ガーデナー
朝太陽が昇るころ、君を特等席に連れて行く
新鮮な水をたっぷり飲ませ、害虫がいないかを点検する
緑の葉に君の体調を訊ね、蕾の色に明日を占う
雨の日も風の日も春も夏も秋も冬も昨日も一年前も
君は迷惑だったかい言葉話せぬ花だから
僕に伝える術を持たずにいたんだね
時に楽しかったかい言葉通じぬ僕だから
君の望みの行く末なんかちっとも知らなかったんだ
僕は君のこと何も知っちゃいない
僕が君を所有してたなんて勘違いもいいとこさ
僕にはそんな資格も力もないくせに
ただ君の近くにいつづけることが何か意味のあることだと
そんなふうに思っていたなんて、君は笑ってしまうかい
もし君が僕なら
君は毎日僕を、朝日に当て、水をやり、葉の色を見、蕾を愛でるかい
もし僕が君なら・・・
僕らはいったいどっちなんだろう