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CRISIS  作者: 54
悪魔鉄柱
20/63

19、【文殊】② 伝導

 あ、あった。この部屋を抜け出すための鍵。正確に言えば、スイッチだ。赤でも青でもない、黄色のスイッチ。部屋のすみっこの天井にあった。多分、あれだ。

 しかし、届かない。天井まで、あと五センチ。たった五センチなのに。

「う…、ぐ……、ぁぁぁっ……!」

 届かない。

 何か、天井まで届くものはないか。何でもいい。天井まで届けば、何でもいい。スイッチでも…、

「スイッチ?」

 気付いたのだが、鉄柱の上のほうを見てみると、パイプのようなものが繋がっている。おそらく、中にはコンセントか何かが入っていて、包丁で切られないようにしてあるのだろう。用意周到だ。

 そのパイプは、黄色いスイッチの近くまで伸びているようだ。あれを伝っていけば、届く。パイプも高い位置にあるため、上るための足場が必要だった。その足場となるものが、赤、青のスイッチだった。踏んでどちらかの爆弾が作動するかは分からない。でも、他に方法がないんだったら、やるしかない。一か八かだ。


 スイッチに足をかけ、上に上がる。頭上にはパイプ。つかむ。俺はパイプにぶら下がりながら移動し、スイッチのある場所まで辿り着く。

 だめだ。もう、腕が限界だ。届くか、ギリギリ届くか、どうだ。

 あと少し。あと少しなんだ。届くか?


 届―――――


 いた。届いた。それと同時に俺はパイプから手を離す。反応は、どうだ?


「正解だ」

 声。聞こえるのとほぼ同じタイミングで、俺は喜びの声を上げる。


 扉が開く。これで帰れる!こんな変な所から出れる。これでいつもの日常が――

「戻ってこねえよ」

「え?」

「戻って来ない。まだまだゲームは続く」

 絶望的だった。あんなものが何回も何回も続いて、その度にクリアしていくのは、ほぼ無理に等しいと俺は感じたからだ。

「忘れるんじゃないぞ。お前は一人ではない。良い意味でも、悪い意味でもな」


 扉の先は、また扉だった。一気に俺は暗くなった気持ちで、扉の奥に臨む。そこに待ち受けていたのは、十人の人間。俺を合わせて、十一人だ。ここから始まる壮絶なゲームを、俺達は知る由もなかった。

超ありがちな結末ですね。もうホントくだらねえですね。

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