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魔王の嫁を取り返せ!  作者: 鷲野高山
一章・異能の星・レトアルス
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7話 この世界は

どうも。前話で告知させていただいたとおり、今回は説明です。

この話を見てもよく分からない、分かりにくい、という方もいらっしゃるかもしれませんので、今度、世界設定・語句説明と後は簡単な人物紹介を投稿させていただく予定です。

よろしければそちらもご覧ください。

「では、お部屋にご案内します」

「お願いします」


 ガーラスに案内され1階の書斎を出て階段を上る一俊。階段は、大きい一直線にのびたものだ。

 上っている最中に、一俊はふとあることに気づく。


(3階に上がる階段が見つからないのはなんでだ? 外から見た感じだと、あと1階分くらいあるような大きさだったが……別の場所にあるのか?)


 そんな事を考えていたら、いつの間にか階段は終わっていた。慌てて顔をあげる一俊だったが……その視線が前方に固定された。

 彼の目の前には壁に掛かったとても大きな絵が。絵の事なんか全然分からない一俊でも、すごい価値があるだろうと分かる。

 それは、紅い炎に包まれながらも、こちらに優しいほほえみを向ける女性の絵。言葉で表すと悲惨な光景だ。しかし、この絵の炎は、炎に包まれている女性は、なぜだか恐怖を感じさせない。美しく、なぜだか安心感を与えてくれる。

 ……どのくらい見ていただろうか。……一分、五分……いや、もしかしたら十分ほど見ていたかもしれない。

 我に返った一俊に、ガーラスが声をかける。


「いかがでしたか?美しい絵でしょう?」

「……えぇ。たしかに、すごく美しいですが、それ以上にどこか懐かしくて不思議な絵でした」

「……ほぉ……そうでしたか。では、お部屋へ向かいましょう」

「あ、すみません」


 その絵以外は、一階と同様にシンプルで、特に目を惹かれる物はなかった。一俊が案内された部屋は、二階の部屋の内の一室。


「このお部屋です。ご用がおありでしたら、ベルをお鳴らしください。こちらからお呼びする場合は、お部屋にお伺いします。お部屋の物はご自由に使っていただいてかまいません。」

「分かりました。ありがとうございます、ガーラスさん」

「では、失礼致します」


 ガーラスに一礼してドアを開けた一俊は、部屋の内装に驚いた。

 

「……すげぇ」

「ベッド~! ベッド~!」


 一直線にベッドに向かっていく精霊。一俊も疲れていたのでそうしたかったが、とりあえず傍らにあったドアを開ける。


「……風呂か? なんかよく分からないものが置かれてるな」

「やはりベッドも、ふっかふかじゃぞ~! 早くこっちに来て座るのじゃ! いろいろ説明するからの」


 精霊に呼ばれたのでベッドに腰掛ける。本当にふかふかだ。


「さて、ではまずこの世界がどういう場所なのかを大まかに話す。一気に話すからちゃんと聞いておるのじゃぞ。分からないことは最後に聞くのじゃ」


 精霊の方に顔を向けて頷く。


「まず、この世界には5つの星が存在する。

まず、1つ目、今ワシ達がいる『レトアルス』。レトアルスは、『クレアチオ』という力を操る『クレアトール』という者たちが住まう星じゃ。森や山などの自然が多いのが特徴じゃ。


 そして2つ目が『ロムルキト』。ロムルキトは、科学者達が多く住まう星じゃ。そのため、他の星と比べ科学、機械が発展しておる。海が多いのが特徴で、多くの人々は海上を移動する手段として自分専用の『マキナ』……まぁ分かりやすく言うとロボットじゃな。ロボットを利用して飛んで移動するが、娯楽として船も運航しておる。

 さっきお主が疑問に思った風呂のよく分からないものというのはここの発明品じゃ。


 3つ目が『ジプキアス』じゃ。ジプキアスは、人と動物が互いをパートナーとして契約して、共に生活している星じゃ。お主に分かりやすく言うと……召喚者と召喚獣といったところか? 厳密には違うが。

 原則として、一人に対して一匹の動物がパートナーとなっておる。その逆も然りじゃ。あくまでも原則としてじゃから、例外として一人に複数の動物、一匹の動物に複数の人間というのもある。

 契約の力を『ファートゥム』と呼ぶ。この星は活火山が多い。そして、少し暑い気温が特徴……疲れた……少し待っておれ。


 よし、後2つじゃ。4つ目は『カロブア』。この星の人々はとにかく身体が強い。特徴としてはめちゃめちゃな気候の星ということじゃな。砂漠やら雪山やら色々ある。……まぁ、それが身体が強い理由なのかもしれんが。


 そして最後『ザグーシャフ』恐らく魔王とお主の知り合いがいると思われる場所じゃ。詳しくは後々知ることになる。


 さて、それぞれの星の関係性じゃが、『レトアルス』、『ロムルキト』、『ジプキアス』、『カロブア』の4つの星は互いに繋がっている道があって行き来が可能じゃ。しかし、交流は貿易程度で移住している人はほとんどいない。何故なら、それぞれの星には結界があって、他の力を弱めてしまうのじゃ。

 例えば、『レトアルス』のクレアトールが『ロムルキト』に行くとする。そうするとクレアチオがいつも通り使えん。まぁ個人差はあるが。

 同様に『ロムルキト』の人間がマキナを持って『レトアルス』に行っても機械本来の力が弱まる。弱まるだけじゃから貿易で仕入れた風呂の機械は使えないわけではないということじゃ。……中にはそれでも他の星で住んでいる強者もいるがの。

 で、それぞれの星の能力がその星の住人達にしか使えないというわけではない。素質があれば本人の努力次第でなんとかできる。ただ、誰でも素質があるというわけではないので使えなければ使えない。

 『ザグーシャフ』に関しては、今は何処の星とも繋がっていないが、行くための方法の手掛かりは知っているので今度教える。

 ……フゥ、以上何か質問は? ……ないじゃろ? ないと言ってくれ! ワシは疲れたのじゃ!」


「星についてはとりあえず分かった。……忘れたらまた聞く。で、俺の能力とかなんなんだ? 門のところのいざこざで時の流れがなんとかって言ってたけど

 後、リュークさんに聞かれたことはなんだ? クレアトールは分かったけどテム……プスだったか? その他にも聞きたいことはたくさんある!」

「……普通に無視とかひどいのじゃ……お主には人を労わる気持ちはないのか!?」

「だってお前人じゃなくて精霊だろ?」

「………………たしかに……せめて後少しでいいから待ってくれ」




 






次回はこの星や、主人公の事等の説明の予定です。

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