21、【名無】② 双方
どうだ……?正解か?それとも……、
「プレイヤー、【名無】の回答は……、」
拳を強く握る。正解だったら良い、という思いなど微塵もなくなって、正解かそうでないかを知りたかった。
「正解だ」
ホッとした。正解、という事は部屋の爆発は止まったんだな。
「ところで、お前はどっちのスイッチを押したんだ?」
「え?両方だけど」
「さすがは【名無】といったところか。答えは両方だ。だって、爆発する方を押してから爆発するのは五秒後。それに対して、爆発を止める方を押してから止まるのは三秒後で――」
「爆発する方よりも早いから、だろ?」
「上出来だ」
これで、扉は開くんだよな。というか、開いてるし。
「だが安心するな。ゲームはまだまだ続く。誰が生き残るか、楽しみだな」
誰が、という表現を用いるという事は、プレイヤーはたくさんいるんだな。
扉の奥に進む。やっぱりな。そこにはまた部屋があって、その中にはプレイヤーが十一人。俺を含めたら十二人だな。これから何が行われるんだ?ま、なんにせよ、俺は生き残って見せるけどな。
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これでプレイヤー十二人が準備室に揃った。少し休憩時間をとるか。十分くらいでいいかな。
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「全員集まった事だし、これから何があるかもわからないものなんだし、お互いの事を知っておく必要があるんじゃない?」
何か見た事のあるような顔の人間が口を開いた。
「つまり、自己紹介ということだな」
ネズミみたいな顔の武士がそういう。
「じゃあそうしようか」
俺はそれに乗ってやる。
「じゃあ提案した僕から。僕は【刹那】。安國寺っていう寺に仕えていた」
思い出した。こいつは安國寺の悪ガキ軍団の一人だった。
「次は俺だな。俺は【神速】。見てのとおり武士だ。此処に来る前は将軍様の家来をしていた」
ネズミ面の武士。
「将軍はワシJA☆ ワシは【割符】。先ほど言ったが将軍JA☆」
将軍態の人。
「拙者は【衛星】。【神速】に同じく将軍様の家来だ」
髭を蓄えた武士。
「次は俺だ。【名無】という。【刹那】とおなじで安國寺に仕えていた。俺を含む悪ガキ四人組は、後から入ってきた一体とか言う坊主に殺された」
俺の自己紹介はこれで終わりだ。
「俺も安國寺で坊主をしていた。【黒雲】だ。覚えていてくれ」
確かこいつは勘が良いんだったな。
「俺は【双旋風】。東大寺で悪事を働いていた。元の名前は一本」
二本の棒を持った男がそう言った。
「俺は【常闇】だ。【刹那】、【名無】、【黒雲】と同じ安國寺の坊主だった。元の名前は一体」
一体が何年か放って置いた長い髪を鬱陶しそうに払いながらいった。
「俺は【不明】。此処に来る前の記憶は殆どない。名前すらも覚えていない」
少し戸惑ったような男が言った。
「次は私だ。【逆風】。安國寺の近くに住んでいた大富豪で、そこの【常闇】とかいうやつに殺された。まあ殆どは私のドジなのだがな」
貴族のような男。
「最後はワシじゃな。ワシは【荒廃】。安國寺の和尚をしていたのじゃが、【常闇】に殺されたんじゃ。気が付いたら此処にいた」
和尚様が言う。
待て、不自然な事がひとつある。【刹那】、【黒雲】、そして俺【名無】の悪ガキ四人組の内の三人がいるのに、どうしてもう一人はいないんだ?もしかしたらゲームをクリア出来ずに死んでしまったのか?
不可解な事はまだまだあるんだ。
またしてもありがちな最後。それしか思いつかないんですよぉぉ。




