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CRISIS  作者: 54
冷凍回廊大疾走
27/63

26、【不明】⑤ 地獄完走

 俺は目を覚ます。


 やっぱり、夢じゃない。そんなの分かりきっていた事だったのだが、今最も疑いたくなる事実、それは、今自分の目の前にゴール寸前の【荒廃】がいることだった。やばい。早くしないと死ぬ。全力で、全力で走ってもギリギリ間に合うか間に合わないかの距離。間に合えば俺は助かる。だが、もし間に合わなかった時、俺は死ぬ。目の前にいる人一人によって自分の命の運命が決められてしまうと思うと苛々してきた。このゲームを仕組んだやつ、見つけたら絶対殺してやる。人の命を弄びやがって。お前の身勝手で生か死かが決まる?そんな馬鹿げていてふざけた話があるかああぁぁぁぁぁぁ!!!!!


 俺はゴールに向かってひたすら走る。もう間に合わないと思われる距離だ。だが諦めない。此処で諦める必要なんてない。最後まで走る。


「うおおおおぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


 叫び声を上げて俺は必死に走った。多分間に合わない。なんだか競走中に昼寝をして亀に負けた兎のような気分だ。アレを初めて読んだときは「ふん、兎め、馬鹿ヤロウだな。自分の不幸を嘆くがよい」とか言ってたっけな。だが自分が兎の立場になって見ると非常に悲しくなる。しかも俺は昼寝なんてしてねえんだよ!クソ、トラップめ。おかげで【荒廃】に負けそうじゃねえか。どうしてくれるんだよ。


 あと少し、あと少しだ。間に合いそうな気がしてきた。油断はするな。少しでも気を抜いたら確実に死ぬ。シャッターが閉まる。そうならないためには、走るしかない!もう少しだけ走れば、ゴールだ。


 よし、追いつく!と思ったその瞬間――


ビーーーーーー


「プレイヤーが一人残った。よって、シャッターの下降を行う」


 え?


 ええ?


 嘘だ。


 嘘だろ?


 なあ、嘘だろ?嘘だっていってくれよ!!


 認めない。


 認めたくない。


 死ぬ、


 のか?


 俺は、


 死ぬのか?


 そんな、


 そんなことって、















 有りかよおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!


「嫌だ!死にたくない!俺はまだ死にたくない!うわ、うああああああああっっっっっ!!!!!!」


 まだだ。まだシャッターは完全に下降しきってはいない!あの間をくぐり抜ければ、助かるかも知れない。というか、助かって欲しい。こんな所で死んでたまるかぁっ!


「一か八かだぁぁぁ!!!」


 俺が必死に走りぬける中、


ドスン


 シャッターが床に叩きつけられる音が聞こえた。シャッターは完全に下がった。だが、俺は助かった。シャッターが下がりきる前の僅かな隙間をくぐり抜けて。


「勝った」


 俺は勝った。必死に走って、どんな状況にも屈さず、ギリギリの所で生還した。それに、一番嬉しかったのが、


「どうだ主催者、勝ったぞ!俺は窮地から抜け出した。最後まで諦めなかった結果がこれだ。しかもここに集まっているメンバーの数を数えてみろ」


 全プレイヤーの生還だった。


「十二人だ。開始前の数と同じ。誰も死ななかった。諦めなければこんなことだって可能だ!そして、俺は必ず生き残るからな。ここに宣言する。絶対にお前を見つけ出して、俺達と同じ苦しみを与えてやる!!!」


 俺の一方的な会話が終わった後、【常闇】が口を開いた。


「無理だと思う。これはあくまでも予想だが、生き残れるのは一人だけだ。こんな事をさせるのなら、全員生かして帰そうとは思わないだろう。だから、もし生き残れたとしても、一人だけ。この十二人の中から一人だ。つまり、お前が生き残れる確率は、十二分の一しかないという事。十二分の一って、相当な数だぜ。計算してみな」


 十二分の一。1÷12だから、 


      0.083… 

   12/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

       1  

      00

       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

       10

       00

       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

       100

        96

       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

         40

         36

       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

          40…

                

「約8.3%」


 8.3%ってどのくらいだ?日常であまり8.3%を使わないので分からないが、大体百回くらいこのゲームをプレイして八回くらいしか成功しないという事か。残りの九十二回は全て失敗。そんな確率の元で俺達は争っているのか?まだまだゲームは続く。だとしたら、どれほどの体力を使うんだ?


