るべきだと思うんですよ。


 自由度の高いゲーム小説がおおいからあえて、この世界は現実の様に体感できるがゲームだから!みたいなw


 だって、素人がスキル無しに通常攻撃で戦えるわけ無いじゃん、武器落として終わりじゃん


 などと考えております、ごめんなさい!

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― 新着の感想 ―
[一言] 楽しく読ませていただきました。簡潔でテンポのいい会話が自分好みで読みやすかったです。
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