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CRISIS  作者: 54
夕闇の死刑台
34/63

33、Satellite

「よく見ろ、お前の手元を」


 拙者の、手元。



―――[まずは状況説明]――――――――――


 殺人ゲーム、≪夕闇の死刑台≫の参加プレイヤーである将軍様、拙者、【神速】は、回るルーレットを止め、止まったところの数字によって勝者を決めるのであるが、一回目、拙者に回って来てしまい、将軍様を殺すか【神速】を殺すかの決断を迫られていたのであった。結局【神速】を殺した拙者なのだが、不運にも二回目にも拙者の数字に止まってしまい、将軍様を殺さなければいけなくなるという、まさに絶望の真っ只中に置かれた拙者なのであった。


―――――――――――――――――――――



 手元には【割符】、【衛星】と書かれたボタン。【神速】と書かれているボタンは、さっき押したため、押すことが出来ない。このまま、将軍様を殺す事になってしまうのか。拙者が困っていた時に、“ヤツ”がかけてきた救いの言葉。


―――“よく見ろ、お前の手元を”―――


 拙者はもう一度、手元を見る。そこで、拙者は気付く。この台に隠された、普通ならしないようなこと。それは――――――


「拙者は、




















自分自身を殺す」


―――自分を殺すこと。


「【衛星】、お前は今、自分の名前が書いてあるボタンを押した。間違いないな?」


「ああ。間違いない」


 将軍様が驚愕している。それもそうだ。普通の人間なら絶対にしないようなことを、拙者はしたのだから。


「【衛星】」


「何だ?」


「最後に、言い残すことは?」


「そんなこと、【神速】の時に聞いたか?」


「いや」


 どうやら“ヤツ”は面白がって訊いているようだ。死への恐怖を曝け出した【神速】でなく、どうして死ぬ覚悟が出来ていた拙者に訊くのか、よく解らなかった。


 そこへ、将軍様の声。


「【衛星】!!!何故、何故ワシを殺さなかった!!!!ワシを殺せばおぬしは生き残れるというのに!!!まだ、まだ間に合う!!選びなおせ!!これは命令じゃ!!自分の命を大切にしろ!!!」


「将軍様、済みませんが、今、拙者は命令に従えません。自分の死に方は自分で選びたいのです。人を殺してまで生き残りたいとは思いません。将軍様こそ、ご自分の命を、どうぞ大事にしてください。不忠な部下の拙者からは、以上です」


「【衛星】、もう、覚悟は出来ているか?」


「覚悟など、最初から―――」


 “ヤツ”は、少し間を置いて、こう言った。


「死刑執行!」


「【衛星】ーーーーーーーーー!!!!!」


「将軍様!最後だから言います!“ヤツ”は、必ずプレイヤーの中に紛れています!!将軍様、必ずや“ヤツ”を見つけ出し、息の根を止めてやってください!!“ヤツ”は――――」


ジジジジジジ


「あッッッッッッッッッ―――――!!!!!!」



 ********



「【衛星】の死亡が確認された。これで、二人のプレイヤーの死亡が確認されたため、ゲームを終了する。勝者は、【割符】だ」


 【神速】と【衛星】を犠牲にして生き残ったワシは、一時的に解放された。


「もう、部屋から出てもいい」


 【神速】と【衛星】は死んでいる。【神速】は、最後まで生き残りたがって、【衛星】は、ワシのために自ら死ぬことを選んだ。今考えてみると、【神速】は人間らしいヤツかも知れない。


「どうした?もうお前は解放された。面白いゲームも充分に楽しんだ。向こうの部屋へ行くがいい。新しいゲームが待っているぞ」


 いつまでもここにいても仕方がない。ワシは部屋を出た。



 ********



 ゲームが終了した。結構面白かった。が、俺はひとつ後悔したことがある。それを言う前に、設定について説明しなければならない。実のことを言うと、ルーレットで止まる数字は、俺が全て調整しているのだ。つまり、ルーレットを止める意味は殆どない。俺が全て決めているのだ。一回目の数字も、二回目の空白の数字も、三回目の決着の数字も。


 俺は、二回目以外は全て【衛星】の数字を選んだ。【割符】が生き残っているときに、どういった反応を見せるか、見てみたかった。だが、途中で【衛星】が、自分も殺害対象に出来るということに、気付いてしまった。俺が変なヒントを与えなければ良かった。それが後悔だ。ただ、【神速】の死に様を見られたからよかったか。


 結果、【割符】が生き残ってしまった。別に悪いことではないのだが、少し気になる動きがある。俺は、正体が暴かれないように慎重に行動しますかね。危険な行動はなるべく慎むようにする。まあ、大丈夫か。死に方も決まっている。退場の時の状況さえ良ければ、なんとかなるだろう。


 あとは、【不明】だな。あいつはまったくもって謎だ。謎だらけの人間だ。なるべく早く死ぬように周りに促すか。協力さえすれば、人間一人は簡単に殺せる。どうせなら時空の歪を使ってもいいが、俺は面白い死に方を求めている。俺が殺すよりも、【常闇】とか【文殊】とか、そこら辺に殺してもらった方が面白いだろうよ。


 さて、プレイヤーは十人全員揃った。次のゲームの準備をするか。次は、お前らに直接殺しをさせてやるよ。生き残るため、全てを捨てな。そうすれば、俺が楽しめるってもんだ。せいぜい、頑張ってくれよ。俺を楽しませるためにな。アーッハッハッハッハ!!!!

夕闇の死刑台

敗者:2

   【神速】、【衛星】


勝者:【割符】


合計死亡者:3

      【殲滅】、【神速】、【衛星】

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