 だが、必ずしも8%とは限らない。プレイヤーの強さはみなそれぞれだ。そう考えれば低くなったり高くなったりもする。だったら、確率が全てとはいえないんじゃないのか?だとしたら、俺はどうするべきなんだ?残念ながら、今の俺の頭は全く使えない物になっているので、難しいことは考えられない。



 ********



「お前等は自分達の共通点を知っているか?」


 誰かが突然喋り出す。人の話を聞かなそうな【常闇】は、「興味ない」とでも言う風に下を向いている。


「わかった!人間!」


 【黒雲】がふざけたようなことを言う。


「黙れこの馬鹿。

まあいい。お前らがお前ら自身の共通点を知らないなら、それは後で教えればいい事だ。今はその話は保留だ。今重要なのは、大分話が飛ぶが、俺がお前達をここに連れて来た理由についてだ」


「理由?」


「それは、恨み」


「え?」


「俺はお前達に恨みを持っている。つまりは復讐のためだ。分からなくてもいい。別に分かったところで何の得もないんだからな」


 恨み?この全員に恨みを持っているというのか?


「別に全員に恨みを抱いているわけではない。それが誰かは教えられるはずもないが」


 ふざけるな。俺はその言葉が出せなかった。声の主に並々ならぬ迫力を感じていたからだ。


「俺が恨んでいるヤツの一人を教えよう。それは、【文殊】だ」


「え?俺?」


 【文殊】が戸惑った表情で顔を上げる。


「【文殊】は、俺達から自由を奪った。【文殊】、お前は元々は僧だったが、それは表。裏では詐欺師をしていたのだ。そうだろう?」


 あれ?確か【文殊】って江戸時代の人だったよな。そんな時代に詐欺師なんていたのか?いそうだけど。


「お前ふざけんじゃねえよ!」


 急に【双旋風】が俺の思考回路にシャッターを下ろす。それと同時に【常闇】がビックリして【双旋風】を見る。


「お前、お前、寺のエリート僧侶だったじゃねえか!強くて、頭も良くて、正義感も強くて、俺、ずっと尊敬してたんだぞ!最初に会ったときは少しムカついたけど、段々といいヤツだなと思えるようになったんだ。それでお前に寺のナンバーワンになって欲しいと思って和尚に悪戯したんだ。ずっといい人だと思ってたのに、お前、本当にそんな事してたのかよ!そんなの俺の思い描いていたお前じゃねえ!お前なんてゲームに負けて死んじまえ!!この糞野郎!!!!!」


 【双旋風】が【文殊】を壁に叩きつけている。それを見て俺を含めるプレイヤー達が唖然として見ている中、【常闇】だけは笑っていた。


「お前なんか生きてる価値ねえ!!!!」


 【双旋風】はそれだけ言うと、ゴール後の部屋の扉の向こうへ去っていった。



 ********



「ククク、アハハハハハハッ!!!!面白え。ハハハハハハハハハハ!!!!!」


 【常闇】だけが笑う。


「だめだ。笑いを堪えるのだけで精一杯だった」


 次の瞬間、俺は【常闇】に向かって怒鳴る。


「おい!お前あれ見て笑うようなやつかよ!!!お前の方が生きている価値ないね!!!てめえと主催者が最も死に値する人間だ!!!!!」


「【不明】か。お前、主語が二つあるのに、最も、とは変だぞ」


「うるさい!そんな事はどうでもいい!」


「ハッ!お前の怒鳴り声なんて聞いても面白くない。それじゃあ俺はこれで失礼するよ」


 【常闇】は捨て台詞を吐いて部屋から出て行った。あの糞野郎!今度見つけたら真面目にボコす!



 ********



「で、これからどうする?」


「さあ。部屋から出ればいいんじゃないか?」


「ここは皆で行くより少人数で行ったほうがいいかも知れんな」


「確かにそうだ」


「じゃあ拙者は【割符】と【神速】のグループで行く事にしよう」


「僕は【名無】と【黒雲】で」


「俺はどうしようか」


「【不明】、俺と組まないか?」


「【文殊】か」


「よし、決まりだ」


「【常闇の野郎】をぶっ飛ばしに行こうぜ!」


「おい【不明】、アイツのコードネームは【常闇】であって【常闇の野郎】ではないからな」


「そりゃそうだな」


「皆出て行くぞ。俺達も行こうぜ」


「そうするか」



最後会話文だけで全く意味不明。

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