34、黒い焔
ここからは悪夢だ。
牢獄の管理室で、俺は機械の操作をしている。が、―――
次のゲームは間違いなく悪夢になる。最悪だ、と誰もが思うだろう。だがな、本当の悪夢はまだ始まっていない。現実的鬼遊戯で死んだ【殲滅】はともかく、夕闇の死刑台で負けた【衛星】と【神速】は、まだ幸せなほうだ。一瞬のうちに死ねる。それはどういうことか?苦しまずに死ねるっていう事だよ。これからは、そうはいかねえ。プレイヤー全員入り乱れてのバトルロイヤル。誰が誰を殺すか、誰がこのゲームを攪乱させるか、誰がどんな状況で死ぬか。全てがプレイヤー達の手によって決まる。
俺は死んではいけない。俺が死ねば、次のゲームができなくなるからな。プレイヤー達もここから出られなくなるだろう。まあ、最初から出す気なんて毛頭ないけどな。
この前も言ったような気もするが、俺の死ぬ状況や死に方はもう決まっている。後は実行するだけだ。簡単なものでいい。プレイヤー達にばれなければいいのだから。
だが、【割符】は俺のことを知っているような様子だ。できれば早く殺してしまいたいな。【衛星】との会話も意味深だった。何にしろ、危険なことに発展するようなタネは潰してしまいたい。といっても、このゲーム自体が危険なのだがな。
あと、【逆風】も同じように俺のことを知っていそうだ。プレイヤーどもはあまり【逆風】を見ていないため、どのような様子かは説明されていないが、俺が見ている限りは危険だ。
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ゲームの舞台の管理は終わった。全て機械に任せているため、余計な手間が省ける。俺も、この世界に来てから大分慣れたからね。機械の操作方法とかも全部知っている。
さて、後はプレイヤーを転送するだけだ。今回のゲームの舞台は地下四階だ。ここは昔、普通の牢獄だったらしく、いくつかの部屋と鉄格子がある。俺はその鉄格子を取り外して扉をつけ、各部屋に照明とカメラを取り付けた。勿論廊下にも照明とカメラを取り付けた。そうでないとゲームが終わった後に楽しむことができない。
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プレイヤー十人の転送が終わった。牢獄の地下四階の中の適当な部屋にバラバラに転送しておいた。そろそろ俺も準備するか。準備と行っても、何処かの部屋で寝ているだけでいい。
これで始められるよ。最初に言ったが、これは悪夢の最初の部分だ。本当の殺人ゲームはこれからだ。楽しんでくれよ、プレイヤー諸君。
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黒い焔は牢獄内に広まってゆく。さて、このあと十人のプレイヤーたちは燃え上がるのか、消えるのか。運命のサイコロは何度でも転がされる。




