30、【神速】② 機械全滅
上から飛び出してくる機械兵に、俺達は苦戦していた。相手は機械だ。体が硬い。それに爆弾を持っているのだ。不用意な攻撃は禁物。爆発には気をつけるべきである。
「【神速】ッ!あと二体」
残り二体といえど、こちらも二人。しかも、こっちは三対を相手して疲れ果てた二人だ。
俺は機械の後ろに回りこむが、敵はすぐに反応する。こいつは物の動きを素早く感知できるらしい。
「【衛星】!後ろを取れ!」
素早く【衛星】が機械兵の後ろに回り、両断する。敵の手から転げ落ちた爆弾を俺が拾い、扉の上の部分に投げつける。
「あッ!」
【衛星】の後ろにもう一体の機械兵が回りこむ。
「【衛星】!構わん!斬れっ!」
後ろから将軍様の声。それに反応して【衛星】は刀を後ろに振る!
「くらええェェェェェェ!!!」
ガシャン
敵は崩れ落ちる。だが、その手。爆弾まで斬られている。もう助からない。
「【神速】!拙者に構わず、早く逃げろ!」
【衛星】は腕を組んで叫ぶ。俺はその場を離れる。その瞬間―――
爆発した。
「【衛星】ーーーーーー!!!!!」
【衛星】は陰も形もなくなった。
「将軍様!【衛星】は……」
俺の言葉を聞いて、将軍様は少し戸惑ったように言った。
「【衛星】は、どうなった?」
「【衛星】は、死にました」
「そうか」
将軍様は少し悲しそうな目をして、続けた。
「死んだ、か」
「はい。死にました。でも、今は落ち込んでいる場合ではありません。先に進みましょう」
扉の上部はいつの間にか破壊され、先に進めるように扉全体が開いている。
「落ち込んでいる?ワシはまだ落ち込んでいない」
「え?それってどういう…」
「だから、【衛星】はまだ」
「何ですか?もったいぶらずに教えてください」
「生きている」
え?ヤツは爆発に巻き込まれて吹っ飛んだはず。俺が見たときもいなくなっていた。それが、生きている?どういうことだ?
「まだ、生きている。ほら【衛星】、出て来い」
俺から死角になっている壁の向こう側から、【衛星】が出てきた。
「おい、【衛星】!お前、どうやって」
「簡単だ。拙者は特殊能力を使った。いや、正確には、将軍様が。将軍様が拙者を呼び出すことによって、拙者は瞬間移動ができる。それを利用したまでだ。これに気付いて合図を送ったのは、将軍様だ。拙者は将軍様に助けられたようなものだ」
そうか。将軍様は特殊能力の対象として、【衛星】を指定している。だから、将軍様は【衛星】を呼ぶことができるんだ。
「ほら見ろ【衛星】。ワシが【神速】を指定していていなくて正解だったじゃないKA☆」
将軍様がいつもの口調に戻る。
「でも、どうしてあんなに早く移動が選択できたんだ?お前、腕組みしてただけじゃないか」
「あのとき、端末を持っていた」
「何だって?!!」
ああ、そうか。だからギリギリまでなにもしなくて良かったんだ。
これで全てが把握できた。【衛星】は爆発する直前まで端末の「移動」の所に指を構えて、すぐに押した。端末はタッチ式だったのだ。別にそうでなくても出来たが。
「これでこのゲームはクリアだ」
俺達は先へ進む。そこには階段があった。
「下りろってか。まだまだ先は長そうだ」
「そうじゃNA☆」
「いかなる時でも将軍様をお守りするのが我等の役目。【神速】、行くぞ!」
「おっし!」
俺達は階段を下りた。そこに待ち受けていたのは―――
「あれ?何もない」
「何か罠があるのだろうか」
「とにかく、油断は禁物JA☆」
色々と話している俺達。だが、目の前の空間が歪んでいるように見えてきて………―――
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ここからが本番だ。【割符】、【衛星】、【神速】、お前等に真の絶望を与えてやる。フフフ、フハハハハハハハハハハ!!!!!
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地獄は目の前だ。
次回から殺人モード始動です。




