第二十話 無事に産めるため③
「保護者の皆様、学校この問題については厳正に対処いたします。」
鬼塚は本来、正彦と光野の早恋行動を非難しようと思っていたが、雅子の激しい反応に戸惑った。
「処分しますか?」
「少なくとも、学生会長の職位は辞めなければなりません。」
光野は学生会長の職位は元々望んでいないから、気にしなかった。しかし、雅子はそう思わない。どんな大学の面接でも、学生会長が辞任した理由について尋ねるだろう。これは息子の進学に影響を及ぼす可能性がある。
光野は困惑している。彼はいつも学校の規則に従順する学生だ。正彦と少しでも仲良くしようとすると、学校から厳しい批判を受けた。
「雅子、落ち着いて。」
「彼の担任もお父さんと連絡した。T大に進学する話だ。」
隆矢は雅子小さな声を聞き、目を光野に向いた。
優秀な子だ。
隆矢は多くの人を会ったが、光野を見る目には珍しく感嘆の念が込められている。
「先生の方、このことは誤解かもしれません。うちの正彦もAlphaです。」
「何?」
雅子は隆矢の言葉に戸惑いの表情を浮かんだ。
「そう、ここには誤解があるはずだ。」
「これは...」
この回答に、鬼塚教頭も予想できなかった。AA恋愛の可能性を排除することはできないが、学生を冤罪することもできない。
しかし、彼らはカップルかどうかを置いて、逃げ出し、教師たちに追われたのも事実だ。この行動は、在校生に影響を与え、学校の評判にも影響する。
「少し教員たちと相談します。」
隆矢は鬼塚教頭の話を聞きながら、再び光野に目を向いた。
正彦も直人の存在に気付いた。
「何しに来た。」
「......おじいちゃんを見に来た?」
正彦は隆矢を見て、直人の回答が面白いと感じました。
「親孝行?」
「光野の国語補習を感謝しろう、君の国語力が......」
「君は何組の生徒だ。なぜ教員室にいる。」
直人が言葉を続けようとしたところ、鬼塚に彼の存在を気づかれた。
「俺は......」
「出て行け。」
直人はまだ答えようとしたが、山崎に引っ張られてドアの外に連れ出された。
「親たちは中にいるのに、なぜ中に入ったんだ?」
「これは俺の人生に関わることだから、入らなければならないんだよ。」
山崎は直人が時々精神異常のようになるのを知っている。彼は返事しなかった。そして、直人と一緒に戦々恐々と教員室窓の下に隠れた。




