3/5
誤解の生まれる日
俺達が転校してきた学校、直道中学校。
家から2キロというとんでもなく遠い距離にあるので、
登下校するのが嫌になりそうな道を歩く俺達。
「これから毎日この道を歩くのかよぉ〜」
「考えるだけで鬱になるから止めろ、卓」
「そーは言っても長げぇんだから仕方ないだろ〜」
「はぁ……仕様がないからもう走ろうよ」
俺はあまり体力が無いので落ち込む俺に反して、
「よっしゃぁ!」
卓は元気が余りすぎだ…
まぁ、そんな感じで学校の近くに来た俺達だったが……
“周りの視線が痛い”
おそらく同じ学校に通っているであろう(同じ学生服だ)
奴らが俺達のことを噂している。
もちろん、イイ意味でだろうが、内容はどうせ最悪だ。
俺達は性別逆だと思われてるだろう。
通常の学校なら制服で判断できるかもしれないが、
ここの制服は男女共通なのだ。
「ねぇ……卓…」
「ん?」
「思いっきりいつものアレだけど…」
「もう気にしなきゃよくね?」
「ぁあ…もういいや…」
そして、学校についた俺達の、悪魔の自己紹介タイムが始まった。
昔さながらの先生の合図で入っていき、自己紹介をするかんじで。
あぁ、性別ちゃんと言わないと……