3、【双旋風】③ 脱出
脱出成功なるか?
① 見事脱出できた!これで帰れるぞ。
② 失敗した。くそーこんなところで死ぬなんて。くやしぐふっ。
俺は、キッチンタイマーを五分に設定し、開始の合図と共にスタートを押す。
どうすればいいのか全くわからないため、まずは壁を調べてみる事にした。壁は三つとも、押しても引いても叩いてもびくともしない。それに、壁の前にはガラスが張ってある。そんな必要は無いはずだが…。
制限時間が残り半分を切った頃、ナイフが一本落ちてきた。多分、誤作動か何かだろう。そのナイフが石に落ちた時、光のようなものがとんだ。
「そうか。そういうことだったんだな」
俺は確信した。この方法であれば脱出できる、と。
俺はおもむろに包丁を取り出すや否や、それを思いっきり床にある石に叩き付けた。そこで発生したのは間違いなく、火だ。火のついた石を思いっきり俺は真ん中の銀色の壁に投げつける。するとガラスは割れ、壁から激しい炎が上がった。壁は燃え、融けていく。だが、全部融け切って冷めるまでの時間がない。どうしたものか。そこで俺が目をつけたのは――
「水、か」
思いっきり水を融けかかっている壁にぶちまける。すると壁は蒸気を放ち、そして爆発。そしてもう少し水をかけて冷やした。
道がある。行こう。と思った瞬間、タイマーが鳴った。時間切れだ。天井からナイフが降り注ぐ。
「あッ」
俺は五個くらいの石をつかみ、目の前に迫っているナイフに投げつける。ひとつ当たり、俺は無事だったのだが、袋の中に残りの石が入ったため中がぐちゃぐちゃになった。
間一髪、抜け出す事ができた。しかし、その先で俺を待ち受けていたものは――
階段だった。どうやら此処は地下ニ十階だったようで、上の十九階を飛ばして十八階に続いていた。その上も続いていて、地下十六階までは行ける。俺は再び十八階に引き返し、その中にある部屋で誰かの声が聞こえるのを待った。
答えは①,②のどちらでもありませんでした。残念。
因みにこの後、ある人物も同じようなゲームをしたそうです。結果がまったく同じ。石も入りました。