22、不協和音
本格デスマッチ開幕。
十二人全員が揃った。一人は死亡。【殲滅】だな。これで、大興奮のゲームが始められる。その名も、≪冷凍回廊大疾走≫。簡単に言えばレースゲームだ。多分これが一番簡単なゲームなのだろう。ただ走れば良い。最下位にさえならなければ生き延びられるのだから。
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十二人が揃う前の話。
で、ルール説明をしてやるか。とは言っても、ルール説明の録音なのだが。このゲームには俺も参加するんだからな。これが録音だとばれてはいけないな。
それじゃあ、始めるか。
「十二人が揃ったようだな。それでは、次のゲームのルール説明をする。今回のゲームは、簡単に言ってしまえばレースゲームだ。お前達にはこれから、幅十メートル、長さ二キロメートルの廊下を走ってもらう。勿論コース内には階段もある。九階から五階までのコースだからな。それで、そのコースは床がツルツルで、気温は摂氏零度だ。寒い上に滑りやすいので、非常に走りづらいコースだ。気を付けて走れ。順位は最下位以外、あまり関係ない。それは後で説明する。で、ゲーム中は妨害など、何でもありだ。思う存分に戦ってくれ。ただ、後ろからは、歯の部分が刃になっている怪物の顔の像が追い駆けてくるからな。飲み込まれたら確実に死ぬ。敗北条件はそれだけじゃない。ゴールしていないプレイヤーが一人だけになった場合、ゴール前のシャッターが閉まる。そうなった時の続きは想像できるな。まあ、そういうことだ。それではそこのドアのロックを解除するから、スタンバイしておけ」
これで録音は終わりだ。これは最初から一人しか死んでいない設定にしてしまったが、必ずしもそうなるとは限らないからな。その時はその時で考える。全員揃ってから録音するというのもあるが、それだとばれる確立が格段に跳ね上がるからやめておく。テープの再生とか扉のロック解除とかは遠隔操作でなんとかするか。
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そして今に至るわけだ。十二人ちゃんと揃ってよかったと思うよ。本当に。
そろそろ録音したテープを再生するか。ほれ。
「十二人が揃ったようだな。それでは、次のゲームのルール説明をする。今回のゲームは、簡単に言ってしまえばレースゲームだ。お前達にはこれから、幅十メートル、長さ二キロメートルの廊下を走ってもらう。勿論コース内には階段もある。九階から五階までのコースだからな。それで、そのコースは床がツルツルで、気温は摂氏零度だ。寒い上に滑りやすいので、非常に走りづらいコースだ。気を付けて走れ。順位は最下位以外、あまり関係ない。それは後で説明する。で、ゲーム中は妨害など、何でもありだ。思う存分に戦ってくれ。ただ、後ろからは、歯の部分が刃になっている怪物の顔の像が追い駆けてくるからな。飲み込まれたら確実に死ぬ。敗北条件はそれだけじゃない。ゴールしていないプレイヤーが一人だけになった場合、ゴール前のシャッターが閉まる。そうなった時の続きは想像できるな。まあ、そういうことだ。それではそこのドアのロックを解除するから、スタンバイしておけ」
よし。ちゃんとなってる。何がちゃんとなっているかはさておき、これから死のレースゲームが始まるんだな。俺が死なないように作戦は立ててある。妨害されなければ確実に成功する作戦だ。
そろそろドアのロックを解除するか。
「いいか?開けるぞ」
【刹那】が扉を開ける。始まりだ。
中に入るとどうなのかは言うまでもない。
「寒っ!!!」
当たり前だ。気温は零度。そして、
「怪物の像って言うのはこれの事か」
【双旋風】が石像を棒で叩きながら言う。これに巻き込まれたらほぼ即死だ。
しばらくして、ルール説明よりも前に録音しておいたゲーム開始の合図を流した。
「ゲームスタート」
俺の声が木霊し、それと同時に俺を含めた十二人が走り出す。
十二人の足音は、とっても愉快な不協和音を奏でていた。




