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CRISIS  作者: 54
免罪符
42/63

41、Destiny

「おっす」


 不意に、後ろから声が聞こえる。


「なんだ、お前達か」


「お前もこんな暗い所でよく生きてられるなあ。俺達は無理だぜ」


「それはそうと、【絶命】、【無情】、このゲームは本当に面白いぞ」


「ちっ、お前の趣味はいまいち理解できねえ。たかが復讐のためにここまでするなんてよ」


「殺し合いをさせてからこそ復讐の意味があるのだ。お前らはそうと思わないのか」


「思わないな。全く。お前もプレイヤーの中に混じっていたんだって?なかなか勇気のあるヤツだな。で、今はなんだい?休み時間ってか?」


「ああ」


 俺の部下である【絶命】と【無情】は、ゲームに参加してはいないが、コードネームが与えられている。


「お前らも見ていたらどうだ?」


「こんな暗いところで見れるかい」


 こいつらはゲームに興味が無さそうだ。それなのに手伝いはしてくれる。


「もうすぐで一人死ぬところなんだよ」


「へえ。凶暴なプレイヤーもいるわけかい?」


「ああ。生き残るためでなく、単に楽しみたいという理由だけでな」


「お前と似ているような気がするのは間違いではないな」


「そんなことはない。俺は復讐がしたい。楽しむためだけにしていることではないんだ」


 時間と空間を操れる装置の使い方は、この二人に教えてはいない。だから、ここにおいておいても危険ではない。


「お前もよく、黒幕なんかやってられるもんだな」


「簡単なことだよ。全てを謎にすればいい。何かあったら空間の移動でここに逃げられるし」


「へえ。面白いヤツだ」


 管理室のコンピューターの画面には、【双旋風】と【常闇】のいる部屋の様子が映し出されている。


「ほら、もうちょっとでこいつが死ぬ」


 俺は、画面に映っているプレイヤーを指差しながら言った。


「そうかいそうかい。俺はそういうのはあまり好きじゃないんでね。ここらへんで退場するよ」


「俺も」


 二人は部屋から去っていった。俺は扉のロックをかけ、再び目線をコンピューターの画面に戻す。


「もう死ぬ」


 呟いた。



 ********



 危険な状況だ。


「ここまでか。残念だ。お前ならもう少し生き延びられると思っていたのだがな、【双旋風】」


 抜け出せない。抜け出すことができない。


「それでは」


 どうにかしてこの状況を打破したい。が、武器を取り出して戦うには遅すぎるし、特殊能力も使えない。プレイヤーの位置関係によるものだ。


「死ねッ!!」


 目の前に何かが迫ってきた。俺の脳が判断できたものは、そこまで。


 最後に何か聞こえるのだけは、わかった。が、うまく聞き取れない。


 ああ。ここで、死ぬ。死ぬのか。ここで。これで、終わりか。さようなら。さようなら、【常闇】。お前に武器を向けられなかったのが残念だったよ。


 意識はそこで途絶えた。



 ********



 【双旋風】が死んだ。【常闇】の銃撃を頭部に受けた。部屋には【双旋風】が倒れていて、そこに小さな血だまりができている。


 【双旋風】は、あの部屋で【不明】に会わなければ、生きていられただろう。あそこで武器をしまったのが運の尽きだった。運の尽きというより、完全なる運命だといえる。これは運命だ。


 アイツなら生き延びれると思っていたんだが、残念だ。特殊能力がダメだったか。もう少し使えるものにすれば良かったのか?でもそれだと最強だな。やっぱりあの特殊能力でよかったと思う。突風を起こす能力で。


 【常闇】の能力を「姿を消せる」にしなくて良かった。あいつが姿を消してプレイヤーを虐殺することになるからな。結果が解っちゃつまらない。まあ、結局は生き残ったプレイヤーは俺が殺すんだけどね。


 【常闇】の動きが気になる。【双旋風】の免罪符を取らずに部屋を出た。急がなければいけないことか?


 あっ、部屋に誰か入って来た。【割符】か。免罪符を持っていないプレイヤーか。【割符】が、少し驚いた後、【双旋風】の免罪符を探す。見つけられた。あ、こいつ自分のものにしやがったな。最低な野郎だ。【常闇】と半分同属性だな。まあ、俺の方が【常闇】なんかよりも46億倍くらいは悪人だけどね。え?46億って何の数字かって?そんなことどうでもいいだろ。仕方ねえな。教えてやるよ。太陽の年齢だよ。別に話とは関係ない。思いついた数字を言ってみただけさ。


 【割符】が部屋を出る。免罪符を手に入れたから用がなくなったのか。


 さて、これでこのゲームでの死亡者は三人だ。生き残れる最大の数になるには、あと一人死ななければならない。それが誰か?誰だろうね。


 これからどういう風にゲームが展開するか、更に楽しみになってきたぞ。今までこんな面白いことをしていなかった。退屈な日常に、忙しい非日常が来た。すごく興奮してきたぞ。


 それで、免罪符を持っているプレイヤーの確認だ。まずは【常闇】。アイツはふたつ、あれ?なぜだ?ひとつしか持っていない。免罪符には探知機がつけられていて、持っているプレイヤーの位置を確認できる。が、【常闇】の場所にある免罪符は、ひとつだけ。なぜだ?落としたか?あいつはそういう人間だったか?まあいい。落としたということで問題はないだろう。


 次に、【割符】か。さっき【双旋風】から手に入れたものだな。


 あとは、【黒雲】か。


 【不明】も持っている。【刹那】と【名無】もだ。持っていないのは、【文殊】だけか。コイツがこれからどうなるんだろうな。


 ゲームも終盤か。

【双旋風】、呆気なく死亡。もう少し頑張って欲しかった。by黒幕


この前からずっと終盤終盤うるさい黒幕さんでした。

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